ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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休みが焼却された。


21話 ひかり、つばさ、のぞみ

「貴女……、アヤカシなの?」

 

「いいえ、ジュラ娘ですよ?」

 

私を閉じ込めている部屋の扉を、あっさりと開いたのは、ケモノの耳が生えた女だった。

 

十六歳くらいの大人で、茶髪のショートカットで、首に赤いスカーフを巻いている。

 

服装も、ノーブルのように白く美しい。

 

もしかして、この人もノーブルなのかも……?

 

「スミだったかしら?私をどうするつもり?」

 

「食事の時間なので、食堂に案内しようかなと」

 

『食堂』……?

 

よく分からないけれど、食べ物をくれるらしい。

 

攫われてから丸一日、食事をしていなかった。お腹が減っている。

 

その申し出は助かるわね。

 

 

 

「な、なな、何よこれ?!!」

 

百人を超える武装した女!

 

これ全部、ミリタイなの?!

 

これだけの兵力があれば、シティにも、勝てないまでも抗えはするかも……?!

 

だからあの男は、あんなに態度が大きかったのね!

 

それにこのキカイの乗り物も凄い。壁を壊そうと叩いてみたけど全然ダメだったし、多分、ハガネでできているはず。

 

ハガネのキカイと百人のミリタイがあれば、シティにも逆らえるかも……?!

 

それにおかしいのは、食べ物も!

 

リョーショクじゃない、まともな生の食べ物だ!

 

シティでも上位層の私達くらいしか食べられない『クサハナ』や『ケモノ』の肉を、百人分も!

 

それも、一品だけじゃなく、異なる種類のものを複数!

 

あり得ない、こんなの!

 

「今日はオムライスと、玉ねぎのスープにポテトサラダですよー。デザートはアップルパイです」

 

「あ、ありがとう」

 

「飲み物はセルフサービスだから、欲しければウォーターサーバーから汲んできてね」

 

「え、ええ」

 

水が、好きなだけ……?!

 

「んっ?!!!」

 

そしてこの食べ物!

 

信じられないくらいに美味しい!

 

甘くて、しょっぱくて、味が濃い!

 

「貴女達は、こんな凄まじいものを普通に食べているの……?!」

 

「いえ、今日はちょっと……」

 

「そ、そうよね!今日は何か、特別な日なのよね?!」

 

「え?いや、その、今日はちょっと手抜きの日なんです。いつもはもっとおかずが多いんですけど、今日は移動中の食事なので……。普段は、お外に天幕を張って、みんなでバーベキューしたりするんですよ!」

 

………………は?

 

これで、手抜き?

 

「バーベキュー、って、何……?」

 

「あ……、そうでしたね。この世界は貧しいんですよね……」

 

貧しい……。

 

ノーブルの、私が?

 

「ノーブルを貧しいと見下せるくらいに、良い生活をしているの?!」

 

「あっ……、その!違うんです!貴女達のことを見下している訳じゃなくて!」

 

「……良いわよ、別に」

 

馬鹿なの?こいつ。

 

良い子ぶって、ムカつく……。

 

 

 

「そ、そうだ!ひみつきちの中を見て回りましょう!面白いものがたくさんあるんですよ!」

 

下手に気を回す、スミとかいう女。

 

子供をあやすような言い様!

 

気に入らない!

 

「先生に怒られるので、奥は見せられませんけど、シャワーを浴びて映画を見るくらいなら大丈夫です!さあ、行きましょう!」

 

それから私は、溺れるほどの水を浴びて身を清めて。

 

不思議な、キカイを使った娯楽を楽しみ。

 

甘い食事を楽しみながら、接待されていた……。

 

けれど、そのどれもが私には気に入らない!

 

全てが、今まで私が最高だと思っていたシティのノーブルの生活を馬鹿にするかのような、凄まじい快楽快感だったから!

 

考えられる?

 

飲めるような清らかな水を、床にぶちまけるようにして全身で浴びる!

 

マネーをばら撒くよりもよほど恐ろしい、シティのノーブルにすらできない究極の贅沢!!!

 

そして、舌が痺れるほどに甘い食事を食べながら、恐らくはとんでもないエネルギーを消費しているのであろうキカイを、娯楽のために使う!!!

 

……頭がおかしくなりそう。

 

何、この、信じられないくらいの豊かさは?

 

私がそうやって落ち込んでいると……。

 

「あ、あー!そうだ!私の特技を見てください!ほら、この紙切れが……、しゅぱっと!切り絵になりましたー!」

 

と、スミが何かをして、目の前のひらひらした何かを切って、ケモノの形にした。

 

切った?

 

どうやって?

 

「今、何を……?」

 

「興味ありますか?!私は実は、『切断』の力があるんです!この力で、手を触れずともものを切り裂けるんですよ!面白いでしょ?!」

 

必死に私を楽しませようと変なことをするスミだけど、私はそれを聞いて驚きと……、嫌な予感を感じた。

 

「貴方……、『スペリオル』なの?」

 

「へ?スペリオル……、ですか?」

 

「超能力を持っているのかって聞いてるの!」

 

「超能力……?まあ、そう言われればそうですかね?私達はこの力を、『ダイノ・フェノメノン』と呼んでいるんですけど」

 

私、『達』……?

 

まさか。

 

まさか、まさか、まさか!!!

 

「他にも、超能力持ちがいる、の?」

 

「他、と言うか……。私達ジュラ娘は全員、『ダイノ・フェノメノン』を持っていますよ?」

 

こいつら!

 

こいつら全員が、『スペリオル』だ!!!

 

なんてこと……!

 

そりゃあ、あの不遜な男が調子に乗るのも、私をいつでも殺せると平気な顔をして言うのも当たり前!

 

超能力使い、『スペリオル』が百人もいれば、シティも落とせる!!!!

 




休日を生贄に捧げ、プログラマ転生を10話書いた。

僕の休日返してください!
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