ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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エロは奥が深い。


10話 ピトーネの供述

「っぷは。お前の舌、長いな、どうなってんだ?」

 

「ちゅ、れろ……❤︎え?これ?うーん、そうね、ラミア系の口は、人間のそれより大きくて奥行きがあるのよ」

 

「成る程な」

 

私は、エキドナ族で最も有力な一族、パイソン族の族長の娘、ピトーネ。

 

エキドナ族は、ラミア系の中でも極めて有力な一族よ。

 

その族長の娘なのだから、私は高貴で気高い存在なのよ。

 

そう、思ってたわ。

 

でも違った。

 

世の中には、上には上がいる。

 

私の高貴さとか、そんなのが通用しない覇王が。

 

ジン様!

 

私のご主人様!

 

なんて強く、無慈悲で冷酷で、美しい方なんでしょう!

 

誠心誠意、一生をかけてお仕えしますわ!

 

 

 

数ヶ月の猛特訓を重ね、私は超級魔法へ手を伸ばした。

 

やはり、このマリーとか言うリッチ、相当ね。

 

教師が良かったからか、私達の戦闘の腕前はAランク、いえ、これならSランクを狙えるか、と言えるほどに鍛えられた。

 

冒険者として強くなれるのは望むところだけれど、訓練は厳しいわね……。

 

私は、あまり体力に自信がないから、大変だったわ。

 

でも、ご主人様もその辺は分かっているらしくて、私には勉強の方を多くやらせたわ。

 

私、一応、ガリア皇国の国立学院を首席で卒業しているんだけど、ご主人様の知識はそれを遥かに超えている。

 

「カガク」、「ブツリガク」、「セイブツガク」は画期的な考えだわ。

 

本当に先進的で、場所によっては受け入れられない、異端でしょうね。

 

でも、圧倒的に正しい知識だわ。

 

何百何千年も先の未来で、魔法を使わずに真理を探究した者達の気配を感じる。

 

魔法ばかりに傾倒する、無能な研究者ではたどり着けない境地。

 

本当に素晴らしいわ。

 

 

 

知識を得て、実地訓練に移る私達。

 

車は凄いわね、エンジンの機構は大体理解したけれど、実質、あれほどまでに精密で丈夫な機構を作るのは、人間には不可能。

 

つまり、この世界で再現するのは難しいわね。

 

そう、それで、卵を混ぜてふんわり焼いた、オムレツと言う料理を食べさせてもらって、英気を養ったところで、ダンジョンへ突入。

 

……ご主人様の料理は本当に美味しいから、故郷に伝えようと思う。

 

ダンジョン。

 

中に入ると、森が広がっている。

 

鬱蒼と生い茂る木々、その間から射し込む光。

 

無限の青空に草地の平野。

 

「……毎度思うが、この、物理法則に喧嘩を売った空間はなんなんだかな」

 

確かに、最初は私も驚いていたけど、もう慣れたわ。

 

そう言うものなのよ、ここは。

 

そう、ダンジョンの中は、自然環境なの。

 

比較的浅い階層では、森、平原、河原など。深くなると山、熱帯、崖地など、更に深いと火山や寒冷地、百を超えると、魔界のような過酷な土地になると予想されるらしいわ。

 

らしい、と言うのは、百階層もあるダンジョンには行ったことがないし、世界規模で見ても、深いダンジョンの到達階層は百階層行かないくらいだもの。

 

そうね、確か、世界一深いと言われているメリカ公国の迷宮都市ヨークヨークのダンジョンでも、最高到達階層は八十六階層。確か、三十年前の、勇者がいたSランク冒険者パーティだったと記憶しているわ。

 

「アリアドネの糸はあるな。良し、行くぞ」

 

「「「「はい!」」」」

 

っと、行こう。

 

 

 

「フレイムアロー!」

 

「ギギィ!!」

 

炎の矢でゴブリンを貫く私。

 

まだ一階層、楽勝よ。

 

いえ、いけないわ、油断は禁物って習ったわよね。

 

「ファイアボム!」

 

「ギャギャー!!」

 

「ゲギャー!!」

 

「ゴギャ!!」

 

こんなものかしら。

 

「ふむ、まだ低階層だ。肩慣らしのようなものだな」

 

そうね、その通り。

 

もっと深くへ潜らなきゃね!

 

さあ、ペースを上げて進んで行くと、もうボス部屋。

 

五階層では、ボスが出る。

 

……ダンジョンには、五階層毎に、ボスと呼ばれる強力なモンスターが番人をしている。

 

と、言っても、五階層くらいならゴブリンキングってところかしら?

 

「ギギギ、ニンゲン、コロス!!!」

 

あら、正解ね。

 

ゴブリンキングと、取り巻きのゴブリンメイジとゴブリンウォーリアー。計10体ってところかしら。

 

「デカいのは俺がやる!残りは頼んだ!」

 

グラースが斬り込む。

 

基本的に、グラースが物理アタッカー、私が魔法アタッカー、ブリッツが遊撃、ウーノが盾、八千代が斥候ね。

 

ご主人様は司令塔と遠距離攻撃担当になるのかしら。

 

でも、今回は私達を鍛える目的でダンジョンに潜っているから、ご主人様はあまり手出ししないそうよ。

 

「ふん」

 

「ゲギャ?!!」

 

それでも、自分のところに来た敵くらいは処理するから、お荷物にはならないわね。

 

 

 

六階層の森の中で、野営をする。

 

ダンジョンの中でも、昼と夜の違いはあるものよ。原理は分からないけれど、ダンジョンの中でも太陽はあって、夜には太陽が沈むの。雨や風だってあるわ。

 

「テントを張れ、できるな」

 

「「「「はい!」」」」

 

みんなで野営の準備を。

 

ご主人様の所有しているとても大きくて丈夫なテントを張る。

 

戦で使う天幕に屋根がついたようなものだ。これなら、身体が大きな私やウーノでも中に入れる。

 

ご主人様が言うには、一瞬で砦を作ることも可能らしいけれど、それをやったら目立つからやらないそうだ。

 

確かに、まだ浅い階層ということもあり、遠目で見れば、他の冒険者の姿がちらほら。

 

ダンジョン発見の知らせを受けて、各国から冒険者が集まって来ているものね。

 

「ふー、夜はちょっと肌寒いわね」

 

「……お前は、変温動物なのか?」

 

あ、「セイブツガク」ね。

 

「多分そうよ、ラミア系は体温が上がりづらいの。冬に冬眠する部族もいるわ」

 

「そうか……、なら、食事は、身体を温めるようなものが良いな」

 

「え?ダンジョンの中で料理するの?」

 

「いや、料理はしないが」

 

「?」

 

「……カップ麺だよ」

 

「カップメン……?」

 

「まあ、そうだろうな、この世界にインスタント食品なんて干し肉くらいしかねえだろうな。これは、そう、お湯を入れると麺入りのスープになるものだ」

 

へえ、面白いわね。

 

「まずはカセットコンロを配る。使い方は分かるな?」

 

「ええ、この、燃える空気が入った鉄の容器を差し込んで、このツマミを回すのよね」

 

「そうだ、それで良い。それで、鍋に水を入れて、火にかけろ」

 

「こう?」

 

「そうだ」

 

これ、便利よねえ、魔力を使わずに火を使えるだなんて。

 

でもご主人様は、魔法で水が出せるのは反則だと言っていたわ。

 

何でも、魔法が使えない頃は、飲み水の確保でかなり苦労したんだって。

 

「さて、お湯を沸かしている間に、何を食うか選べ」

 

「ええと……、この、蓋に描かれた絵と同じものが中に入っているの?」

 

「ん、絵?あー、写真か。そうだ、完成予想図は概ねそうなる」

 

「おや、これはジパング語でござるな。日振食品カップヌードル……?」

 

ふむふむ……、あ、これ!

 

「私これが良い、卵入ってるやつ」

 

「チキンラーメン、か。それには卵が付属している訳じゃないが、まあ、卵ならあるぞ」

 

「わーい!」

 

ええと、この麺を凹んでいる方を上にして……。

 

麺……?

 

「カチカチだけどこれ、大丈夫なの?」

 

「大丈夫だ。それはな、干し肉と一緒で、乾かしてあるものなんだよ。だから腐りにくいんだ」

 

「成る程!水気が多いものはすぐに腐るものね」

 

これに卵を入れて……、っと。

 

「これ、何の卵?」

 

「鶏」

 

「にわとり?」

 

「この世界にはいないのか?毎日卵を産んで、肉も食える家畜なんだが」

 

「は、はぁ?!何よそれ!ズルくない?!毎日卵を産む鳥なんて、卵取り放題じゃない!!」

 

「ふむ……、この鶏肉に蘇生魔法をかければ……」

 

「コケーッ!!」

 

肉の塊が白い鳥に。

 

「そ、それがにわとり、ね!いくら?!いくらなの?!」

 

「落ち着け」

 

鶏の首を刎ねてしまうご主人様。

 

「あぁ……、にわとりが……」

 

「卵なんて、食いたきゃ好きなだけ食わせてやる」

 

「本当?!」

 

「安い女だな……」

 

「だって、卵なんて、一つで銀貨一枚もするのよ?!」

 

「俺のこれは元手はタダなんでね」

 

つ、つまり、ご主人様についていけば、上質の卵食べ放題……?

 

「一生ついて行きます!」

 

「……はあ。三分経ったぞ、麺をほぐして、たれを入れて食べろ」

 

「「「「はい!」」」」

 

フォークで卵の黄身を割り、麺に絡めて食べる。

 

「んん……!!これ、凄いわね。保存食のレベルじゃないわよ」

 

「!!、確かに、これは素晴らしい。兵站の概念が進化する……!ご主人様!どうか、我が国にこの技術を伝えてくれはしないだろうか?!」

 

ウーノって、家出して来た癖に、家のこと考えてるのよね。

 

「この世界の機材じゃ無理だ。瓶詰めの作り方くらいなら教えてやる」

 

「有難い……!保存食は大事だ、民を飢えさせてはならないからな……」

 

「ふぅ、カップ麺は日本のが一番美味いな」

 

そう言って、麺を啜るご主人様。

 

んん?それどうやってるの?ずるずるーって麺を啜ってるけど。

 

「カップメン?にも辛いのあってよかったー!」

 

ブリッツの味覚は相変わらずおかしい。

 

「あちち……、うん、美味え」

 

「このシーフード味と言うのは、さっぱりしていて良いでござるなー」

 

グラースと八千代も満足している。

 

「飯が足りねえ奴は缶詰があるぞ」

 

「ちょうだい!」

 

「私ももらおう」

 

「私も」

 

「それと、ビスケットと、ミートパテだ」

 

「これ、サクサクしてて美味いんだよな」

 

「このパテというのもふわふわで美味にござる」

 

追加で出された缶詰という保存食を平らげて……、最後に、甘い飴を舐めて。

 

「さあ、食ったら休め。警戒の魔法と結界を張れ!俺は軽くトラップを仕掛ける」

 

「「「「はい!」」」」

 

「ああ、それと……、ピトーネ。寝る前に少し、運動をしようかァ?」

 

「!、……はい❤︎」

 

明日に備えて休むことにした。

 

うふふ、元気いっぱいになったわ❤︎

 




理解できぬ性癖にも分け隔てなく接してこそ、真の紳士。
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