ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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チャーシューを煮て力を取り戻した。


26話 マインザッハ砦攻略戦

「我が名はセルシウス!セルシウス・ナイトホーク!騎士ブラッドよ、私と一騎討ちをしろ!」

 

マインザッハ砦にて。

 

砦を攻めていたら、なんか出て来た。

 

グリンバルの騎士様だろう。

 

鋼鉄のフルプレートアーマーは、頬から側頭にかけて羽根のような吹返?みたいなのがあり、黄緑色のマントをつけている。

 

エングレーヴが掘られた金属の飾りが縁についた長方形の大盾を携えて、青い瞳を血走らせ、こちらに怒鳴り声を上げたその男。

 

間違いなく貴族。それも、ここでの地位が高い奴だろう。

 

その騎士は、大型のメイスと盾を構えてこう叫んだ……。

 

「ラピス神の加護は我にあり!貴様のような蛮人共に、我が国の領土を踏み荒らされる訳にはいかんのだ!」

 

ふーん。

 

まあ、殺すか。

 

「御託はいい、やるならかかってこい」

 

「覚悟ーーーっ!!!」

 

お、きたきた。

 

メイスは、1メートルにもなる大型で、洋梨型の扇状鉄板が並んだもの。確かハンガリーの方で使われてた型のものだったか?

 

色は黒色で、造りは頑丈。恐らくはこの世界の上級な金属でできていると伺える。

 

評価するならば、入門、初心、一般級を超えたその上のクラス、「熟練級」の武具だろう。

 

俺を傷つけられる武器ではあるな。

 

「フッ……ぉお!!!」

 

体格のいい騎士の、剛力の一撃。

 

最初の頃に森で見た、レベル20くらいの熊のモンスターならば、当たりどころにもよるが即死レベルの一撃だな。

 

横薙ぎに振るわれたその一撃を……。

 

「オラ」

 

俺は、ごく普通に、片手で防いだ。

 

日差しを遮るように手を翳しただけで、金属がぶつかり合うような轟音が撒き散らされる。

 

「ぬぅ……ん!!!」

 

しかし、一撃を弾かれても狼狽えず、武器を落とすこともない。

 

訓練されているな、手首と肩で柔らかく衝撃を受け止めていた。

 

少なくとも、この世界ではあまり見られない「武術」の技がそこにはあった。

 

そして連撃。

 

次は袈裟懸け、斜めにメイスを振り下ろす。

 

「おっと」

 

だがそこにはちょうど手のひらがある。

 

メイスの先端を握って……。

 

「さあ、どうす……」

 

「ハァアっ!!!」

 

問いかけようとした瞬間、メイスを離して、即座にシールドバッシュ。

 

「判断が早いな」

 

軽量な金属板でできている大盾でのぶちかましは、かなりの速度と実力が乗っていて、例えるならば軽自動車に撥ねられるくらいの勢いがあった。

 

恐らくは、騎兵の突撃にも真っ向から立ち向かえるであろう、凄まじい一撃だ。

 

「だが、相手が悪い」

 

「〜〜〜ッ!!!」

 

1mmも。

 

俺の足は、身体は。

 

この凄まじい体当たりを受けても、動かされることはなかった。

 

「誇れ。俺相手に、十秒保ったことを」

 

「おのれ———っ」

 

突き。正拳。

 

単なるパンチ。

 

左手で抱えた大剣のない、右腕での単なる拳の一撃。

 

それで、軽金属でできた大盾の美しいエングレーヴが、見るも無惨に凹んで変形した。

 

それと共に、鋼鉄のフルプレートアーマー、その装甲の上から見ても分かるくらいに、騎士セルシウスの左腕はへし折れて。

 

「———ァああ!!!」

 

そのまま、車に撥ね飛ばされたみたいに、数メートルも吹き飛んでいった。

 

綺麗な黄緑のマントは擦り切れ、鎧に刻まれた金色の飾りもへし折れて土に塗れて、本人も血を吐いて昏倒。

 

俺は剣を掲げて、勝鬨、咆哮を上げた。

 

どちらが勝者かは、明白だった。

 

 

 

そんな訳で、アスレッド軍の士気は最高潮。

 

こんな分かりやすい勝ち戦で、士気が上がらない訳はない。

 

一方で、この砦のエース的存在だったらしい騎士セルシウスを失ったグリンバル軍は、農兵達は勝手に逃げ出し、傭兵達も及び腰になっていた。

 

敵前逃亡は死刑!とか勇ましいことを人類がほざき始めたのは実は最近のことで、昔のこういう兵隊共は不利になると割と結構逃げるのだ。

 

それも仕方ないよな、強制徴兵されて、国を守る意思なんざ湧くはずもない。

 

で、騎士達もまた、負け戦であると判断したらしく、既に撤退の構えを見せている。

 

どうやら、ベテランの老兵、老騎士を残して、若い騎士達から逃すつもりのようだな。

 

俺は最初に、「逃げるなら見逃してやる」と宣言したので追うことはないが……、アスレッド軍の他の奴らは違う。

 

積極的に逃げる騎士を倒して、できれば捕獲しようとしていた。後で保釈金をせしめようという魂胆だろう。

 

アスレッドは基本的に儲かる産業がある土地じゃないからな。金勘定もできないような脳筋ばっかりだし。だからこういう臨時収入があると、ついつい張り切ってしまうみたいだ。

 

貧乏貴族の涙ぐましい努力ってやつだな。そっとしておいてやるか。

 

「どうだい、旦那ぁ!」

 

おっと、嫁のロザリアだ。

 

乱戦の最中、雑兵を文字通り蹴散らしながら、こちらにやって来たな。

 

「数が多いだけだ!ヴォルスランドの野盗とどっこいどっこいってとこだな!」

 

「そりゃ分かる!大将首は?!」

 

「その辺に転がしてある!」

 

因みに、喋っている最中も、その辺の雑兵を殺しまくってるぞ。

 

そうやって戦っていると……。

 

「う、うわあああっ!セルシウス様の仇ーーーっ!!!」

 

と、小さな影が背後から飛び出して来た。

 

「おっと」

 

ロザリアが軽く捕まえたそれは、子供。

 

十代前半くらいの少年だった。

 

恐らくは、騎士セルシウスの従士だろう。金髪碧眼の少年だ。

 

そいつは、手にナイフを持ち、俺に突っ込んできたようだな。

 

「勇敢だな、ガキ!」

 

ロザリアにとって、子供だろうと何だろうと、戦場に出てくるものは皆、戦士という認識。

 

何歳の子供だろうと、女だろうと、モンスターだろうと。

 

戦うものは容赦なく殺すのが、戦場の礼儀であると思っている。

 

殺し殺されるのが嫌なら、戦場に出てくるな、とも。

 

戦闘民族であるオルグ族の普遍的な考え方だ。

 

そしてそれについては、俺も同じ考えだった。

 

「う、うわあああっ!放せ!放せぇっ!!!」

 

「ガキ、これからお前を殺す。名乗れ」

 

「ひいっ!いやだ!し、死にたくない……!」

 

「あ"ぁ?!ふざけんじゃねえぞ!!!戦場に出たんなら、お前も戦士だろうが!戦士なら笑って死ね!吠えて死ね!!戦って死ね!!!」

 

「がっ、かは……!」

 

そう言ってロザリアは、片手でガキの首を掴んで吊り上げ、喉を握り潰そうとする……。

 

子供が死ぬのは良くない、それは、日本人の感覚からすると良く分かる話。

 

しかし、この世界の戦場ではそうじゃない。

 

それだけの話だ。

 

と言うか、見ず知らずの、それも敵方のガキを助ける義理も利益もないしなあ……。

 

ロザリアの手で死にゆく少年を眺めつつ、俺は、大剣を担ぎ直した。

 

もう敵が潰走しているからな。

 

終わりか、と。

 

気を緩めたその時……。

 

 

 

「『勇者』だ!『勇者ラディアス』が来たぞーーーっ!!!」

 




世界樹二周目うぇーい。三周目はまた今度でいいや。

久しぶりにメックウォーリアー5やります。おお、難易度調整ができるなんて神ゲーか?

今は何となくプログラマ転生の続きを書いてみました。とりあえず次は、外国の商業国から商人がすり寄ってきてどうすっかなー?みたいな話で行こうと思う。あとはダンジョン実習。
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