ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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あーーー。


38:ノゾキ魔発見!

さて。

 

俺は、隣でまだ寝ているヤリスを起こさずに起き上がり、寝室のドアを開いた。

 

「「ふへっ?!へへっ、へへへへへ……」」

 

とりあえず、アホ二匹を捕まえて、別室に連れ込んだ。

 

 

 

「……で?なんだお前らは?」

 

「フヒヒ、甘粕オウグでーす……!」

 

フリッツヘルムを被った軍オタの方。

 

「日下部テンツクですぅ……!」

 

ボサボサ髪の丸眼鏡の方。

 

俺は、この二匹のガキの首の後ろを掴み、吊り上げて、顔を見た。

 

ふむ。

 

やはり、顔は良いな。

 

今の人類は殆どが、遺伝子調整を受けて生まれているから、美形以外がほぼいないのだ。

 

ただ、たまにいる自然派団体や、肉体を教義的に弄れない宗教関係者、遺伝子調整をできるだけの金がない貧困層や後進国人は顔が悪いことが多い。

 

しかし、遺伝子調査は無難に良い顔にするのが普通なので、この二人のような「普通の美人」は、この時代では「地味顔」の判定である。

 

まあ、俺は可愛いと思うので問題はない。

 

結局のところ、自分がどう思うか?だ。

 

「で?お前らは人の家に無言で上がり込んで、こんな時間まで何やってんだ?」

 

「「ギャーッ!!!」」

 

おっと、いけないいけない。

 

「フ、フヒヒ……、流石軍用サイボーグ……!人工筋肉のトルクが違いますなあ……!」

 

「頭がー……。脳核砕けるかと思いました〜……」

 

「うん、あまり舐めてるようなら潰しても良いんだが」

 

「「ごめんなさいごめんなさい!!!」」

 

「……で?何の用だ?」

 

「えっと、拙者は軍オタなので、軍関係の何かが見れると思って……」

 

「私は、図書委員なので、貴重な本を探していまして……」

 

うーん……。

 

「そんなもんはどうでも良いんだよ」

 

「「良くないですが????」」

 

「価値分かってます?天皇陛下恩賜の高周波ブレード軍刀ですよ?世界に百五十六本しかない超レアもの!メディアにもほぼ露出することもなく、所有者も軍機により明かされていないこれは、マニアの中では目にすることができれば一生分の幸運を使い切ると話題で……」

 

「初版の小説や漫画って、どれほど貴重なのかご存知ないのですか?今や、物理媒体の本は貴重品で、そんなことに使う有機素材があるのならば、その分の元素を食品などに替えるべきとされて久しいです。それを、あれほどの保存状態の本の数々を無造作に……」

 

俺は、馬鹿二匹を吊り上げる。

 

「「いだだだだだだ!!!!」」

 

「そ、ん、な、ことは、どうでもいいんだよォ〜……」

 

「「すいませんすいません!!!!」」

 

「俺が言ってんのは、何でヤリスの情事を覗いていたんだ?って話だ」

 

そう、この馬鹿共は、俺とヤリスの情事を覗いていたのだ。

 

その時は、ヤリスの為に、ムードを壊さないように何も言わなかったのだが……。

 

後でヤリスが、覗かれていたことに気が付けば、傷ついてしまうはずだ。

 

一度抱いて情が移ったというのもあるが、俺は基本的に、女の子には優しくしてやる主義だから、こういうのは許せん。

 

と言うより……、性的に籠絡しろとか、そういう任務で割り切ってやった訳ではなく、プライベートの性的なシーンを覗かれて気分がいいとは思わんよ。

 

「「ぇあ」」

 

赤面して目を逸らす二人。

 

「お前らも女なら分かるだろうが。そういう、初めての行為ってのは、良い思い出じゃなきゃ一生引き摺るんだよ。何の権限があって、ヤリスの気持ちを踏み躙る?」

 

「せ、拙者は、そんなつもりじゃ……」

 

「わ、私は、その、ただ……」

 

「言ってみろ」

 

「「………………好奇心で覗きました。ごめんなさい」」

 

ふむ……。

 

なるほどね。

 

「……まあ、ここで下手な言い訳をせずに謝れるなら、許しておこう。但し、ヤリスには黙っていろよ。もしバレてヤリスに怒られても俺は知らんし、当然、ヤリスの味方をするからな」

 

「「はい……。本当にすいませんでした……」」

 

 

 

とりあえず、リビングで二人に茶を出してやる。

 

「せ、拙者は……、その……、ヤリス殿の気持ちを……」

 

「ただ、エッチしてるのが凄くて覗いちゃっただけで、深くは考えてませんでした……。謝った方が……?」

 

「やめとけ。黙っておいてやれ」

 

「ほ、本当に申し訳ないです、はい。先生も、その、すみませんでした……」

 

「すみません……」

 

「俺はどうでも良いんだよ。ただ、ヤリスは良い子だからな……」

 

「「うう……」」

 

全く……。

 

「で、でもその、何と言うか……、凄いん……ですな?なんかその、大人と言うか……」

 

オウグはそう言ってモジモジし始める。

 

「先生がジャガーノートと戦うシーンはもう既に三十回は観たのですが……、その、ベッドの上では優しくて、大人っぽくて……」

 

「ふむ」

 

「ヤリス殿が羨ましいですな。拙者も、漫画やアニメのように、恋とかしてみたいでござる……」

 

恋、ねえ……。

 

「じゃあ、卒業して本土に行って、男でも探せよ」

 

「軍部の慰安アンドロイドより可愛い仕草なんてできないのですが????」

 

まあそうね。

 

軍部には今はもう、従軍する慰安型アンドロイドが居るからな。

 

ある程度の立場になれば、個人用の慰安型アンドロイドが得られるし、そもそも性欲なんてVR世界でいくらでも発散できる。

 

「恋愛」ということそのものがレアなのだ。

 

ついでに言えば、生の顔をしている現役軍人なんてほぼいない。

 

男の軍人は皆、戦闘用のマシンヘッドに付け替えてしまう。

 

人間の生の顔がベースだと碌なサイバーウェアが積めないし、何より、防弾性能が低いからな。

 

具体的に言えば、この学園都市の女の子達のように、生の顔ベースの頭部だと、大体アンチマテリアルライフルなどで脳核まで貫けてしまうが、軍用のマシンヘッドなら戦闘ヘリの機銃くらいまでなら割と結構耐える。

 

イケメンな顔面より、戦場で1%でも生存率が高まる方を選ぶのは当たり前の思考だ。

 

後ついでに言えば、マシンヘッドはマジでカッコいいので、そっちを付けたがる男の方が多い。それに生顔は手入れも怠いし……。

 

俺?俺のこれはナノマシンで作った薄皮みたいなもんだからな。手入れも要らんで楽チンよ。

 

「拙者も本当は、カッコいい軍人さんと恋愛とかしたいのでござる!でも、軍人さんは人間の女なんかに見向きもしないのですぞー!」

 

「まあ、ハニトラ対策もあるから、生の女とか普通は抱かんよ」

 

「そーーーなんですよ!!!皆さん、よく訓練されていらっしゃる!!!」

 

そうね。

 

日本軍は練度高いよ。多分今世界で一番強いんじゃないの?

 

「あと、マシンヘッドでは、ちゅ、ちゅーもできませんぞ!これは由々しき事態にござる!」

 

「あー、マシンヘッド系の口腔は胸の上辺りにあるのが普通だな。けど、万一のウイルス汚染を嫌って、口腔にキスとかされると嫌がるぞ」

 

「そうなんですよ!ちゅーできませんぞ!」

 

「別に、マシンヘッドにすれば良くないか?」

 

「う、うーん……。マシンヘッドの男性が嫌いという訳ではありませぬが……、やっぱりマシンヘッドでは欲情できませぬ……」

 

まあそれはそう。

 

「わ、私も恋愛したいですぅ……。なのに、学園都市には男性がいないので……」

 

と、テンツク。

 

「そうなのか?」

 

「はい……、その、教員の男性がほんの少しだけいらっしゃいますが……」

 

「へえ、居るんだ。まだ会ってねえな」

 

「でしょうね……。だって、男性教員の方は少ないですから……」

 

まあそうか。

 

男で女子校の教師をやろうなんざ、よほどの酔狂もんだろう。

 

「そ、それと……、軍人の方って、その……」

 

ん?

 

ああ、そういうことか。

 

「軍人は基本的に、チンコ取ってるぞ」

 

邪魔だからな。

 

いや、俺は付いてるけど、これはナノマシンによる義肢みたいなもん。

 

無論、神経は繋がっているし、快楽も感じるけど、精子は出さないようにしている。さっき、ヤリスを抱いた時も出していない。

 

俺の遺伝子とか、軍事機密扱いだからな……。

 

俺の遺伝子なんだがな……、おかしいな……。

 

「おあっふ。……そ、そうなんです。男性教員の方々も、みんなその……、取っちゃっていらっしゃるらしく……」

 

あー……。

 

つまり、生身の男とセックスしているシーンがあまりにも貴重だから見てたんだな……。

 




もうまた新作書いちゃった。

コロシテ……、コロシテ……。
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