ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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ゔああ寒い寒い寒い。


33話 コミュニケーション2

次に呼んだのは、マヤ、キャシィ、レアの三人。

 

「この人選は何でござるか?」

 

「アホそうなので適当なこと言っても大丈夫な奴らを呼んだ」

 

「ひでーでやんす?!」

 

「あっはっは!アホそうなのは当たってるね!」

 

東の国の剣聖、龍人のマヤ。黒い髪を白紐で縛った、天然な印象の美女。基本的に何も考えてない。

 

豹、それもヴォルスランドでは希少種であるチーターの獣人、キャシィ。本物のチーターのような黄褐色の髪を適当にざく切りしている。顔は良いが言動がかなりアホっぽい。

 

最も旧き、最初の人狼、レア。黒いウルフカットの頭からは狼の耳、腰には尻尾。クールそうなハンサム女子に見えるが、頭空っぽのアホ。

 

アホ相手ならまあ、適当にやっても良いだろう。

 

俺は、肩の力を抜いて対応する。

 

「で、話は理解してるか?」

 

「「「分かんない!」」」

 

ヨシ!

 

何も良くないが、ヨシ!

 

「じゃあアレだ、なんかあんまり記憶がないから、お前らの話を聞かせてほしいってことだ」

 

「へ?良いでやんすよ。えっとねえ……、おいらはボスのこと、大好きでやんす!」

 

んー、何も分からなくて気持ちがいいな。

 

俺はキャシィを雑に撫で回す。

 

「ボスは、チャチでチンケな盗賊だったおいらを拾って、一端の戦士になるまで仕込んでくれたでやんす!感謝感激でやんす!」

 

「お、そうだな」

 

そんな感じだったな。

 

「最初は、そんなボスに恩を返したいから頑張ってたでやんすが……、よく考えたらボスの隣が一番居心地が良いなーって」

 

「ふむ」

 

「ってか、ボスがちょっとおかしくなったとしても、世界で一番強くてカッチョイイ戦士で、金持ちで何でもできて、おいらのこと沢山愛してくれるのには変わりないでやんしょ?何も困ることないでやんすよ?」

 

なるほど、理解できる。

 

「それに、おいらはもう、ボスの匂いを嗅ぎながらじゃないとイけない体なんで……♡」

 

そう言いながら、俺に抱きついて胸板の匂いを嗅ぎ始めるキャシィ。

 

猫だからなこいつ。こういうことをする。

 

尻尾の付け根のところをトントンしておいてやろう。

 

「と言うか、まーたそんなことを言い始めたでござるかー?もう良いでござるよそう言うのー!殿は、『悩みながらも成長する等身大ヒーロー!』みたいなのじゃないでござろう?」

 

元も子もないことを言い始めるマヤ。

 

まあそれはそう。

 

「それはそうだが、お前らにちょっとくらいは誠実そうなポーズを取っておいてやろうかなーっていう、俺なりの気遣いだぞ?」

 

「もうそれを口に出してる時点で気遣いできてないでござるよね?」

 

まあそれはそう。

 

「でも、後々になってお前らに『なんか違う』とかって言われたらなんか辛くね?」

 

「ンモー、殿の癖になんか可愛い悩みを……。あのでござるな、殿?拙者らは、殿がどうなろうと、永遠にお供いたすと誓っているんでござるよ」

 

「だから、俺がその……」

 

「その辺りはもう納得済みなんでござるー!そりゃあ、殿もこうなって以降はなんか変に慎重になったでござるし、拙者らにもすごーく気遣いしてくれてるんで、変だなーとは思ってるでござるけど!」

 

変だなーって思われてたのか……。

 

「でも!それも殿の新たな一面なのだと、拙者らは納得したんでござるよ!……寧ろ、こうなっているのに、優しくて逞しいままでいてくれる殿に、拙者らはバリバリ惚れ直してるんでござるよー!!!」

 

ふーん。

 

「マヤ……、かわいいなあ!」

 

好き。

 

気安く話せるタイプの女の子……、良いよね!

 

「と言うか、殿の言葉が本当なら、普通は戦えないし、戦おうとも思わないのでござるよ?本当に一般人が殿の肉体を得たところで、戦火に身を晒そうなどとは思わないのでござる。それが、殿は、前と変わらずで……」

 

あー、そうね。

 

その辺は……、俺の性格によるものかなあ?

 

前も言ったが、俺は日本人であったこと以外は何も覚えていない。

 

名前も、顔も。家族も仕事も。

 

……だがしかし、持っている知識や技能はまともじゃない。

 

コンピュータやVR機器などの取り扱い、軽いプログラミング能力。まあこれは良い、ゲーマーの基本だからだ。

 

けれど、ちょっと非合法っぽい感じの知識が多いのはこれ、何なんですかね?

 

バレない死体処理の方法とか、拷問のやり方とか、悪用できる法律の知識とか……。

 

俺って何やってた人なの????

 

怖いねえ……。

 

「殿って本当に一般人だったのでござるか?盗賊やモンスター相手とはいえ普通に殺すから、イカれているのかなあ、と……」

 

うん、はい。

 

「うん……、その……、一般人ではないのかもしれないが、社会の中で生きて、VRゲームを趣味にしているくらいには一般的だったと思う、ぞ?」

 

「ええー?本当にござるかー?」

 

因みに、だが。

 

こうして話している最中も、マヤは俺の腕を抱きながら隣に座り、俺の足に自らの尻尾を絡ませている。

 

で、レアは。

 

「ふふっ、あまり難しい話はしないでもらえるかな?」

 

「どうしてだ?」

 

「僕には何言ってるかよく分かんないから、さ」

 

と、クールなドヤ顔で、自分はアホですと宣言してきた。

 

『原初の人狼』という非常にカッコいい立場でありながら、これなのだ。かわいいね。

 

側から見れば、女子校で王子様と呼ばれている女子生徒みたいな、凄え美人なのに中身これなの面白いよな。

 

「ふふふ……、なんか最近、主人君は難しい話が好きだね?嫌いじゃない、よ?聞いていると、なんか頭が良くなった気がしてくるから……!」

 

だ、駄目だこいつ!

 

俺がこんなに話したのに、何にも理解してねえ……?

 

「だ、大丈夫かお前?ちゃんと説明を聞いてたか?」

 

「うん、もちろんさ。その上で、言うよ?……よく分かんないけど、僕は主人君大好きさ!」

 

困った……、ちょっと勝てない……。

 

「本当に分からないのか?」

 

「ふふっ、なんかいっぱい考えてたら、頭がゴチャゴチャして訳分かんなくなっちゃってね……」

 

うわあああ!

 

何で何も分かってないのに、そんな賢そうなツラができるんだ……?!

 

「でも、僕はね?ちゃんと分かっているのさ」

 

「何を?」

 

「なんだかんだ言って、主人君は僕とずっと一緒にいてくれる、ってことをね!」

 

う、うん……。

 

まあ……、うん。

 

「お前がそれでいいなら良いんじゃないかな……?」

 

予想以上のアホだったが、本人が満足してるなら良いや……。

 




よーし、皆さんの応援のおかげでプログラマ転生の続きを6話ほど書けました!

もっと頑張りたいところですが、もう正月休みも終わって力が出ない……。

百年くらい休ませてくれ……。
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