ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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肉食いてえ……。


36:成長限界

そんな訳で、地球での仕事を済ませるなどしてから、再びウィンザリアへ。

 

いつものように、冒険者ギルドのいつもの席でバーガークイーンの期間限定BBQダブルビッグバーガーを食いながら、動画配信サービスで新作映画(TRPGの実写版のやつ)を観ていると……。

 

「やあ」

 

勇者サマが現れた……。

 

「おいっす」

 

俺はそれを一瞥して、バーガーを齧る。

 

んー、旨い。

 

普段はチーズバーガーなのだが、期間限定品が出るとついつい買ってしまう。

 

俺のつれない態度に少しムッとした顔をした勇者サマは……。

 

「これでどう?」

 

と、金貨の詰まった革袋を一つ、俺のテーブルに差し出した。

 

ふむふむ。

 

「これは?」

 

一応聞いておこうか。

 

「キミへの依頼料だよ」

 

なるほどね。

 

「神殿の金には手をつけない主義だったんじゃないのか?」

 

「勘違いしないでくれたまえ。これはボク達がダンジョンで稼いで貯めたお金さ。これならば、神殿の人々を裏切ることにはならない」

 

うむうむ、柔軟だな。

 

まあ、金を出すなら、その分の対価を返す。

 

それが、俺のやり方だ。

 

「良いだろう。何が聞きたい?」

 

「いや、ついてきて欲しい」

 

「運搬人(ポーター)が必要なのか。なら、どの階層まで行く?」

 

「ダンジョン深層……、『死界領域』まで……!そこに、魔王リューメンノールがいる!」

 

あ、はい。

 

そうですか……。

 

実際のところ、魔王復活の真偽は知らんが、どうなっているかは知っておきたい。

 

それに、これはこれで面白いしな。勇者サマと魔王退治とか激アツ。爆アゲよ。

 

しかし流石に三人では足りないと俺が苦情を入れると……。

 

「問題はないよ」

 

と、三人、別のメンツを連れてきた。

 

「忍者(ニンジャ)のアザミっす!よろしくっす!」

 

「魔女(ウィッチ)のサマンサよ、よろしく」

 

「錬金術師(アルケミスト)のカテリーナでーす!キティって呼んでね!」

 

んんん?

 

んんんんんんんー……?

 

ん〜……。

 

はい、うん。

 

「こんにちは、サターンです」

 

どっかで……、見たことが……、あるぅ……人達ぃ……ですねえ?

 

 

 

それぞれに一月ほどダンジョンを潜る前提でコンディション等を整えておけと命じて解散。

 

そして俺は、サマンサを捕まえる。

 

「なんでいんの????」

 

「貴方の為を思って、だけど?」

 

サマンサが言うには、勇者サマとその仲間二人は、アーティファクトとレリックで全身を固めたガチ装備らしい。

 

勇者サマらのレベルは15とは言え、俺と二人きりにするのは心配なんだとか。

 

まあ確かに、いかに俺が強いとは言え、アーティファクトは本当にぶっ壊れ効果を持つから、それによってはワンチャン殺されてもおかしくはないんだよな。

 

俺も、アーティファクトは数えるほどしか持っていないし、戦闘用のアーティファクトで俺のような術師タイプが使えるものは一つしかない。

 

ほら……、ソシャゲのガチャと一緒だよね。SSRは中々出ないし、欲しいSSRは更に出ない原理。

 

俺はコレクターなんで、SSRを集めること自体が趣味なんだが、それでも「全身アーティファクトマン!」とはいかない。

 

まあ、何だ。

 

とにかく、俺は心配されていたらしい。

 

それについては感謝しよう。

 

だが……、本気を出せば負ける気はしないんだがなあ……。

 

魔王リューメンノールの力について、この世界の人々はもう詳細を知らんのだから仕方ないが、俺はちょっと鍛えたガキがアーティファクト持ってるくらいの奴に負けることはないぞ。

 

「因みにキュベレイは?」

 

「あの人は邪教徒でしょ?勇者サマと反りが合わないに決まってるんだから、呼んでないわよ」

 

まあそれはそうか……。

 

 

 

では早速、一ヶ月のダンジョンアタックに耐えうるだけの準備を始めようか。

 

まず、おさらいから。

 

ダンジョンというのは、様々な領域が不規則に繋がり合い、分岐している。

 

だが、前に進んでも後ろに進んでも、進めば進むほどに攻略難易度が高くなっていくのだ。

 

分かりやすく言えば、昔のモンスターをハントするゲームみたいな?

 

領域(エリア)があって、それが繋がり合い、それぞれが独立した領域になっている。

 

因みに、ダンジョンは「ダンジョン」なので、「こことここ繋がったら物理的におかしいだろ!」とか、「北に進んだのに、南に進んだ先にあるはずのエリアに来れたぞ?!」などは日常茶飯事で、その為にダンジョンを案内する盗賊(シーフ)や運搬人(ポーター)が必須なんですね。

 

で……、その攻略難易度の差異を「難度◯」と表現する。

 

大体、基本的には、その難度の数値からマイナス2程度のレベルがあれば攻略可能であると俺は見ている。

 

実際のところは、安全マージンをとって難度と同数くらいのレベルは確保しておきたいが……、まあ、あまりにも高難度な階層では最早目安に過ぎない。

 

分かりやすく例えるならば、ソシャゲの「ステージクリアの推奨レベル」のようなものだ。

 

低レベルの時には、推奨レベルピッタリくらいにしておけばオート操作でも何とかなるだろ?

 

でも、高難度ステージは、推奨レベルからプラス20とか30になっているはずだ。「ハードコア」とか「ナイトメア」とか言って。

 

で、それを、極まっているプレイヤーがギンギンまで育てたユニットを上手い具合に組み合わせて攻略する……。

 

それと、この世界も同じってことだな。

 

で、そんな訳で、勇者サマの目指す『死界領域』だが……、難度は20だ。

 

基本的には、難度は5刻み。

 

難度5までが浅層、10までが中層、それ以降が深層となっている。

 

ギルドは、20以降を深淵層と名付けようとしているらしいが、その辺は知らん。

 

推奨レベル的には、浅層は場所にもよるが7もあれば制覇可能。中層は少し難しく13くらい、深層はエンドコンテンツでレベルは高けりゃ高いほど良い。

 

で、『死界領域』なら、まあ少なくとも20以上は絶対に欲しいよね、なんて思われそうだが……、実は13あれば理論上は行けちゃう。

 

だって、ステータスはレベル13で打ち止めだもん。

 

それ以上はどんなに頑張っても、ステータスは伸びない。

 

悲しいが、生物としての限界ってやつだ。

 

無論、レベルが上がるほどHPは増えるし、ACは下がっていくので、レベルは高いに越したことはないが。

 

それに、さっきも言ったが、難度ってのは良い加減で目安の一つに過ぎない。

 

難度20の領域でも、レベル15で充分に突破可能だと俺は見ている。

 

それに何より、サマンサ、アザミ、カテリーナがいるなら大体どうにかなる。

 

あいつら、レベルで言えば30は平気であるからな……。

 

「よし、それでは、ルートの選定から行くか」

 

俺は、そう呟いて、懐から地図帳を取り出した……。

 




書き溜めがマジでない。
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