ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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傭兵の見た目は某焼け野原ひろし(戦争屋の方)みたいな感じです。


25話 ユニコーン族の改革

さて、レムリア、エデンの改革と並行して、ウーノの国を改革する。

 

「私の国はヴィエラと言ってな、ケンタウロス系やミノタウロス、サテュロス、ワーディアー、ジャッカロープ、アルミラージ、カーバンクルなんかが住んでいるんだ」

 

「そうか。国名は変更する」

 

「あ、ああ。それで、近隣には聖王国とスパシア、ガリアがあってな。ガリアはまだしも、聖王国とスパシアは反魔人国家だ」

 

「スパシアは潰す」

 

「そ、そうか。海を挟んだ先の半島にもノルヴァという反魔人国家が」

 

「潰す」

 

「ほ、本当か?」

 

「これが十年後の予定支配領域だ」

 

スペインからギリシャ、現レムリアであるウクライナの隣辺りまで、ヨーロッパ全域を支配領域とする。

 

「な、ななな!こ、こんなにか?!私の代でこんなに支配領域が広がるのか?!」

 

「そのうち聖王国も獲る」

 

ヨーロッパってかユーラシア大陸、オーストラリア大陸、アフリカ大陸は魔族のものにする。

 

北アメリカと南アメリカでは、人間を養殖しようと思う。

 

適度に調整して、増えてきたら戦争させる、ようにする予定だ。

 

こっちの大陸を平定したら、百年ごとくらいのペースで人間の国に攻め入ろうと思う。

 

楽しそうだろ、虐殺パーティー。

 

 

 

「さ、て、と」

 

まあ、ある程度の文化はあるようだ。

 

簡単な酪農、農業、製鉄と一通りはやっているようだ。

 

「まずは指導権を手に入れるぞ、ついてこい」

 

「あ、ああ」

 

王城に乗り込む。

 

「!!、ウーノ様だ!」

 

「ウーノ様がお帰りになられた!」

 

「伝えてこい!」

 

無視して侵入。

 

「き、貴様!ここがどこだと」

 

射撃。

 

安心しろ、ゴム弾だ。

 

俺だって馬鹿じゃない。これから支配しようって国の住民を無闇矢鱈に殺すかよ。

 

「がぁっ……」

 

「な、なんだと?!くっ、衛兵!増援をぶぇ!!」

 

射撃。

 

「あ、あのだな、うちの民を傷つけるのは」

 

「殺してはいない」

 

さあ、進もうか。

 

そして玉座へ。

 

ユニコーンの王に拳銃を突きつけ、宣言する。

 

「今日から俺がこの国の王だ」

 

「なんだと?!」

 

「貴様!」

 

「王の御前であるぞ!」

 

俺はギャラリーにフラッシュバンを投げ込む。

 

すると、総崩れ。

 

皆、頭に手をやり、蹲った。

 

「今日から俺がこの国の王だ」

 

「む、むう」

 

「お父様、彼は私の婿殿です。将来的には王になる資格が」

 

「し、しかし、今はいかん。隣国のポルトランドが攻め入ってくるという情報があってだな」

 

この国はドイツとフランスの一部を合わせたような領域が領土。

 

スペイン、イギリス、ポーランドは敵国らしい。ついでにノルウェーやスウェーデンも。

 

イタリア辺りは友好的だそうだ。

 

で、今は、ポルトランド即ちポーランド辺りが攻めてくる、と。

 

プロジェクターにポルトランドの王城を映す。

 

「これがポルトランドの現在の映像だ」

 

「えい、ぞう?儂は今、ここからポルトランドを見ているということか?」

 

「そうだ。物分かりが良いな。それで、ポルトランドが……」

 

さっき撃っておいた弾道ミサイルが王城に複数発突き刺さる。

 

そして爆発。

 

「……な」

 

「このように、更地になったら、どうだろうか?」

 

「……こ、れは、本当の出来事なのか?作り物ではないのか?」

 

「ポルトランドは反モンスター派の人間国家だ。潰しても問題ない」

 

「こんな、ことが……。神の雷、か……」

 

 

 

「民よ!聞け!!近年巷を騒がせるポルトランドとの戦争だが、なくなった!何故か!ここにいる諸君らの新たな王、ジン様が、神の雷を以ってポルトランドの王を壊滅せしめたからだ!!」

 

民を集めて演説。

 

前王にしてウーノの父アルブムは演説の才能があるようだ。

 

俺も演説。

 

あらかじめプリントアウトしておいた現在のこの国の支配領域と、将来的な支配領域を図で表した紙をばら撒く。

 

文字はあまり書いていない。どうせ読めない奴が殆どだろうしな。

 

「こ、こんなに支配するのか?」

 

「国土が倍以上になるのか」

 

「そんなことできるのか?」

 

疑問の声が上がる中、更に俺は叫ぶ。

 

「貴族の権利を縮小し、あくまでも行政人という立場にする!更に、民には読み書きや計算を教え、囲い込みにより農地を整備し、平民の生活の質を向上させる!四輪農法により、収穫量も増やす!」

 

「本当か?」

 

「なんだそりゃ」

 

「読み書きを?」

 

「新たな国の名は『アルカディア』!!この国は豊かになるだろう!!」

 

騒めく聴衆を無視して、仕事を始める。

 

 

 

国の改革など、一人でやるならば、十年単位での時間が必要だろう。

 

だが、こちらには、いくつもの反則技がある。

 

「上級魔法、アバタークローニング!!」

 

膨大な魔力を用いて、百万人ほどに分身する。

 

それぞれが国中に散って、あらゆる分野に助言をする。

 

西では、囲い込みで入り組んでいた畑の所有権を測量して変更、そして四輪農法の施工。

 

四輪農法とは、大麦、クローバー、小麦、株のように、四種類の作物を交互に育てることにより、一年中作物を得られ、結果として家畜を年中維持できる、というものだ。それと、ハーバー法だな。水と空気と石炭からパンを作るとは伊達ではないな。

 

東では、女達に料理を教え。

 

驚いたのは、女のミノタウルスやサテュロスは妊娠していなくても、一定の年齢に達すれば母乳が出せるということだ。

 

味見したが、それぞれ牛乳、羊の乳に似ていて、それよりも質がいいことが判明した。

 

北で読み書き計算を教えて。

 

知能は人間並。年内に読み書きと計算は覚えられるだろう。

 

南で反乱した貴族を皆殺しにし。

 

正確には俺は殺していないが。捕まえてエデンに送って、人体実験させる。命は貴重な資源。

 

まあ、そうやって、国中を回った。

 

俺は建物の多くを建て直し、インフラを整備し、当面の食料も支給した。

 

つまり、改革において、変化の最中の不安定な時期が存在しないのだ。

 

そうなると、国民は反対することなく変化を受け入れる。

 

農地の囲い込みで区画が整備され、手持ちの畑がなくなったり小さくなったりして溢れる人員は、職業訓練の後、商人などへ。

 

それでも余る国民は、先日滅んだポルトランドを占拠したので、そこに入植させる。

 

それとついでに、元ポルトランドの西辺りに、新王城を建てた。モデルはサンタンジェロ城。

 

元から一億人を超える人口のあったこの国は、人口が溢れ気味だったらしい。

 

余っている人材は新王都に連れて行く。

 

 

 

さて、あと数年もすれば、他国に売る程の食料自給が可能だろうし、家畜も増やしてやった。

 

住むところやインフラも整え、職業訓練もしている。

 

レムリアのように学校の設立もした。

 

貴族を名乗るものには特に色々学ばせる。

 

それと、国営のギャンブルも。

 

娯楽は大事だ。

 

内容はケンタウロスの競馬とミノタウルスのレスリング。

 

そして国営の酒造。

 

ワインやブランデーを作ることに。

 

森も多いので、樽の素材が重要なウイスキーも作ってみるか。

 

アルカディアでは、一次産業に力を入れていきたい。

 

 

 

数年後、食料自給率二百パーセントの大国になった。

 

 

 

あ、そうそう。

 

殺したケンタウロス系やミノタウルスを食べてみたが、牛馬の肉に近い味がしたぞ。

 




つまり、ロン毛でヒゲの野生的イケメン。

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