またもや会議だ。
各国の指導者、大天使もついでに呼んで、会議をする。おっと、シェオルのサタナエルは仕事で来れないそうだ。
またもや、マリーがパワポで作成した資料でプレゼンする。
「今回発見した世界は、この世界に近いが、細々とした点が違う。文明レベルは丁度、この世界の人間国家並」
ふむ……。
「世界ってそんなに色々あるもんなのか?俺には想像もつかねーけどよ」
グラースが言った。
確かに、基本的に脳足りんのグラースからすればそうだろうな。
並行世界の概念はそうそう考えつかないだろう。
「今回の発見はたまたまだった。しかし、他にも異なる世界がある可能性はなきにしもあらず。要研究」
マリーは、パワポに指示棒で説明をする。
「この世界を『基準世界』、ご主人様の出身地である世界を『地球』とすれば、今回発見したこの世界は、地球の近い位置にある世界。便宜上『異世界アルファ』と呼ぶ」
ふむ。
「異世界アルファは、人間、獣人、龍人などがいる、人口十億以下の小さな世界。国々も小さな国が点在している形になっている。使われている言語は人間語そのもの」
それで?
「文明レベルは基準世界の人間国家並、地球で言えば中世ほど。大陸の形はこんな感じ」
大きな大陸三つと小さな島がちらほら……。
「狭いな」
「全体的に狭い惑星。破壊する?」
確かに、『直結器』を使えば、惑星の破壊くらい容易いが……。
そう思って俺は懐の直結器……、『ディギトゥス・カーヌス』に手をやる。
「いや……、侵略する」
植民地にでもしよう。
多次元国家連合『灰の指先』の輪を広げなきゃあなあ?クハハ。
「侵略……?」
「おう。目標がある」
俺は立ち上がって、言った。
「もしも他にも世界があって、この宇宙の果てに知的生命体が存在するのであれば……、俺は侵略する」
「……やはり、殺していないと心が落ち着かない?」
「ああ……、殺して奪って犯さねえと落ち着かねえんだよ」
誰かの悲鳴と銃声が子守唄で、骨の白と血の赤が故郷だ。
殺戮をしていない自分と言うのは考えられない。
「では、侵略の方向で。一人で行く?」
「今回は俺一人でやらせてもらう。暫く、こっちの世界を空けるぞ。時々は帰ってくるが、仕事は任せる。できるか?」
「ん、問題ない」
有能な部下がいて嬉しいねェ。
「問題が起きれば、直接迎えに来い。良いな」
「了解」
さて……。
出発前に色々と確認だ。
まあ、最悪、『武器庫』と『直結器』さえあれば、世界が丸々一つ敵になっても余裕だ。
『武器庫』は俺のスキルと言うよりは権能と言うか……、もっと上の階層の、魂に染み付いた技能だからな。どこでも使えるだろう。
『直結器』は……、これがないと魔導の制御が難しくなる。
異世界アルファにも魔術が存在していることが判明しているからな。
そもそも、魔法が使えない世界なんて存在しないんだがな。
魔法……、魔力ってのは、どんな世界にも存在するんだよ。
もちろん、地球にも存在している。
ただ、地球では、魔法を使える奴が滅んでるのか、そもそも俺が知らねえだけなのか……、兎も角、地球に魔法が使える奴は居ねえみてえだな。
だが、魔法という概念があるってことは、魔法を使える奴がかつていたのかもしれねぇな。知らねえけどよ。
そもそも、魔法ってのは使いこなすのに地味な訓練が必要だ。生活魔法レベルならまだしも、実戦レベルの魔法使いとなると、結構な訓練が必要だ。
魔力の量も、人間は少ないしな。
人間がある程度使える魔法使いになるってんなら……、数十人に一人の割合で魔力がそれなりにある奴がいて、そいつが師匠やらを見つけて数年修行して、初めて火の玉一つ出せるようになる程度だ。
それでも、「ファイアボール」を十発も撃てばガス欠だがな。
まあ、何事にも例外はあって、マリーや俺のような天才もいる。
簡単に魔力操作の感覚を掴んで、術式も簡単に理解して、魔力も多くて……。そんな奴も、ごく稀にいる。
だがまあ、そんな奴は本当に、百年に一人くらいのもんだ。
また、統計データによると、知能の高さと魔法の上手さは比例するというデータもある。
つまり……、どこの世界でも魔法は使えるってことだ。
魔導なら尚更だ。
魔導は魔法の上位互換だからな。
しかし、魔導はな……。
使える奴が殆どいない上に、適性によって色々と変わってくるからな。
俺の適性は、闇、光、混沌、時の四種だ。
魔導で何が出来るかって言うと……、大体何でも出来るからな。
例えば、時魔導なら、時間を止めたり、巻き戻したり、進めたりすることが可能だ。
つまり、まあ、大体何でも出来てしまうんだよ。
規模も大きく……、混沌魔導の最大出力なら、星数個を吹っ飛ばせるな。
魔導に慣れればもっと威力と範囲は伸びそうだ。
魔導は、想像をそのまま現実にするくらいのことは平気で出来る。
この『直結器』があれば、その魔導を完全に制御出来る……。
今の俺なら、SF戦艦とも対等に戦える訳だ。
さて、じゃあ行くか。
ミカエルに渡された、異世界転移時の手引書も読んだ(意味不明だった)しな。
行くぞ。
うーん……、異世界モノやっぱり書いてて楽しいわ。