ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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大麻はタバコよりマシって聞くけどどうなんでしょうね。


15話 フェンリル族の改革

世界征服の第一歩として、上位種集めをしたいと思う。

 

……魔人やモンスター娘には、等級というか、階級というか、そういうものがある。

 

例えば、同じ狼系でも、コボルトよりワーウルフの方が上、ワーウルフよりヘルハウンドの方が上、ヘルハウンドよりフェンリルの方が上、というような。

 

それは、何も権威の話ではない。

 

身体能力、魔力、特殊能力。

 

そう言ったもので下位種を上回るそうだ。

 

コボルトであれば、人並みの身体能力と少なめの魔力、鼻が効く程度。ワーウルフであれば、人より素早く、力強く、回復力が高い、鼻が効くくらいだが、ヘルハウンドならばそれに追加して更なる身体能力と、火を噴く能力、火属性の魔法を使いこなす。

 

フェンリルならば、更に高い身体能力……、人間の五倍以上と、それと高い魔力、氷の魔法、氷のブレス、局地的に雪をふらせる、地面を凍らせる、魔力を直接氷に変換して射出するなど、面白い力がある。

 

氷を射出する、というのは、銃弾には劣るが牽制にはなるし、鋭い氷の刃や、質量弾としてなら多少は使える。氷の壁や地面も、砲弾は防げないが、風などの魔法に対して優位に立てる。氷のブレスも射程範囲は短いが、普通の人体程度なら2、30秒で凍死させられる。

 

しかし、上位種は、下位種よりも数が少ない、とのこと。

 

そして、上位種は、下位種を取りまとめる存在であることが殆どだとか。

 

ならば、上位種を下僕にすれば、下位種もついてくるということ。

 

ふむ、なるほど。

 

 

 

グラース。

 

フェンリル族の族長の一人娘だ。

 

俺の可愛い下僕で愛人でもある。

 

まずは、ジョージアの街から馬車で数週間程、ガリア皇国の外にある、フェンリル族の集落から攻めよう。

 

飛行機に乗り込み一日。

 

目的地に到着した。

 

ふむ、集落は平原の中にある。柵のようなもので仕切られた村に、屋根と壁があるだけの建物のようなものが建ち並ぶ。

 

規模は大きく、少なくとも数万人はいる。集落と言うよりは小さな街だ。

 

近いのは、インディアンだろうか?

 

そんなイメージだ。

 

街には、特に止められることもなく入れた。

 

「グラース様!」

 

「おかえりなさい、グラースお嬢様!」

 

「おう!」

 

グラースがいたからだろう。

 

街は、殆どがフェンリル族のようだ。青い毛色が目に優しくない。

 

「こっちが俺の……、族長の家だ」

 

案内された先の大きな建物らしきものに入る。

 

「ん?おお、グラース!帰ったか!」

 

青髪を短めに刈り揃えた、厳しい顔をした、髭面の男が、肉球のある手を挙げる。

 

グラースに一目散に駆け寄った男は。

 

「キモい!」

 

「ぐがぁ?!」

 

グラースに蹴り飛ばされる。

 

「帰ったぜ、親父」

 

「お、おかえり、グラース、げ、げふっ」

 

俺がゴミを見るかのような目を向けると。

 

「人間、なんだその目は!この俺に文句でもかぺっぎゃ」

 

偉そうに指をさしてきたが、グラースが殴る。

 

「俺のご主人様に対して頭が高えぞ馬鹿親父!!!」

 

「グ、グラース!お、お前、こいつが婿か?!」

 

「ご主人様に向かってこいつとは何だァ!!!」

 

「ぐあぁ!!!」

 

 

 

「それで?貴様が俺のグラースの婿か?面構えは悪くねえが、この部族の長になる男は強くなきゃ駄目だ!!」

 

「ほう、表に出ろ。半殺しだ。そうしたら、この部族の支配権を寄越せ」

 

「言ったな、ガキめ!やってみせろ!!」

 

と言う訳で、原始的な殴り合いで決着をつけることになった。

 

まあ、蛮族だな。

 

ならば、力を見せるのが一番だろう。

 

見物人が多く集まる中、俺はフロワと名乗る族長の男と向き合う。

 

ここで銃を使っても、何が起きたか理解されないだろうな。

 

分かりやすく、殴るか。

 

「おおお!!!」

 

丸太のような太腕を振るうフロワ。

 

力はかなりのものだが、おつむは駄目だな!!

 

「ふっ」

 

「何?!」

 

受け流し……。

 

この世界での殴り合いといえば、技術もクソもない足を止めての拳のぶつけ合いに過ぎない。

 

確かに、体格が良いこの男は、単なる殴り合いならば強いのだろう。

 

「だがこれはどうだ?」

 

俺はシャープにジャブを数発放つ。

 

「うがぁ?!な、何だ?!速え!!パンチがまるで見えねえ!!」

 

プロボクサーのジャブで時速40kmほど。現役の頃の俺もそのくらいの速さの拳は打てた。強化された身体能力の今の俺は?

 

時速100kmを超える、人どころか大抵の生物には見切れない速度の拳。

 

この男に捉え切れるはずがないな。

 

「ク、クソがあああ!!!」

 

受け流し、ウェービング、スウェーバック。

 

「なんだそのおかしな動きはぁぁぁ?!!!」

 

「ほら、打つぞ」

 

「ぐうう!!」

 

ワンツー、ジャブ、フック、ストレート。

 

「ぐわあああ!!!」

 

吹っ飛ぶフロワ。

 

「KO、と。まだやるか?」

 

「ぐ、うう、まだ終わらねえぞ!!!」

 

「なら来い」

 

「おおおおお!!!」

 

相変わらず、馬鹿正直で、力任せのパンチ。

 

力が余計に入って、むしろ、最初より弱くなってるな、これは。

 

「ボディブローだ」

 

「おごっ?!!」

 

そして下がった頭にアッパー。

 

「があっ!!!」

 

「さあ、まだやるか?」

 

「ま、まだだぁぁぁ!!!」

 

ほう、根性だけは一丁前だな。

 

「だが、雑魚に付き合うのも飽きたな」

 

「喰らえええええ!!!!」

 

見え見えの軌道のテレフォンパンチに、動きを合わせる。

 

「ライトクロスカウンター……」

 

「が、はっ……」

 

流石に根性も品切れか。

 

「「「「………………」」」」

 

「ん、ああ?諸君らの族長様を半殺しにしてしまって済まないな。あまりにも弱過ぎたもので」

 

「「「「うおおおおおおおおお!!!!」」」」

 

「………………あ"ぁ?」

 

「凄え!!凄えぞ!!族長が手も足も出なかった!!!」

 

「グラースお嬢様の婿殿らしい!」

 

「これでフェンリル族も安泰だ!!」

 

「最強の戦士だ!!」

 

「万歳!!ばんざーーーい!!!」

 

「……おい、グラース」

 

「ん?ああ、フェンリル族では、強い戦士と優秀な狩人は偉いんだ」

 

成る程な。

 

「蛮族だな」

 

 

 

蛮族共には付き合いきれないな。

 

俺のような文化人はなァ。

 

さて?

 

穏便にこの部族の支配権を手にした訳だが。

 

「いやあ、参ったぜ!認める!あんたがここの新しい長だ!」

 

フロワが言う。

 

「いや、長ではない」

 

「む?継がないのか?ならばせめて戦士長にはなってくれ。長の座はグラースに……」

 

「違う。俺はここを国にする。よって、俺は王だ」

 

「王……!ガハハ、そりゃあいい!国を作るたぁ、大きく出たな!!」

 

「早速動くぞ。まずは、各地に伝令を出せ。この近場の集落の、ありったけの狼系獣人に、この国に来い、飯と住むところがあると伝えろ」

 

「あぁ?そんなもんねえよ。うちにそんな余裕は……」

 

「当てはある。兎に角集めろ」

 

「わ、分かった。それで?」

 

「次は兵士の訓練だ。これは……、グラース!任せられるか?」

 

「おう!任せてくれ、ご主人様!」

 

グラース達には一年近く訓練をした。教えることも出来なくはないだろう。

 

さあ、改革を始めようか。

 




映画アベンジャーズの俳優とかが大麻を肯定する画像をどっかで見た気が。あれは本物なのだろうか。

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