ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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70話 魔王討伐

まるで、映画に出てくるような洋風のお城。

 

そして現れる邪悪なモンスター達。

 

それらを全て、苦戦しつつも退け、私達は魔王の前に立った!

 

「貴方が、魔王……!!!」

 

身長は2m50cm程。肌はメラニン色素の黒さとは違う、不自然な人外の黒。

 

赤い毛が生えた獣の脚。赤い鱗のある龍の腕。

 

身体を覆えるほどに大きな龍の羽付きの腕が、腰から伸びている。

 

そして、2m程の悪魔と龍の合いの子のような尻尾の先端には、毒が滴る棘が何本も生えている。

 

黒い髪はかなり長く、眼球は黒、瞳は赤。発達した犬歯と、尖った耳。

 

捻れた角が天を衝くように聳え立つ。

 

異形。

 

そして最強。

 

魔王……。

 

絶望そのもの。

 

「待っていたぞ、勇者とやら」

 

「私は、貴方を倒す!!!」

 

………………

 

…………

 

……

 

あと一歩のところまで魔王を追い詰めて、最後に、私は。

 

「終わりよ!魔王!!!」

 

「ぐ、ぐあああああ!!!」

 

とどめを、刺した。

 

魔王は、光になって消滅した。

 

「……やった」

 

小さく、イザベルが言った。

 

「勝っ、た」

 

「やった!やったんだ!アタシ達は魔王を倒したんだ!」

 

「勝利」

 

「勝て、ましたか……!」

 

四人で歓声を上げる。

 

勝利の余韻を噛みしめる。

 

やった、私はやったんだ!

 

悪逆非道の魔王を倒して、世界に平和が訪れるんだ!

 

歓声を浴びながら凱旋して……、あとはどうしよう?

 

 

 

歓、声?

 

 

 

あ、れ?

 

 

 

なんで、ここで、歓声が聞こえるんだろう。

 

「イザベル、シンシア、カリーナ!!!」

 

「分かってる……!」

 

「これ、は……?」

 

「歓声と拍手……、が聞こえますね」

 

そして……。

 

死んだはずの魔王の声が、何かを叫んだ。

 

『レディースアンドジェントルメン!!!諸君らの魔王プレゼンツ、勇者の冒険は楽しんでもらえたかな?』

 

『『『『おおおおお!!!!』』』』

 

『それでは、勇者達の幻術を解くぞ!カウントダウン!』

 

『『『『3!!!』』』』

 

『『『『2!!!』』』』

 

『『『『1!!!』』』』

 

『『『『0!!!!』』』』

 

その時、私の目は、あり得ないものを映し出した。

 

超巨大なコロッセオのような建物の中……。

 

野球場のように、人々が観客席からこちらを見ていて。

 

魔王が、最初と変わらない姿で、そこに立っていた。

 

「どう、言う、こと……?」

 

『哀れなピエロに真実を伝えよう!そして民よ!今回の道化芝居(ファルス)はどうだった?!』

 

『『『『最高ー!!!!』』』』

 

「ま、おう……?な、んで、死んだ、はずじゃ」

 

「いやァ……、良いファルスだった」

 

「な、なんなの、これ?何なの?!!」

 

「見てたぜ、勇者とやら。今回のゲームは楽しんでもらえたかね?」

 

「ゲーム……?ゲームって何?!私達は!!」

 

「ここでカーテンコールだ。キャストの紹介をしよう」

 

火花が飛ぶ、花火と共に現れたのは。

 

「あ……!フェッソ伯爵!パック君!」

 

「演者の二人に拍手を!!!」

 

『『『『わーーー!!!!』』』』

 

「何、それ」

 

演者……?

 

ねえ。

 

それ。

 

じゃあ。

 

それ。

 

私、は。

 

「自分を神に選ばれた勇者だと思い込んだ間抜けの冒険譚……、主演女優達の夜のオナニーシーン付きで全国の劇場で公開しよう!!!」

 

あ、あ……。

 

「ナァ、勇者カリン。冒険の感想を聞かせてくれ。最初から俺に選ばれて、俺の掌の上で踊って、最後にネタバラシされて……、どんな気持ちだ?ナァ、聞かせてくれよ?クハハハハハハハハハ!!!!!」

 

「嫌、嫌、いやああああああああ!!!!!」

 

まさか、そんな。

 

そんな、はずが。

 

「なあ、その剣。インドキロスだ。インドキロス、意味を知ってるか?」

 

『マスター、知っていますか?インドキロスの意味ですよ』

 

インドキロスが話しかけてくる。

 

ま、さか、嘘、嘘だ。

 

『インドキロス……、日本語に直訳して』

 

「やめて、やめてよインドキロス」

 

 

 

『モルモット、です』

 

 

 

モルモット……?

 

『グランドマスター、ジン魔王陛下にとって、今回の試みは初めてのことでした。頭の軽そうな馬鹿女を、家畜である人間共に召喚させ、適当に力をつけさせて冒険させる、国をかけて行うエンターテイメントですから。その、誉れ高き第一弾の、モルモットになれるというのは非常に光栄なことなのですよ、マイマスター、カリン』

 

それじゃあ、私は。

 

「私は、勇者じゃなくて、モルモット、なの……?」

 

「その通り!お前は単なる実験動物!用事が済んだから、サヨナラの時間だ!」

 

「あ、あ、あ……、あああああああ!!!!」

 

死ね!死ね!死んじゃえ!!!

 

「暴れるなよ、虫けら」

 

暴れる私の身体に重力がかかって、私は強制的に跪かされた。

 

「お前はそこで、仲間達が化け物に変わるところでも見てろ」

 

「な、にを?」

 

魔王は、アイテムボックスから何かを取り出す。

 

「ジャーン、ってか?こいつは『魔化結晶』……、これを体内に取り入れたものは、天使になれるんだよ。人間国家にはもっと大層な名前で流す予定だ」

 

「天、使……?」

 

「そう!神の使い、天使にな。まあ……、仕える神は俺だがな!!!ゲギャハハハハハハハ!!!!」

 

そんな……!!!

 

「み、んな!逃げ、て!!!」

 

「残念、時間切れだ」

 

イザベル、シンシア、カリーナに、魔化結晶が押し込まれる。

 

すると、純白の羽が背中から生えて……。

 

「「「魔王陛下、御身の前に」」」

 

「あ、あぁ……!!何で、そんな、みんな……!!!」

 

「さあ、お前にもプレゼントだ。喜べ、俺のためなら命を投げ出す忠実な駒になれるんだからな」

 

「や、やだ、やめて、おねがい……!やだーーー!!!やめろーーー!!!!いやぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

 

あ。

 

 

 

消える。

 

 

 

私が私じゃなくなる。

 

 

 

助け、て……。

 

 

 

×××××××××××××××

 

「いやあ、どうだった、サタナエル」

 

「面白かったよ。特に天使という発想が良いね。人間国家のお伽話で語られる天使を人工的に作り出すという考えが良いね」

 

「ああ、人間はアホだからな、天使を見たらなんでも言うこと聞くだろうぜ」

 

「確かに、アース教の教えでは、天使は尊いものだからね。これで更に人間を操りやすくなったね」

 

さて……。

 

 

 

「はーい!ハッピーラッキーこんにちわー!生まれ変わった元カリン、現大天使ミカエルちゃんでーっす!」

 

「元イザベル、大天使ウリエル、御身の前に!」

 

「ん、元シンシア、大天使ラファエル、ここに」

 

「元カリーナ、大天使ガブリエル、ここに」

 

魔剣の勇者パーティをアークエンジェル族に転生させた訳だが。

 

「これ、何に使うんだい?」

 

と、サタナエルが聞いてくる。

 

「取り敢えず、身体の味見はさせてもらった。全員生娘で使い心地は良かったな」

 

「それで?」

 

「聖戦、なんてのはどうだ?」

 

「聖戦?」

 

「人間国家に突如として攻めてきた恐ろしい人外達。追い詰められ、もう駄目だと思ったところで、大天使に転生した勇者パーティが颯爽と現れ……、悪い人外を退治する」

 

サタナエルは微笑んだ。

 

「それは……、面白そうだね」

 

「さて、それと、最後にアルフリート王にネタバラシをせねばなるまい……」

 

「はいはーい!魔王様!ミカエルからの提案でーす!」

 

「……何だ?」

 

「これを機に、スキルと魔術を流行らせませんか?」

 

ふむ。

 

「魔王様達がばーっと人間を殺しまくったところで、私達が颯爽と現れて、アース様の力?加護?を分けるとかなんだとか言って、適当な人間にスキルと魔術をダウンロードするんですよ」

 

「成る程……。それで、見事に魔王を撃退した天使は天に還り……、『ステータス』という差別意識と、魔法の劣化版である魔術、意味のないスキルが残る、か」

 

よし。

 

「会議の後に人間国家に侵攻する」

 




今は召喚勇者阿含くん読んでるけどこれ良いなー、テンプレで。

今まで読んだやる夫スレで一番良かったのはトラクエ8ですかね。

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