でも、設定を一気にバーって書くのもアレですし、小出しにしてく感じで。
あの後、嫌な顔一つせずに、エロ触手によるマッサージ(意味深)を受けてくれたヴァイオレット。
相当気持ち良かったらしく、散々乱れまくった挙句、またやろうと言ってくれた。
俺達、良い相棒になれそうだなっ!
道すがら、お互いのスキルについて解説し合った。
木こりのおっさんは人にはあまり言うなと忠告してくれたが、ヴァイオレットは信頼できる。エロ触手に理解ある人はみんな友達。
俺は脳内を確認してみたところ、数学レベル3、商売レベル1、料理レベル1、音楽レベル2、工学レベル4、生物学レベル4、遺伝子工学レベル4、生命工学レベル4などなど、現代社会を生きる院生レベルの知識技能があった。
海神の蠕動は化け物スキルだと言われた。そうなの?
逆にヴァイオレットは戦闘方面でやたらと優秀だった。格闘術レベル5を筆頭に殺意のオーラレベル3、収納魔法レベル4、火、水、風、土各種属性の古代魔術レベル5と光、闇属性魔法レベル5、混沌魔法レベル5などが目についた。混沌魔法はレア度SSSらしい。強い、絶対に強い。
因みにこのスキルのレベルってのは、大雑把に説明すると、1でアマチュア、2で平均、3でプロ並、4でアスリート並、5もあれば歴史に名を残す、くらいと言ったところか。
レア度は魔物と同じくEからSまであるそうだ。
じゃあ EXとかSSSって何だよ。
それから、ヴァイオレットはボロ切れ一枚の非常に良い姿だったので、適当に俺の替えの服を着せておいた。
胸がきついと文句を言われたが、君はそのばるんばるんを衆人環視に御開帳する気か?やめなさい、とたしなめた。
そして、歩いて……。
途中休憩。
腹が減ったら海神の蠕動で出した海獣の肉と水棲植物を、ヴァイオレットに頼んで魔術で熱してもらい、それを食うようにしていた。
米もどうやら水棲植物カウントらしく出るし、麦と殆ど同じ特性を持つ水麦、野菜とほぼ変わらない海野菜など、色々出せた。
塩?都合よく身体に塩を溜め込むソルトフィッシュとやらがいてな。
寝る時はウォータースライムをベッドにして寝た。
すんごいふわふわなの。すんごい。
ヴァイオレットがめちゃくちゃ気に入って、一日中昼寝してたりもした。
さて、そんなこんなで、寄り道してないはずなのにグダグダしてたせいで遅れたが、王都に到着、と。
「ここが王都か」
「あ、ヴァイオレット、人殺しは厳禁な」
「む、私だって理由もなしに殺すことはないぞ」
なら安心だ。
さて、問題は。
「関所あるじゃん」
超えられんのかな。
「止まれ!!」
おっ、来たかぁ。
「旅人か?」
「そうですそうです、怪しいものじゃないです」
「女は……、亜人か」
「怪しいものじゃないぞ」
「うーむ、まあ良い。税を払え。一人千ゼニーだ」
うっし通った。
「うーっす」
割とガバガバなんだな。
野盗とかそういう一目で分かる悪いやつをシャットアウトするくらいなのか。
まずは宿探し……、の前に服屋だ。ヴァイオレットにまともな服を着せる。まあこれは特筆すべきことはない。金もないのでデカめのローブを買ってやった。宿も割とすぐに見つかった。
一晩1000ゼニー食事は朝晩、二人部屋。それなり、ってランクの宿屋だ。
ヴァイオレットは俺と同じ部屋で良いんだとよ。無警戒だねえ。
エッチなことするぞと脅したが、別にお前となら良いぞと返されてしまってぐうの音も出ない。
さて、今の手持ちは約2万ゼニー。
うーん、金が足りない、か?二週間もすれば干上がる計算だ。
腰を据えるには安定した収入が必要だな。
まずは職だ。
さあ、冒険者ギルド、とやらに行ってみようか。
「すいませぇん、あの、冒険者になるにはどうしたら良いんすかねぇ」
「え?あ、はい、新規登録の方ですね」
冒険者ギルドは、宿から歩いて数十分。
石造りのデカイ建物だ。
……ってかギルドって即ちあれだよな、労働組合みたいなもんだよな。なんかあるとストライキでも起こすんだろうか。
冒険者になるにあたっての注意点を教えてもらう。ヴァイオレットのやつは立ったまま寝てるので、俺が聞くしかない。
こんなもんスマホの利用規約みたいなもんやろと聞き飛ばしていたが、いくつか気になる点があるので質問する。
「あのさ、このギルドってさ、各国で連携取れてんすか?」
「まあ、最低限は。数年に一度、各国の代表が集まって会議をしたり、手紙やレポートを届けあったりしていますね」
高度に情報化された現代社会ですら、全国に展開した企業同士が連携を完璧に取れていたことはない。あくまでも最低限だろう。
「ランクはEからSまであり……」
「そのランクってのもさ、いまいち分からないんだけども。各国で魔物の強さは違う訳じゃん。ってことは、この国でAランクだったやつが他の魔物が強い国ではBランクになったりする訳じゃん」
「そうですね。ですがこれには仕掛けがあります。まず魔物は新種が発見され次第鑑定スキル持ちによって鑑定されます。それによりステータスが分かるんです。そのステータスから、このランクのモンスターを倒せるなら、ランクはAだ、などと決めています」
魔物との相対評価か。
「じゃあ、この国でSランクになったからと言って、他所の国でSランクとして扱われる訳ではないと」
「Aランクまでは、基本そうです。でも、Sランクは違います。別格です」
ほう?
「冒険者のSランクは、生きた英雄の証です。どこに行ったとしても畏怖されるでしょう」
そうなの。
「例えば、サンクトス連合国の、『火の真理到達者』にして『焔魔大皇』と呼ばれる、錬金術師『ルドルフ・ファーレンハイト』」
へえ。
「作家、芸術家、音楽家としても知られる、『踊る鉄拳』こと『ヨシュア』」
はい。
「神を斬った男、『断空』の『リュウゲン』」
うん。
「『料理王』の『ロングマン』に、『神聖騎士』の『アラン・ゴルディオン・ロイス』、『双頭蛇』の『ルルリエリ姉妹』辺りですかね、有名どころは。Sランクともなってくると、他人の意思では動かせません。何せ最強ですしね。それ以下の高ランク、AからBなら、貴族の専属になることが多いです」
あー、やっぱりあれか。偉くなるとしがらみが増えるのか。
世の中ってのはどうにもこうにもめんどくさいなあ。
「貴族に仕えないとどうなるの?」
「しつこく勧誘されるでしょうね……。冒険者ギルドとしても強引な勧誘は禁止しているのですが、どうにも」
この世界も貴族は碌なもんじゃないらしい。
「説明は以上です。登録料は千ゼニーになります」
「うっす、じゃあこいつの分も含めて二千ゼニーです」
「はい、確かに徴収しました。お二人はパーティですか?」
「あ、はい」
「もし、多くの仲間と手を組むことになれば、クランを組むことをオススメします」
クラン、ねぇ。
……俺は学会では変わり者扱いされていた。それだからなのか、何なのか、他にも学会から爪弾きにされていた異端の科学者達とは非常に気が合った。
……この世界でも、変わり者の友達を作れるだろうか?
「考えときますわ」
こっちも見てくれてる人いるとかびっくり。頑張ろう。