ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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やる夫スレ面白くてハマってる。


74話 コテージ

ジープを出す。

 

「まさか……、アイテムボックス?!」

 

護衛の女……、先程イネスと名乗った。そいつが声を上げる。

 

「剣術も使えて、光の魔術と、アイテムボックスの魔術を使いこなし、文字も読めて……、って、まるでおとぎ話の英雄じゃないですか!!」

 

そうか。

 

英雄……、戦争で名を上げるのも悪くないかもしれんな。

 

武力で国を制圧するのはいつでもできるからな……、独立されても面倒だから、上手い具合に民衆の支持を集めて支配して……。

 

うむ……、ミカエルの案も強ち間違ってはいないのか?

 

まあ良い、行くか。

 

 

 

「ジン様はどこからいらっしゃったのですか?」

 

「遠くからだ」

 

「お仕事は何を?」

 

「傭兵を少し」

 

「魔術はどこで習ったのですか?」

 

「マリーと言う師がいる」

 

しつこく話しかけてくるエマをあしらいながら、車で移動。

 

「な、なんだこれは?!速すぎる!」

 

イネスが驚いているが……。

 

まあ、悪路であることもあって、時速3、40km程度しか出せないが、それでも馬車の5、6倍は速いだろう。

 

「今日はここで休む」

 

日が落ちてきたので、ここいらで野営。

 

と言っても……。

 

武器庫からコテージを出す。

 

「は?はああああ?!!アイテムボックスに家一つ入れてる?!!あ、あり得ない、そんな容量……?!」

 

キャンプをする必要はないのだが。

 

 

 

「そ、その、それで食事ですが……」

 

イネスが控えめに要求してきた。

 

まあ、あからさまに寄越せと言うなら潰すが、頭を下げると言うならくれてやっても良いだろう。

 

最近の俺は丸くなったし、機嫌もとても良い。

 

まあ、歳もとったからな、最近は血を見るのも毎日じゃなくても我慢できるし。

 

……と言っても、軽く料理するだけだが。

 

肉と野菜のグリルとポタージュスープ、パンで良いだろう。デザートにアイスクリームでも出すか。

 

アイテムストレージから適当な肉と野菜を出して鉄網でグリルしていく。

 

ソースとポタージュも別で作る。

 

「まさか、料理もできるのですか?」

 

「それなりにはな」

 

「……超人では?」

 

30分くらいでできたので、食わせる。

 

因みに、料理の手順はイネスが隣で見ていたし、料理を食べたのもイネスが先だ。毒味ってことだろうな。

 

「このスープ……!美味しいですね!なんのスープですか?」

 

「とうもろこし」

 

「?」

 

この世界にはないのか?

 

「このお肉も美味しいですね!なんのお肉なんですか?」

 

「ワイバーン」

 

「「ワイバーン?!!!」」

 

何だ?

 

「ワ、ワイバーンを仕留めたのですか?!!」

 

「おかしいか?」

 

「火を吹いて空を飛び、尾に毒がある龍、あのワイバーンを?」

 

「そうだ」

 

「まさか、お一人で?」

 

「ワイバーン如きに人数はいらないだろう。少し斬れば死ぬしな」

 

実際、人外国家では、ワイバーンの品種改良と家畜化が進んでいる。

 

「そ、そんなまさか……!ワイバーンを一人で倒すなんて、それこそ親衛隊の隊長でもできるかどうか……」

 

ふむ……、この世界の戦力は大したことないのだろうか?

 

油断し過ぎは良くないが……。

 

「この国の最大戦力はワイバーンすら倒せないのか?」

 

「それは……、分かりませんけど、現在の親衛隊隊長はとてもお強いのだとか」

 

「そうか」

 

「しかし、それでも、一人でワイバーンを倒すだなんて英雄ですよ!ドラゴンスレイヤーです!」

 

「そうか」

 

何かとイネスに持ち上げられる。

 

「まあ、ドラゴンスレイヤー!おとぎ話の英雄様みたいですね!」

 

エマも喜んでいる。

 

「……それより、この食器の品質なんですが」

 

イネスが尋ねてくる。

 

「あ"ぁ?安物だって言いてえのか?」

 

確かに武器庫から適当に出したもんだが。貴族はこれだからな……。殺すか?

 

「いえっ、そんな!むしろ、こんな素晴らしい食器、見たことがありませんよ!その、もしや、ジン様はひょっとして、王族だとか……?」

 

んー?

 

あー。

 

「遠い国でそれなりの立場の人間だったが、今は……」

 

適当なこと言って誤魔化すか。

 

あとで有名になってから別の国の王族でしたとか言えば良いだろ。

 

「……成る程、分かりました、詳しくは尋ねません」

 

その辺に突っ込んでこないのは賢明だなァ?

 

「ああ、それとデザートだ」

 

「こっ……、これは……!!こんな精度の硝子……!!」

 

良くある、15ドル程のデザートカップだが。

 

そこに丸いアイスとクリームとチョコ。

 

「因みにこれは何ですか?」

 

「アイスクリームだが」

 

「あいすくりーむ?」

 

この世界にはない、か?

 

「卵黄と牛乳、生クリーム、砂糖と香料などを混ぜ合わせ凍らせたものだ」

 

「凍らせる?!と言うことは、水属性?!二重属性ですか?!ただでさえ稀少な光属性の使い手なのに?!」

 

は?

 

「属性で言えば得意なのは光と闇、次点で時空魔法と回復魔法だな。それ以外の属性魔法はそれなりだ。付与魔法は普通」

 

「は?」

 

は?じゃねえよ。

 

「え……?まさか、その、使えない属性とか」

 

「ねえよそんなもん」

 

「……賢者?」

 

「何がだ?」

 

「ジン様は、賢者なのですか?」

 

「さあな、自分のことを賢者だと思っている奴は大抵アホだからな」

 

「そ、そうではなく、全属性の魔術を扱えるのですか?」

 

「できるが」

 

「………………そう、ですか」

 

「おかしいのか?」

 

「……魔術師になれるほど魔力を持つ者は五人に一人です。その中でも、火、水、土、風の四属性が普通で、光や闇なら百人に一人。二重属性なら千人に一人くらいです。しかし!全属性を扱える者は賢者と呼ばれ……、賢者は、百年に一人の逸材なのです」

 

成る程な。

 

そもそも魔術なんてもんを使っている時点で駄目なんだがな。

 

「そ、それで、これは……、氷のお菓子ですか」

 

「ああ」

 

イネスが一口。

 

「……美味しいです」

 

そうか。まあ、手作りだからな。

 

エマも一口食べる。

 

「本当、美味しいですね!」

 

俺が作ったからな。

 

今でも、暇な時に料理をしたりする。

 

「これは……、宮廷にもない料理かと……」

 

「そうねえ、宮廷にはパーティで何度か行ったけれど、こんなに美味しいお菓子はなかったわ」

 

そうか。

 

 

 

そして、食後に。

 

「歯を磨いてシャワー浴びて寝ろ」

 

歯ブラシを渡す。

 

「これは……、これで歯を磨くのですか、成る程」

 

そして、シャワー室に連れて行く。

 

「まあ、温かな水で沐浴ができるのですね!」

 

「も、森の中で沐浴とは……!なんと贅沢な!」

 

俺もシャワーを浴びる。

 

ああ、俺は基本的に、毎日シャワーを浴びる習慣がある。

 

戦場ではシャワーを浴びられないからな……。衛生環境は大事だ。傷口から細菌が入って死んだ下僕……、いや、戦友達が何人いたことやら。

 

「ジン様っ!これっ!凄いですっ!髪がさらさらになりましたよ!さらさら!」

 

「ああ、お嬢様いけません……!」

 

シャンプーに喜ぶエマ。

 

その後に、コテージの一室にぶち込む。

 

「わ……!ふかふかですね!」

 

「ああお嬢様、はしたないですよ!」

 

ベッドを出して、そこに寝せる。

 

 

 

うむ、まあ、銃の勇者としての冒険の時、他の人外女に連れ回される時……、そう言った時の経験が俺を強くしてくれた。

 

昔の、若き日の俺なら、こんな女即座に犯して殺していたが、今では微笑ましさすら感じる。いや、犯して殺したいが。

 

思いのほか、ストレスが溜まらないのだ。

 

やはり、適度なストレス発散が効いているのだろうか?

 

「朝だ、起きろ」

 

「「おはようございます!」」

 

「飯だ、食え」

 

「「いただきます!」」

 

まあ、少年兵の教育とかもやったことはあるしな、他人の面倒がみれない訳じゃねえしな。

 

こいつらも若々しい少年兵だと思えば可愛らしいものじゃねえか。

 

「「ごちそうさまでした!」」

 

「歯を磨いたら移動する」

 

「「はい!」」

 

幸い、聞き分けもいいしな。

 

顔も悪くねえしよ。

 

ああ、そうだな、悪くねえよ。

 




月極駐車場の御曹司がシスの暗黒卿としてスリザリンでデススター作る話面白かったです。

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