ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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今一番欲しいもの?

ファイブスター物語単行本全巻ですね。


38話 領地クエスト4

結局、何だかんだ言いながら、カシューは逃げた。

 

うわー、やっぱカスだなー。

 

なんかごちゃごちゃ言って自己の正当化をしてたけど、結局カスはカス。

 

何を言っても、死んだ仲間を見捨てて二度も逃げたクズである事実は変わらないからな。

 

アレで自分のことを「憂国の志士」様だと思えてるんだから、やっぱり頭おかしいのか、学がなさ過ぎておかしさに気付けないんだか……。

 

「何で逃したんでござるか?」

 

龍人剣士のマヤがそう言って首を傾げて訊ねてくるが……。

 

「無能な味方は、有能な敵より害悪だからなあ」

 

「あー、反乱軍側にクズを押し付けて、負担をかけようってことでござるな。兵法家でござるなあ」

 

「とは言ったが、まあ、そこまで深くは考えてねえよ。殺す価値もねえなあと思っただけで」

 

「生かす価値は尚更ないのでは……?」

 

「名推理やめろ」

 

真理をいきなり突くのはやめてね?

 

そりゃそうなんだよ、そうなんだけどさ……。

 

「多分、見逃した方が後でややこしいことになりそうな気がするんだよな……」

 

「あー、ややこしいこと好きでござったな、殿は」

 

「クエストが増えると……、嬉しい……!」

 

俺はグッと親指を立てた。ロボットアニメのオープニングみたいな顔で。

 

実際、クエストギバーかもしれない奴を殺しまくったらクエストがこの世からなくなってしまうかもしれないので、明らかなエネミー以外は極力殺したくないんだよね。

 

言わば、この世界は俺が楽しむクエストを生む為の養殖場みたいなもんだ。

 

……なんか昔、そんな感じの探偵漫画あったよな。魔人が女子高生と探偵やるやつ。

 

「いやー、狂ってるでござるなあ」

 

それを笑いながら見つめる嫁、マヤ。お前も大概おかしいと思うぞ。

 

 

 

さて、最後のクエスト。

 

マヌル川に棲みついたサハギンの退治だな。

 

「ヴるるるる……」「ゲギャ」「ゲゲギ……」

 

いるのは五体ほど。

 

青白い体で鱗があり、背中や肘に鰭がある半魚人野郎共だ。

 

とは言え、腕は太く、水かきがある手には鋭く曲がった鉤爪もある。

 

牙だって、ピラニアのように鋭い。

 

確かに、一般人の手には余るだろうな。

 

ゴブリンくらいなら、村人が囲んで棒で殴って殺すこともあるらしいが……、これは無理だろう。

 

ゴブリンはアレ、人間の子供くらいの体力知力しかないからな。成人ならワンチャン、素手でも殺せる。

 

徒党を組むと危険だが、まあ村にもある程度は自警団とかいるし、うちの領地なんて特に、ちゃんと正規兵として雇って訓練させてるからね。問題はないだろう。

 

しかしそれでも、サハギンはちょっとまだ荷が重いか。

 

うちの兵士だったら、三体一でやっとやっとか……?

 

いやそれなら、兵士を連れてきて実地訓練とかさせりゃ良かったか?でもそれじゃ俺が面白くないからな。

 

……などと、ぐちぐち考え事をしていると、横から声がかかる。

 

「やっていいでござるか?」

 

マヤはそう言って、腰の刀に手を添え、あいつらをいつでも殺せるぞとアピールをしてきた。

 

「まだ待て。少し動きを見たい」

 

しかし俺はそれを制止し、あえて、おーい!と大声で呼びかけて、サハギン共にこちらの存在を教えてやった。

 

すると当然……。

 

「ギギィ!ぐぐグギャアアア!」

 

おっ、来た来た。

 

五体のサハギンが襲いかかってくる!

 

鉤爪の一撃!

 

「ぬん」

 

「ぎっ……?!」

 

手甲の側面で弾く。

 

『重装甲』スキルの《鎧の盾》アビリティは、腕部に重装甲判定の手甲を装備している時、それを使ってある程度の『盾』スキルを発揮し、アビリティを発動可能になるというもの。

 

従って、発動したアビリティは、盾スキルの《パリィ》だな。

 

「ギャぎぃ!」

 

飛びかかって噛みついてくる奴は。

 

「オラっ!」

 

「ギヒィ?!」

 

キャッチ……、掴んで投げ飛ばす。

 

どうやら俺は、地球での格闘技の経験と、対人VR格闘ゲームの経験により、武術の類が使えるようだな。

 

恐らく、原型はレスリングか総合格闘技っぽいが、掴んで投げる動きはまさに、「身体が覚えている」と言った様だった。

 

記憶はないが、身体は動くし、知識もあるのだ。

 

しかし、うーん……。

 

「……雑魚過ぎて分かんねえわ」

 

これ、戦法とか考える必要、あるか……?

 

動きを見るとか、警戒する必要があんのか……?

 

そう思った瞬間、瞬き一回分の時間で、五体のサハギンの首が転げ落ちる。

 

マヤの《居合抜刀》アビリティである。

 

マヤのそれは、補助アビリティである《多元斬撃》や《飛来する斬撃波》などの効果を同時に発生させており、居合い抜きの瞬間に複数の斬撃波が発生して、遠距離にいる目標を斬り刻むことが可能だった。

 

「ンモー、このレベルの敵相手に『動き見る』とか、何で意味不明なことしてるんでござるか〜?」

 

呆れ顔をして、アメリカンなリアクションで大きく肩を落として見せるマヤ。

 

「馬鹿!お前な、こう言う細かいところを突かれて負けるんだよ!チート転生だーとか言って調子に乗ってるとなあ……!」

 

「いやぁ……、警戒するにも限度があるでござるよね」

 

「こいつゥ」

 

そんなマヤを小突きながら、俺達は笑って、サスボーン・マナーハウスへと帰還した……。

 

×××××××××××××××

 

《小舟に乗った気持ちで》

・小舟と網を提供する◯

・サハギンの群れを倒す

 

×××××××××××××××

 

 

 

はい、終わり。

 

一日で冒険が終わっちゃったな……。

 

事後処理の方が時間かかったくらいだ。

 

結局、村人には感謝されまくり、近隣の問題は全て解決してしまった。

 

よくよく考えればまあそうだろうな。ここまで圧倒的に強いと、冒険に手古摺らされることもないか。

 

そりゃいきなりその辺にドラゴンが湧いたりとかしたら、人間の社会は成り立たないよな。ゲームじゃあるまいし……。

 

人間が住む領域には、人間が対処できる程度の敵しか湧いてこない訳だ。妥当だな、リアルだ。

 

となると……、あーやっぱ戦争か。戦争してえな。

 

早く戦争になーれ……って、そうか。次の戦争はブローナック王に出てくんなって言われてるのか。

 

むむむ……、どうするか……。

 

……よし、ならば、戦闘系に限らず、幅広いクエストをやっていこう。

 




ああヤバい、もうそろそろ書き溜めがなくなる。

後3話くらい?はあるが、その次は、ダンジョン不審者の続きか、プログラマ転生の続きのどちらかになると思います。

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