少しずつ食べなきゃ駄目だこれ。
新宿。
マジのガチでオシャレして、お化粧もして、アレイスター様を待ってると……。
人の波が割れて、道が急にできる。
「ふわぁあ……!」
あ、アレイスター様?!
今日は黒スーツなんデスねっ?!!
か、かっこいい……!
もーね、道ゆく人らがね、こっち見ちゃうの!
アレイスター様がイケメン過ぎて、通り過ぎたとこにいるオンナノコみーんな、こっち見ちゃうの!
隣に自分のカレシがいても、ダンナさんがいても、みーんなアレイスター様のことを見ちゃうのーーー!!!!
だって、めっっっちゃ、かっこいいんだもん!!!!
アメリカの映画スターよりも甘ーいマスクに、すらっと手足が長くて、背も高くて、でも男らしい分厚さも兼ね備えてて……!
それが、ステキな高級っぽいスリーピーススーツで身を包んでて……、もう、もう……!
「かっこいいぃ〜♡♡♡」
カッコよ過ぎるーーー!!!!
「待たせたか?」
あーもう声もいい!激シブ!
耳からノーミソがぐちゃぐちゃにされるぅ!
「待ってにゃいれしゅ!」
「それは良かった。じゃあ、ついて来い」
「はいっ♡」
アレイスター様ぁ……♡
そのまま、アレイスター様に連れられて、大きなビルに来た。
「とりあえず、食事をしながら話をしようか」
連れてかれたそのビルは……、ウソでしょ?
「こ、ここって……?!」
新宿どころか、日本一の超高級レストラン……、サンク・エトワール・ドルニエ?!
一食、最低でも三十万円から、ワインがつくと百万円をゆうに超える!
しかも、人気過ぎて二年先まで予約でいっぱいだとか……?!
えっ、え?どうするのこれ?!どうすればいいの?!
ってか、ドレスとか着てないよアタシ?!
そんなアタシの不安を他所に、アレイスター様……いや、ゼット様は、受付に話しかけた。
「こ、これはこれは……!ゼット様ではありませんか!」
えっ?!
「空いてるか?」
「もちろんでございます!」
ど、どゆこと?
二年先まで予約でいっぱいなんじゃ……?
案内されたのは、ビルの五十階。
五十階?
さっき、ビルの案内板には、四十九階までしかないって……。
困惑するアタシに、ゼット様は耳打ちしてくれた。
「このレストランのオーナーとは個人的な友人でな。五十階は、俺専用の個室として、常にキープしてもらっているんだ」
な……、なにそれぇ?!??!!?!!
めっちゃめちゃ!かっこいい!!!!!
しかも……、五十階は展望室!
キラキラの、新宿の夜景がよく見える……。
空から見ると、この街って、なんだか宝石箱みたい……!
「キレイ……」
アタシが思わず口にすると。
「お前も、キレイな女だと思うぞ」
と、そう言って肩を抱いてくれるゼット様。
あああああーーーッ!!!もうっ!マジのマジで好きになっちゃうぅーーー!!!
着席。
メニューには、本当に値段が書いていなかった。
本当に高級なお店は値札を付けない、みたいな話をどこかで聞いたコトがある。
なんでも、高級な食材とかお酒は時価になるから、値段がその時々によって違うから、値札を付けないんだとか。
でも、そんな値段がわからないくらいに高級な料理とお酒を普通に注文するゼット様……。
あああ、好き……!
お金持ちが好きって明け透けに言うオンナって大概嫌われるケド、マジな話、お金持ちが嫌いなオンナなんていないもん。
好きになった人がめちゃくちゃ馬鹿みたいに強くて、頭良くてカッコよくて、おまけにこのお金持ちっぷり……。
ゼット様はホントに、オンナノコをおかしくするよ……。
「食べらるないものとか、あるか?」
「え、イヤ、ないデスよ」
「そうか。じゃあ、今日はいつもの……いや、食べやすさを重視したメニューが良いな。箸も出してもらえると助かる」
「承知しました」
なんて言うんだろ、洗練された?ってカンジのステキなウェイターの人が、スゴイキレイな姿勢で頭を下げて、注文を受けて行った。
高級店って、電子注文じゃないんだ……。
「あと、ソムリエを呼んでくれ」
「畏まりました」
ソムリエ!
ワインのやつ?
呼べるんだ……、そんなの。
すぐに、ウェイターの人とはちょっと違う感じの人が来て、話しかけてきた……。
「本日はいかがなさいますか、ゼット様?」
「今日は何が入っている?」
「本日は、シャトー・ラトゥールのビンテージものが入っております」
「悪くない。だが、彼女に飲ませるのには、シャトー・ラトゥールは少しばかり男性的過ぎると思う」
「ルイ・ロデレール・クリュ・デ・クレエ・ブリュット2008年はいかがでしょう?甘口でフルーティーなシャンパンで、洗練された味わいは女性にも人気です」
「シャンパンだそうだ、それでいいか?」
「は、ハイッ!あ、アタシは、何でも大丈夫デスっ!」
アタシがそうやってビビってると、ゼット様は、アタシに手を出せと言ってきた。
そしてアタシは、言われた通りに手を出すんだけど、ゼット様はその手をね、両手で包み込むように握ってくれた……。
「落ち着けよ。ここは個室だ、防音のな。どれだけ粗相をしても、誰にも、何にも咎められることはない」
きゃーーーっ!!!!
ステキ!!!!
「は、ハイデス……♡落ち着きました……♡」
別の意味で落ち着かなくなりそうだけどね?!
「で、シャンパンだが、大丈夫か?飲めないようなら、別のものでもいいぞ」
この世界は子供も飲めるからな……、と小さな声で呟いたゼット様。
「だ、大丈夫デス。初めてなので、得意じゃないデスケド……」
「では、一杯だけ試してみるといい」
そう言って、私の手を離したゼット様は、ソムリエの人に向き返って、言った。
「では俺は……、そうだな。フルボディで力強く、複雑な味わいの赤ワインがいい。何かあるか?」
「そうですね、それではボルドーワインの中でも上質な一本をおすすめいたしましょう。シャトー・ムートン・ロートシルト1982年がございます。優れたタンニンと豊かな果実味が特徴です」
「ではそれにしよう」
こ、言葉の意味はわかんないデスけど、とにかくスゴクカッコいい!!!
その後、料理がコースで届くので、それを食べる。
アタシは、ナイフとフォークなんて使ったことが殆どないから、お箸で食べてたけど、ゼット様は慣れた手つきでナイフとフォークを使うの!
音とか全然立てないし、溢したりとかもしない。
スゴク、お金持ちで大人っぽい……!
で、食事をしながら、ゼット様と色々なことを話した。
今までのこと。アタシの過去。ゼット様に憧れてたこと。
ゼット様も、アタシに色々なことを話してくれた。
仕事のこと。世界のこと。そして何より、今まで知らなかった、ゼット様自身のこと……。
食事を終えて、デザートって時に、いきなりスゴク偉そうな外国人が来た……。
「Bonsoir, monsieur. Je suis ravi de vous accueillir dans notre établissement ce soir. Comment avez-vous trouvé votre expérience culinaire jusqu'à présent ?」
「Bonsoir. Je dois dire que votre restaurant a dépassé toutes mes attentes. Les plats étaient exquis et le service était impeccable. Je suis très satisfait de cette expérience.」
うわわわわ……!
スゴイ……!
これ、英語じゃないよね?フランス語……かな?
ゼット様って、フランス語ペラペラなんだ……!
「あ、あの、その人は?」
「ん、ああ……、この店のオーナーだよ。フランス人だ」
「フランス語、話せるんデスね!」
「日常会話程度はな」
いやいや!全然喋れてたって!
この後、アタシは、とても良いホテルにゼット様と宿泊するんだケド……。
これはちょっと、日記には書けないカモ♡
だってホントに、ゼット様……、スゴかった……♡
サブヒロインを食ってから下僕にする主人公の鑑(屑)。
ちょっと思ったんですけどこれ、一旦サイバーパンク学園の予算戦争編の冒頭だけ投稿して、各委員会の様子を見てから投票した方が良かったです????
一気に出したせいでよく分かってもらえてないのでは……?