体調ダメです。
宿屋についた。
しかしまあ……、酷いものだ。
なろう系中世ファンタジーと思いきや、意外と本格派らしい。
いや、嫌なところだけ本格派と言うべきか。
宿は、藁山とリネンの布をベッドと僭称する、土の床の大部屋が一つだけだった。
確かに、ゲーム世界の同じようなものだったが、あっちの方はまだ床とまともなベッドくらいはあった。
あそこは半分くらい神話世界みたいなもんだからな、所詮はゲームの世界でもある訳だし、現代人でもある程度快適に過ごせる世界だ。
これは、ガチ不愉快展開も心しておかねばなるまい。
宿屋の主人は、麦粥を振る舞うと言って来たが、その作り様のあまりの不衛生さに俺がドン引きして断った。
宿屋の中も、古い麦藁からなんか色々と虫が湧いてるし、虻蜂はそこらじゅうにいるし、何ヶ月洗ってないのか分からない麻布からはひどい匂いがして、嫌になって大部屋の中で自分達の寝袋で虫除けの魔法を使いながら寝た……。
うんうん、大体分かってきたぞ。
この世界、かなりのガチ中世だ。
礼を言って村から出て、村長に聞いた地理の通りに道を行く……。
「……どうだった?」
俺は、御者席の隣に座る、ドラゴンの角を生やした黒髪の美人侍……マヤにそう訊ねる。
「正直言って……、拙者には耐えられないでござるな。あまりにも不衛生で、臭くて……」
赤い龍眼を本気で歪めて、ガチめな嫌そうな顔をするマヤ。
ちょっとこれは、色々考えなきゃな……。
そんな話をしながら道をゆく。
すると……。
「今だっ!」
馬車の通り道に、鎖が張られる。
ああ、盗賊か。
よくあるよくある。
うちの馬は、こんな鎖程度で止められるほどヤワじゃないが、俺はあえて止まらせた。
「そこのお前!金と身包みをー!○☆×+¥$%#ー!」
なんかごちゃごちゃ言っている、山猿のように薄汚い盗賊共を無視して、隣に座るマヤが言う。
「処すでござるか?」
「いや、今回は俺がやる。腕試しだ」
そう言って俺が、馬車から降りる。
実戦もこなさなきゃな。
チュートリアルだと思って、やってみよう。
俺は愛用品の『龍帝の鎧』を身に纏い、『龍帝の大剣』を構えた……。
「「「「ひ」」」」
身長220cmのゴリラ騎士が、なんか黒くてトゲトゲした全身鎧を着て、全長2.5mくらいあるイカれた大剣を片手で持ち上げている。
まあ常識的に考えてクソ怖いでしょうねえ。
そして……、技能発動。
ウォークライ、戦いの咆哮。
「グ、ゴ……ゥオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」
おっと……、自分でやっておいてかなりびっくり。
こんなデカい声、人間に出せるんだ。
多分、ジェット機のエンジン並みにうるさいぞこれ。
盗賊は全員、驚いて失禁し、口から泡を……ってこれ、何人かビビって心停止してるぞ?!
そんなに怖いか、俺は……?
まあ怖いわな、村の宿屋の主人とか、身長160cmくらいしかなかったもんな。
俺なんてマジで巨人にしか見えないだろうよ。
しかし参った、これでは腕前を試せない。
適当にその辺のモンスターを狩るか……?
そう思って、「気配察知」の魔法を使うが……。
「いやその……、先程のウォークライで、殆どのモンスターは驚いて逃げたでござるよ?」
と言われる。
まあそれはそう。
仕方がないので納刀した俺は、再び馬車に乗り込んだ……。
因みに絡んできた盗賊共は道を進む馬車に踏まれてぐちゃぐちゃになったが、その辺は「そこに居るのが悪い」ということで。
移動の道中、隣に座ったのはまた別のサーバント。
どうやら、俺の隣に座るのは順番こらしい。
今回隣にいるのは、肌に張り付くようなシルエットのセクシー極まりないドレスを着込んだ吸血鬼の魔導師、ルビーだ。
……まあだが、年齢的には少女ってくらい。
吸血鬼には姿形や年齢など関係ないという、上位者特有のアレである。
「全く、主人殿が喧しいから、昼から目が覚めてしもうたじゃろうに。このままじゃ大人になれんのう……?」
「抜かせ五千歳児め」
「その五千歳児の玉門(子宮)に思い切り子種を叩きつけた悪ぅい男が何を言う?」
「なんだ?もう抱かれたくないのか?」
「……ふぇ?い、嫌じゃ嫌じゃ!ただでさえ十人も妃がおる分構ってもらえんのに、抱いてもらえんなどいやじゃ!それは勘弁してたもれ!!!」
急に必死になるなよ……。
あ、尚、吸血鬼なので見た目がロリでも問題はありません。ご覧の作品の登場人物は全て十八歳以上ということでここは一つ……。
「のう、怒っとらんか?冗談じゃぞ?冗談じゃからな?我は睡眠を必要とせんから大丈夫じゃからな?!」
「分かってる分かってる」
「主人殿は最近ちょっと冷たいから、我は不安じゃ……」
冷たい?
「そうか?」
「そうじゃ!いつものように『撮影会』もせんし、『街でイチャイチャ』もせん!『複数プレイ』や『SM』も最近しとらんではないか!我、飽きられちゃったのかと不安で不安で……!」
あっ。
はい……。
はい。
はい、これはね、はい……。
MODだからね、まあほらなんだ、その……、えっちな服を着せて撮影会したりね、しててね?
うんまあ……、その……、本当に申し訳ありませんでした……。
だが待って?怒られる筋合いはないぞ?この中でMODで追加したNPCを全裸にひん剥いてない者だけが、俺に石を投げなさい。
書くとは言ってないんだけど一つのアイデアとして、ナーロッパじゃなくて古代文明転生チートものとかどうです?
褐色黒髪の部族幼女ヒロインで。
中世ナーロッパとやることは変わらねえけど、馬モンスターを調教して騎馬を作ったり、車輪を発明したり、鉄器を齎したり。
縄文時代レベルの部族社会では、現代知識と現代物資とかチートが過ぎるんだよね。
辺境の森で褐色黒髪部族ロリをヒロインにしつつ、部族を鍛えてローマ的な古代でも強めの帝国を叩き潰す蛮族王になってIKEA!!!みたいな。
色々な部族ヒロイン。
褐色黒髪、薄布の露出多め貫頭衣、肌に白い顔料で紋様を描いた美少女。
鹿の頭骨を被り、獣の皮を纏った呪術系陰キャ美少女。
腹筋バキバキアマゾネス。
目がくりっとした、玉石ジャラジャラの服を着た騎馬民族っ子。
ヒロインがロリの理由?
縄文時代レベルの文明でよぉ〜、女が長生きできる訳ねえだろうが〜!
そんな訳で平均寿命が三、四十歳以下なので、女の子は基本的に初潮が来たら嫁に行きます。そうすればロリヒロインも合法になるって寸法よ。やったね。
チート能力はアレだ、なんかこう、スマホでも持たせときゃいいだろ。まるで将棋だな。
スマホで通販が使えて、そこから知識を得たり、アイテムを得たりするのだ。
ポイント制で、定期的に一人で生きていくのには困らない程度のAmazonポイント的なアレが通販サイトに追加されて、後はciv的な実績やデイリーミッションなどをこなすとポイント追加!みたいな。ポイントで何でも解決すると面白くないからね!
服は着た切り雀、食事は一日一度あるかないか、夏暑く冬寒い竪穴住居で暮らす、初潮が来れば恋もクソもなく他所の部族に嫁がされる、可哀想なロリヒロイン達を娶りまくってcivろう!
多分ヒロイン達も周りの原始人共も、主人公のやってる文明化があんまり理解できなくて思考停止して「この人神なんじゃね?」みたいなこと言って崇めてくるぞ!