ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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第二章完!!!


30話 この頃の貴族令嬢

わたくしは、マリアンヌ・ウィングル。

 

ウィングル侯爵家の四女ですわ。

 

今日、わたくしは、超越者であるアッシャー卿の妻となりました。

 

そのおかげで、わたくしの実家であるウィングル侯爵家には、二つの転移門と国宝級の宝剣、中型の飛空艇二隻に天候操作の魔導具が与えられました。

 

流石は超越者と言ったところでしょうか?

 

転移門一つだけでも、わたくしのような歴史ある貴族の子女を側室として送り込むだけの価値はありますね。

 

稼働する転移門など、この世界には大教会に一組だけしかなかったはずですもの。

 

そんなものを、まるで土産物のように気安く譲渡するとは……、恐ろしくもありますわ。

 

ですが、わたくしが嫁いだならばもう安心ですの!

 

しっかりと後宮の女達を躾けて、わたくしとその実家に都合のいいように序列を作って差し上げますわ!おーっほっほっほ!!!

 

 

 

なんでこんなことになってますの……?

 

頭がぼんやりする、気分が良過ぎておかしい。

 

「おほおおおおおお♡♡♡んお"っ?!イグイグイグイグぅぅ〜〜〜……っ!!!!」

 

今、わたくしは、服を全て脱いだ生まれたままの姿で、女同士で愛し合っておりますわ。

 

こんなの、非常に冒涜的で、非道徳ですわ……!

 

神の意思に反しますわ!

 

女が、たとえ相手のほとんどが女だったとしても、妄りに肌を見せつける時点で良くないのに!女同士で……、しかも、肛門性交なんて!

 

穢らわしい!気持ち悪い!悍ましい!

 

なのに……、なのに!どうしてこんなに幸せで、気持ちよくて、頭が痺れておりますの……?!!!

 

わたくしは、怖くなって叫びましたわ。

 

「やだっ♡このままじゃ変になっちゃう!ばあや!ばあや助けてっ!おほっ♡」

 

ばあやは、私が連れてきた私の世話役で、絶対に私を裏切らない最も信頼できる侍従ですわ。

 

私の乳母でもあります。

 

なので、怖いことがあると、ついばあやを頼ってしまうのです。

 

しかし、ばあやはすぐに捕まってしまいました。

 

そんな……!

 

こうしてわたくしは、女同士での交合という禁忌を犯して、その様を後宮の全ての者に見られるという、信じられないほどの屈辱を受けました……。

 

 

 

その晩。

 

わたくしは、屈辱に耐え切れず、短刀で喉を突いて自害いたしましたわ。

 

あのような姿を他人に見られれば、わたくしはもう生きていられません!

 

……ですが、わたくしは、死ぬことも許されなかったのです。

 

死者蘇生……。

 

この国の国教である白光教からも既に失われて久しい、神秘の大儀式によって行われるという最高の魔法であるそれを、一瞬で成した旦那様。

 

わたくしは今まで、超越者という言葉の重みを見誤っていましたわ……。

 

超越者とは、神に等しい存在なのですね……。

 

「よお、起きたか?」

 

「わ、わたくしは、死んだはずでは……?」

 

「ああ、死んでたから蘇らせたぞ」

 

「そん、な……!死ぬことも許されないと言うのですか?!ただ、女一人に毒を盛ろうとしただけで?!!」

 

「うん。うちではダメだから」

 

頭がおかしくなりそうでしたわ……。

 

最初は、我が家の利益の為、超越者を利用しようと勇んでおりましたが……、ここまでの力を見せつけられるともう、逆らう気も湧きませんでした。

 

「良いか?お前は自由だ。やりたいことがあるんならそれなりに力を貸してやるし、子供も産ませて育ててやる。全員平等に扱うし、子供にもちゃんと教育を受けさせる。……だが、嫁同士で殺し合いやイジメをするのは許さん。気分が悪いからな。今後もやるなら、次は媚薬ゼリー浣腸我慢大会の刑に処すからよろしく」

 

「さ、逆らいませんわ!だから、だからもう、わたくしを辱めないで……!」

 

「もちろんだとも!俺は良い子が好きだぞ!愛してる、マリアンヌちゃん!」

 

怖い……、怖い!

 

勝てる訳がない!出し抜ける訳がないっ!

 

実家の為に序列を作る?わたくしはアホなのですか?!

 

わたくしは、この化け物の生贄!

 

もう既にここは、龍王の顎の内なのです……!!!

 

 

 

ですが、しかし。

 

逆らわなければ。

 

「よ、よろしいですの?」

 

「ああ、好きなだけ食えよ。太ったらレベル上げてやるから、そうすりゃ体型調整効果で痩せるしな」

 

「……温かい。温かいスープなんて、初めてですわ」

 

絶対的な力を持つ旦那様に逆らわなければ、世界で一番安全な結界に守られた城の中で、毒見されていない温かなスープを楽しめる。

 

わたくしがいつも口にする食べ物は、長い毒味の時間で冷え切っていた。

 

「まあ……!こんなにも美しいドレスを?ここにあるもの全部が、わたくしのもの?!」

 

「ああ。なんならカタログも渡しておくか?欲しいのがあれば召喚してやる」

 

王家すら手に入らないような、鮮やかな色の絹のドレスが欲しいだけ手に入る。

 

宝石も、真珠も、香水も、なんでも。

 

いかに侯爵家の娘とはいえ、四女程度には回ってこないような新品が、なんでも。

 

「わあっ!すごい、すごいですわーっ!この、映画というもの、本当に素晴らしいですわ!」

 

「映写室の使い方は……、いや、いいや。分からなかったらその辺の使用人に聞け」

 

「お芝居より、派手で綺麗で……、すごいですわー!」

 

「恋愛ものとか歴史ものとかもあるぞ。好きに観ていいからな」

 

エイガ、と言う、いついかなる時でも芝居が見れる魔導具を、いつでも使っていいと言われる。

 

貴族の子女として、城から出ることを殆ど許されなかったわたくしが、城下街という名の街一つを「嫁エリア」などと称して与えられているので、好きに外出して好きに遊べる。

 

「あちらの方は……?」

 

「ありゃ、智慧の精霊『ラプラス』だ。普段はああやって、嫁向けの学習講座を開いている」

 

「学習講座?」

 

「ん、まあ、文字の読み書きから算術、歴史に魔法、博物学や錬金術……。知りたいことをなんでも教えてくれるんだよ」

 

「家庭教師のようなもの、ですか……」

 

「外には武の精霊『アシュラ』がいるから、武術や戦闘についても学べるぞ。その他にも、手鞠遊びだの木登りだの、そういうのも教えてくれるからな。身体を動かして遊びたいなら、そっちに行ってもいい」

 

「貴族の子女がそんなことをしてよろしいのですか?!」

 

「ああ、怪我したら速攻で再生の精霊ユニコーンとか、生命の精霊フェニックスとかが治しにすっ飛んでくるからな。怪我とか怖がらないで好きに遊べばいいんじゃない?」

 

知りたいこと、やりたいこと、全てが許される。

 

貴族だから、女だからと禁じられてきたこと全てが許される。

 

「これは……、何ですの?」

 

「タッチパネル。最近は俺がいなくても食事くらいは出せるようにって、召喚陣を設置した冷蔵庫型召喚機を作ったんだよな」

 

「ええと……?」

 

「ここにメニューがあるだろ?」

 

「えっえっ、これすごいですわね!触れると絵が変わるのですね?」

 

「そうそう、ここはライスで、ここはパンで……」

 

「あっ、ホロホロ鳥ですわ。これって、食べれるんですの?」

 

「触ってみ?」

 

「えい……、あっ、端の方に『ホロホロ鳥の煮込み』と書かれましたわ!」

 

「そうそう。で、他にもパンとかスープとか選んで……、ここを押すと注文が届くから」

 

「お待たせしましたー!」

 

「わあっ!すごいですわーっ!」

 

「追加注文とかあれば、パネルをタッチすればできるからな」

 

「追加で……?料理の量が足りないなどと言えば、料理人や、ひいては主人たる旦那様に対する侮辱になるのでは?」

 

「ここにはそんなことを気にする奴はいねえよ。もうちょっと食べたいなーとか、最後に甘いお菓子や紅茶がほしいなーとか思ったら注文していいんだ。ただし、あまり残すなよ?」

 

「はいっ!」

 

好きなものを好きなだけ食べることができて、食べる量すらもわたくし自身が好きに決められる。

 

実家では、食事が足りない、食事が多いと文句を言った日には、料理長の首が落とされたのに。

 

お腹が空いていても女だからと少ししか食べられない日もありましたし、体調が悪くて食べられない日は、無理矢理にお腹に押し込みました。

 

でもここでは、そんなことをしなくていい。

 

圧倒的なまでの自由があった。

 

「す、すごい……!ここ、全て、湯浴みのための?」

 

「ああ、風呂は好きに入っていい。嫁用の浴場だが、一人になりたいならお前に与えた私室にも小さいが浴室はある。けど、大浴場の方が広いし色んな風呂があるぞ」

 

「あの赤いのは……?」

 

「ワインの湯」

 

「ワイン!じゃあ、白い湯は?」

 

「牛乳風呂」

 

「牛乳に浸かるのですか!泡のお湯に……、果物が浮かんだ湯に、蜂蜜の香りの湯もあるのですね!」

 

「ああ。こういう湯に浸かって身を清めれば、肌が牛乳や蜂蜜のようになめらかになるし、香水に頼らずとも甘い香りをつけられるぞ」

 

湯浴み、それもただの湯ではない特別な湯を、一日いつでも好きな時間に浴びられる。

 

湯浴みは、燃料の問題などもあって中々できるものではなく、水そのものも貴重ですわ。

 

浄化の魔法がかけられた門を通り、身体が芯から清められた後、この美しく香り高い湯を浴びて心を清める……。

 

そんな至高の贅沢を、一日いつでも、何度でも楽しめる。

 

そして……。

 

「あーっ♡旦那様ぁ、旦那様ぁ♡」

 

「あんっ♡すごいぃ〜!」

 

「おかしくなるぅ〜♡」

 

大きな大きな寝室で、複数の女と旦那様で乱交。

 

乱痴気騒ぎ。

 

愛の精霊エロース様のお力で、交合の際に得られる快楽は何十倍にもなっているのだとか。

 

それに旦那様は、他の悪い噂を聞く貴族の男のように、暴力を振るったり、刃物で切り付けたり、薬品をかけて苦しませたりなどの猟奇的な行為は一切しません。

 

「愛してるよ」

 

それどころか、こうして、愛の言葉を耳元で囁きながら、優しく甘やかしてくださいます。

 

初めての時も、痛みがないように優しく丁寧にしていただけました。

 

 

 

分かりましたわ、旦那様。

 

逆らわなければ、大人しく愛玩動物に徹して、女として傅いていれば。

 

旦那様はわたくしをどこまでも愛し、どこまでも贅沢をさせてくださるのですね。

 

分かりました、もうしませんわ。逆らいませんわ、殺し合いませんわ。

 

ですから、願わくば。

 

ずっと、ずっと、この楽園に居させてくださいな?

 

 




次は第三章、砂漠の国編を投下します。

後半ちょい書き直してるけど、まあ20話くらいで終わるかなーと。

その次は学術都市編かなあ?最近は新作も思いつかないし、今あるものを……。
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