貴族の戦いは、敵陣の前に先陣を担う勇敢な騎士が立ち、口上を述べるらしい。
「我々、グリンバルは!愚かにも、鉄壁たるマインザッハ砦へ侵攻してきたアスレッドに対し、神罰の鉄鎚を下す!卑賤なる侵略者に裁きを!!!」
敵側、グリンバル王国の騎士は、そんな感じで勇ましく吠えた。
へー、なんかかっこいいですねえ。
「あーあー、聞こえてるか?騎士ブラッドだ。お前ら全員殺す。尻尾巻いて逃げるなら見逃してやるよ」
俺はなんかこう、適当に返した。
「なっ?!き、貴様あっ!!!」
「何と言うやつだ!」
「野蛮な!!」
俺の口上は、どうやらダメだったらしい。
だがしかし、真面目に口上を考えてやるほどの騎士でもないしなあ……。
ここから見た感じじゃ、一番腕利きっぽい騎士でも、俺相手に十秒保てば大健闘、みたいな程度だし。
まあ何でも良いか、どうせ全員殺すんだもんよ。
砦攻め。
砦の大きさはそこまででもなく、あくまでも物資集積所の意味合いが強い。
しかしそれでも、砦の外壁の上にはずらりとロングボウを持った弓兵が並び、中にはバリスタや投石機などもあった。
門は固く閉ざされ、門の上からは焼けた鉛を垂らして攻撃してくる感じだな。
それをこちらは、破城槌で門をぶっ叩いて破り、中に入って皆殺し!って作戦。
その為、破城槌を護衛しながら一番最初に突っ込んでいくのが、先陣を切る俺の役割なのだが……。
「別に、壊してしまっても構わんのだろう?」
俺は、ブローナック王に問うた。
「破城槌なしで、門を破ると言うのか?」
王が問い返す。
「俺にはそれができる」
「面白い!やって見せよ!」
そんな訳なので、俺は。
『龍帝の大剣』を背負って、そのまま馬鹿正直に真っ直ぐ、砦へ歩いていく。
「馬鹿なのか、蛮人め!弓兵、構えぇーーーっ!放てぇ!!!」
城壁の上に立つ指揮官が、俺目掛けて矢の雨を降らせて来た。
フルプレートの騎士でも、当たりどころによっては危険な、ロングボウの矢。
それを俺は、棒立ちで受ける。
———《反応装甲》発動
しかし、俺に触れた矢は、弾かれて地に落ちる。
隣に立つ嫁達もそうだ。
様々なアビリティで、矢の雨を完全に防いでいる。
「ば、馬鹿な……?!」
「な、なんなんだ、あいつは?!」
「神の加護でもあるのか?!」
「ええい!投石機だ!岩を放てっ!」
おっと、投石機は《反応装甲》では防げないな。
小さめの冷蔵庫くらいのデカい岩が、俺目掛けて降ってくる……。
まあしかし、防げないとは言ってない。
俺は裏拳で、飛んできた岩を粉砕して弾いた。
「「「「………………は?」」」」
「と、とと、投石機の、投石機お、を、防いだ?」
「な、殴った、のか?今……?」
「おい、おいおいおい!何だありゃあ!化け物じゃねえか!!」
「と、とと、止めろぉ!アイツを止めろーーーっ!バリスタを射掛けろーーーっ!!!」
お次はバリスタ、大型の弩。
槍ほどの大きさの矢が、複数、俺に向かって飛んでくる。
が、それも無駄。
俺はバリスタの矢を片手で掴み取り、投げ返した。
「ぎゃああああっ!!!」
「ぐわあああーーー!!!」
「バ、バリスタがぁ?!!」
矢の雨、投石機、バリスタの攻撃をバシバシ受けながら、俺は門の前に辿り着いた。
そして……。
———《戦いの咆哮》発動
「があああああアアアアアアアっっっ!!!!!!!!」
瞬間、勇ましい怒鳴り声や叫び声に満ちていた戦場が静まり返り。俺の吼え声のみがビリビリと、物理的な圧力を持って響く。
肝の小さな兵卒はその場で恐れのあまり失神し、敵味方関係なく、馬は口から泡を吹いて倒れた。
飛んでくる弓矢の雨もぱたりと止まり……。
「攻めるぞ!」
「「「「おー!」」」」
そこを、その隙を、俺達は突いてみせた。
大剣を構えたまま走り抜け、砦の前の門の元へ。
俺は思い切り、大剣を振りかぶり……。
———《破城の一撃》発動
振り、抜いた。
最初、門に剣がぶつかった瞬間は無音。あまりに早く、あまりに鋭い剣戟は、音を置き去りにするからだ。
しかし、振り抜いた後。
ソニックブームと遅れてきた衝撃音、飛び散る門の残骸の破壊音。それらがやって来て、まるでダイナマイトの束に火をつけたのか?と思えるような轟音が周囲に撒き散らされる。
……一方で嫁達はごく普通にジャンプして城壁を乗り越えていた。
「どうした!!!アスレッド軍よ、俺に続け!!!」
おっと、手柄の独り占めは良くないからな。
最低限、「戦争に参加した!」と言えるくらいの戦果はお裾分けしなくては。
そんな訳で、門を破ったのでアスレッド軍の兵隊を中に招いてやることとした。
「「「「お、お、おおおおおっ!!!!」」」」
「ブラッド殿に続けえええ!!!」
「うおおおおお!!!」
「ブラッド殿、ばんざーーーい!!!」
再起動したアスレッド軍は、砦へと侵入した。
「『連鎖する雷撃波動』!」
「『鮮血の乱刃』!」
「マナボルト・バルカン、発射します」
遠距離攻撃タイプの嫁らは、飛行しながらボコボコと魔法などをばら撒き、弓兵を無力化。
それにより、妨害なく砦に橋をかけたアスレッド軍の兵隊達は、まさに雪崩れ込むと言った言葉が最適だと思えるような勢いで、砦に入り込んでゆく。
一方で俺は、砦の中にいる兵士を手当たり次第にぶち殺しつつ、大きな声で叫んだ。
「オラ逃げろ逃げろ!逃げるんなら見逃してやるよ、追っかけるのはめんどくせぇからな!ここにいる奴らは皆殺しだぞ!」
「ひ、ひいっ!」
「も、もうダメだあ!」
「逃げろおぉ!!!」
よし、士気崩壊。
まだ完全とは言えないが、すでに敵兵の二割は殺して、二割が逃げようとしつつある。
この時点でこちらの勝ちは決まったようなものだが……。
「狼狽えるな!!!!」
まだ、グリンバル軍には、部隊の精神的支柱となるであろう騎士達が残っていた……。
今またメックウォーリアー5やり始めたんですけど、ブサイクなオペレーター女をボイスロイドに変更するMODをぶち込んだら、何故か主人公のおっさんの声もずん子になってて若干ゃ草。