ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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晩飯どうすっかな。


10話 派遣事業

ある男が仲間兼嫁に活躍の場を奪われ、遠い目をしている頃。

 

もう一つのパーティが、四人組で、とあるダンジョンに挑んでいた。

 

この大陸において、ダンジョンとは、ヴォルスランドの定義とは異なり、モンスターが湧き出るところのこと。

 

なので、モンスターが補充されない先ほどの『盗賊の砦』や、モンスターが住み着いているだけの『洞窟』などは、広義的にはダンジョンとは呼ばないのである。

 

仮に、砦にいる盗賊が皆殺しにされた後に、新しい盗賊団がその場を占拠したとしても……、洞窟内に棲むゴブリンが皆殺しにされた後、新たなゴブリンが棲みついたとしても……、それはモンスターがダンジョンから「湧いた」訳ではないので、ダンジョンとは言えないのだ。

 

つまるところ、ダンジョンとは、「モンスターが無限に湧く場所」のことを指す。

 

しかしそれも、「湧く」のにも理由が色々とあるのだが……。

 

例えば、ダンジョンの奥底に『魔界』に繋がる門があり、そこからモンスターが補充されるとか……。

 

ダンジョンの中に、ダンジョンの支配者たる『迷宮主』がおり、その迷宮主が延々とモンスターを補充してくるなどもある。

 

また、今回のように、倒してもまたいずれ湧いてくる不死者に溢れた、『墓地』である場合も……。

 

 

 

依頼票のキーワードは、「アンデッド」「可能な限り間引き」「トリールダンジョン」……。

 

トリールダンジョン、またの名をトリールのカタコンベ……。

 

分かりやすく言えば、大型の墓地である。

 

アンデッド……、ゾンビ、スケルトン、ゴーストなどのそれらは、例え滅ぼしたとしても、その土地が浄化されない限りはすぐに復活して湧いて出る。

 

倒しても倒しても湧いて出て、その割には何か有用なものが手に入る訳でもない。

 

その癖、割と結構に力強く、どんな攻撃にも怯まず、既に死んでいる存在なので恐れることも逃げることもない。

 

更に酷いことに、倒さずに放置し続けていると、墓地内に闇の魔力が溜まってゆき、強力な魔法を使う「リッチ」や「ファントム」などの恐ろしいモンスターを生み出すのだ。

 

ならば浄化をするのか?と言えば、それは経済的に無理な話。

 

この大きなカタコンベ内にある死体一つ一つを拾い上げて弔い、遺骸を焼き払い、神官に大金を払って浄化の魔法をかけさせるなど、そんな予算は金持ちのウィエローン王国にも出せはしない。況んや、質実剛健を地で行くアスレッド王国にはもちろん無理である。

 

仮に予算があっても、これだけのカタコンベを解体できるほどの儀式素材も薪も人員も神官も……この大陸にはないのだ。

 

故に、アンデッドの間引きというのは、厄介極まりない塩漬けの依頼なのだった……。

 

 

 

そこに、女四人が現れた。

 

信じられないほどに美しい女達だ。

 

王宮の寵姫のような儚げな者もいれば、歌姫のように活発な者もおり、幅広い層の需要をカバーし切るラインナップだった。

 

「よくって?今はわたくしが!この、わーたーくーしがリーダーなのですわ!あのお方から任命された、リーーーダーーーなのですわっ!」

 

金髪を、所謂「ドリルヘア」にした、キラキラと輝く悪魔のお嬢様。

 

魔界の悪魔の、やんごとなき王家の娘である彼女は、見た目通りの立場を伴っていた。

 

「おーっ!行くでござるよーっ!」

 

それに追従するは、スマートなモデル体型の、東洋の美女。

 

ただ、その美しき黒髪の隙間からは、龍人の象徴たる龍の双角が生えている。

 

「任務了解。全てを殲滅します」

 

更にその背後からは、白磁と鋼鉄の肉体を持つ、ホムンクルスの美女が続く。

 

「うあ"〜……。この人らについてくのぉ……?めんどくさいでやんすぅ……」

 

肩を落としながらついてくるのは、豹獣人の少女……。

 

「あれっすよね、自分もテンションは高い方だけど、自分より更にテンション高い人と行動すると気疲れする……みたいな話でやんすよね」

 

「行きますわよーっ!」「ワッハッハ!」「進行開始」

 

「はぁ〜……。シャーロットのお嬢!前見ろでやんす!マヤとアリーヤも警戒!」

 

「警戒?キャシィ、貴女、警戒しろと言いましたの?」

 

瞬間、悪魔の……、シャーロットの掌に、魔法の力が集中する。

 

「うええっ!ま、まさか!」

 

「そのまさかですわよ!『連鎖する雷撃波動』!!!」

 

煌めく雷光が、シャーロットの掌から溢れ、火花を散らしつつカタコンベを吹っ飛ばす。

 

『ゴオオお……』『うオおオ……』『我が、眠リ、妨げル者、何者ぞ……』

 

大量のアンデッド、そして、知性を残しているロード級のリッチが、ゾロゾロとカタコンベから迎撃に出てくる。

 

動きは死者故に動きは鈍いが、蜂の巣をつついたような騒ぎだった。

 

「面白くなってきましたわ〜!『爆裂火球』!『冷凍光線』!『力場の鉄槌』〜!!!」

 

めちゃくちゃに魔法を放ちながら、もう片方の手に持った魔剣で近付いてきたアンデッドを斬り刻み爆走するシャーロット。

 

「やあやあ!我こそは、遥か遠き葦の国のサムライ、マヤ・ラゴウ!いざ尋常に勝負ー!」

 

刀の一振りで複数体のゾンビを引き裂くマヤ。

 

「マナボルト・ビーム、放射します」

 

掌からビームを乱射するアリーヤ……。

 

「ああ、もうっ!結局こうなるんでやんすね!」

 

そう叫びながらも、短弓から光の矢を放ち、的確に暴れる三人娘のフォローをするキャシィ……。

 

戦場の、それも、負ければ必ず殺されるであろうアンデッド相手の戦いにも関わらず、緊張感に欠ける彼女達。

 

しかし、足運び、位置取り、体捌き……、全てが超一流。

 

ふざけているのは口調のみで、武技は歴戦の勇士のそれだった。

 

シャーロットの無駄のない魔力操作も、マヤの玄妙な刀捌きも、アリーヤの正確な狙撃術も……。

 

全てが、百戦錬磨の、神話的英雄の技だった。

 

それを、疾風のような素早さで動くキャシィが補佐し、討ち漏らしに弓矢を突き立てていく。

 

『ば、バカ、な……!コの、私、が……!』

 

ぱこん、と。

 

強大なリッチ、死者の王の額に、聖なる矢が突き刺さる。

 

『ぐ、ワアあああアあ……!!!』

 

「ふう、これで終わりでやんすか〜?……あっ、ちょっ、帰らないでくれでやんす!この死骸漁って、『魔石』とか拾うの、自分の役目なんでやんすか〜?!!!」

 

そして、百を超える死者達を、再度殺した彼女達は、半泣きで惨殺死体から『魔石』なるものを抜き取るキャシィを残しつつ帰還した……。

 




書けねーッ。
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