ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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なろう感出したい。


5話 殺戮ショー

あらすじ。

 

囚われの美女(龍人)。

 

 

 

「で、助けるにはどうすりゃ良い?」

 

「剣だ、胸の剣を抜け!これは龍殺しの剣だ!」

 

「がってんだ」

 

で、言われた通りにぬるっと剣を抜く。

 

「ぐうっ!」

 

女は、苦痛に顔を歪めた後……、

 

「ガルルルル!!!」

 

全ての縛を、取り払った。

 

「ば、馬鹿な?!封印剣が抜けている?!あ」

 

「何が起こ」

 

「ひあ」

 

爪の一振りで兵士数人をまとめて殺す。

 

あーあ、グロおい。

 

でもまあ、礫死体とか見たことあるからな俺。都会に住んでると事故とか自殺とかで死体を見ることもあるんだよな、これが。ぐちゃぐちゃよりかはスパッと斬れてる方がマシ……、いや、そうでもねーな。

 

あれ?これって、俺が間接的に殺したことにならない?

 

しかも相手は兵士っぽいし。

 

んー?

 

……まあ良いや。バレなきゃヘーキよ、ヘーキ。

 

「あの、お嬢ちゃん、一人も逃さないようにしてな。バレると怖いから」

 

からの殺人教唆。知らん知らん、やったれやったれ。

 

「おう!全員殺す!グルルルルゥ!!!」

 

程なくして。

 

「さあて、こいつが最後の一人だ!」

 

「あ、ああ……」

 

最後の生き残りに爪を振るう女。

 

しかし。

 

「グッ!!奴隷紋が……!!」

 

おや、どうしたんだろうか。

 

因みに、俺は姿を現さないで、女の隣で殺戮を見守っていた。いや、特に止める理由もなかったし……。女騎士もいなかったし。

 

よく分からないけど、美人に剣をぶっ刺して引きずり回してる、イコール悪党。殺されてもしょうがねえんじゃねえのかな、と。

 

「おい、お前」

 

「何?」

 

「私の代わりにこいつを殺してくれ」

 

まぁじでぇ?

 

「いやー、流石にそこまでは覚悟完了してないってか」

 

「頼む、奴隷紋が刻まれて、こいつが仮の主人になっているんだ。私には手出しできない」

 

奴隷紋、ね。

 

呪術の一種で、身体に特殊な紋章を刻み、主人に設定したものに逆らうと激痛に苛まれ、主人を傷つけられなくなる呪い、らしい。

 

「んー、じゃあこうしよう」

 

召喚、ウォータードラゴン。

 

『グルルオオオオオ!!!』

 

「喰い殺せ」

 

命じる。

 

「や、やめ」

 

パクリと丸呑み一口。

 

「よし、次は周りの死体を全部食え」

 

『グルルルル……』

 

「何、全部は喰えない?なら、喰えない分は踏み潰せ」

 

『ガオ!!』

 

そう言って、辺りの死体を喰って、踏みつけるウォータードラゴン。

 

「何をしてるんだ?」

 

「証拠隠滅。ドラゴンが現れて襲われた、で、君は運良く逃げ出せた、みたいな」

 

「成る程、お前は頭がいいな。それなら追われる心配もなくなるか」

 

「よし、じゃあ後は血のついた足で足跡を残してから……、消えろ」

 

『ガオ』

 

そして、消滅するウォータードラゴン。

 

よし。

 

「レアスキル持ちか……」

 

「そうらしいね」

 

「ああ、そうだ。助けてくれてありがとな。私は『五番』。ただの『五番』だ」

 

五番?なんの?

 

「五番って名前なの?」

 

「いや、名前はない。だが、私を造った奴らは五番と呼んだ。最高傑作とも呼んでいたな。それでも良いぞ」

 

訳ありの匂いがプンプンするぞぉ!

 

「でもあれだな、こんな美人を番号で呼ぶのは良くないな。五番、Ⅴ、ヴァネッサ、ヴェロニカ……」

 

ん、紫の髪……。

 

「ヴァイオレット、と呼んでも良いかな?」

 

「ヴァイオレット……、ヴァイオレットか。いい名だ。今後はそう名乗ることにしよう」

 

そうかい。

 

取り敢えず、姿を現して、と。

 

「あー、君と話し合うことが二つある。即ち、今までのことと、これからのこと」

 

「おう」

 

「理解してくれてありがとう。さて、まずは、君は何者で、何で捕まっていたのか、ってところだけど、答えてくれっかな?」

 

「ああ。私は、キメラティック・カオスドラゴンロードのドラゴニュートだ。教団、と言うところで造られた生物兵器の五番目の個体で、最高傑作とされたんだ。しかし、気性の荒さから制御不能とみなされ、胸に龍殺しの剣を突き刺されて封印された」

 

んーんーんー。

 

分からない単語が沢山出てきたぞー?

 

だが、話の腰は折らない。

 

「そして、なぜ捕まっていたか、だったか?それも分からん。いきなり封印が解かれたと思ったら、奴隷紋を刻まれ、そのまま雁字搦めにされ、連れ出されたんだ。まあ、恐らくは、兵器としての私の力に目をつけたんだろう」

 

成る程。

 

「つまり君は怪しい人達に造られた生物兵器で、気づいたら誘拐されてたと」

 

「そうだな」

 

んー。

 

「じゃあ次に」

 

「待て、その前にお前の話を聞かせろ」

 

「俺?」

 

なんでさ。

 

「これからついて行く連れのことだ、詳しく知っておきたい」

 

ん?

 

「あ?うん?あー、俺はシグナル。別の世界から来た。えーと、生物について研究する学者をやってたんだ」

 

「成る程な……」

 

あ、なんか同情的な目になった。

 

「お前も苦労してるんだな。じゃあ、これからはシグと呼ばせてもらうぞ」

 

「うん?うん」

 

「じゃあ、行こうか。どこに向かうんだ?」

 

「王都の図書館、と冒険者ギルド、かな?」

 

「そうか。よく分からんがこっちか?」

 

「え?うん」

 

「なら行くぞ」

 

うーん?

 

「……着いてくんの?」

 

「ああ。お前が仮の主人に設定された男を殺してくれたお陰で奴隷紋は消えたしな」

 

「それはそれでしょ、着いてくる理由にはならないよね?」

 

「……分からないんだ。急に自由になったものだからな。笑えるだろう?あれほど自由を望んでいたと言うのに、いざ自由になったら、何をすれば良いか分からないんだからな」

 

「ヴァイオレット……」

 

「あと個人的にお前のような強い男は好きだ」

 

「そ、そうか」

 

あ、やばい、ちょっとドキッとした。

 

風俗嬢くらいしか抱いたことがないし、女性には尽く、「ルックスも学歴も中々だけど、変態は嫌です」とお断りされ続けた身としては、好きとか言われるとドキッとしちゃう。

 

よし。

 

好感度は中々だろう。

 

「ちょっとエロ触手と絡み合ってくれない?」

 




エロ触手はなろうで許されるのか。

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