ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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肉喰いてえや。

明日はステーキ肉買いに行こう。


76話 召使い

ルーソン領のバザーには、金さえ積めば何でも売ってくれる男がいると言う噂が流れつつある。

 

今日一日で大分噂は広まったな。

 

まあ、大分色々と売ったことだし、珍しい噂は広まるのも早いんだろう。

 

何せ、ネットワークなどろくにないし、新聞や雑誌だってない。精々、瓦版のようなお触れが出るだけ。

 

噂が全ての世界だ。

 

悪い噂は千里を走るそうだが、面白い噂はどれくらい走るのかね?

 

 

 

さて、宿はどうするか。

 

聞いた話では大体、一泊で銀貨1枚。それが基準だそうだ。とすると、普通の宿で良いだろう。正直、場所さえあればどこでも良い。

 

流石に、街中にコテージを出したら、土地代だ何だと言われそうだからな。

 

文句を言った奴の首を刎ねても良いが……、できるだけ穏便に支配して、植民地化をスムーズに進めたい。

 

武力を背景にした支配が上手くいくのは人外だけだ。

 

人外は人間とは違う価値観を持っているから、強さや賢さ、魔力であったり、血筋であったり、重視するものはそれぞれの種族によって違う。

 

そもそも、人外の国家を支配するときも、俺は穏便にやったからな。

 

人外達は皆、俺の支配下に喜んで入った。

 

俺はしっかりと、人外共が求めるものを提供し、結果として支配したのだ。

 

邪魔な人間国家は、独立とかされたら面倒なので、滅ぼした。

 

結局、円滑な支配のためには、相手を納得させるか滅ぼすかしかないのだろうな。

 

「いらっしゃあい〜」

 

「一人だ。取り敢えず一週間」

 

「銀貨7枚になります〜」

 

「ほらよ」

 

「……はい、確かに〜」

 

気の抜けた炭酸飲料のような、安物のトウモロコシのような、へなっとした女に案内されて、そこそこの宿に泊まる。

 

「食事はいらない」

 

「分かりました〜」

 

部屋は、そこそこに小綺麗な、普通の広さの部屋だ。

 

この普通、と言うのは、ヨーロッパの安宿並という意味だが。

 

最低限の清潔さと、屋根と壁。安物のベッドとシーツ、それとちょっとした机と椅子があるだけの、6メートル四方程度の部屋だ。

 

まあ、こんなものだろう。

 

「お兄さん、お名前は〜?」

 

「ジンだ」

 

「ジンさんかあ。私、ソフィア。よろしく〜」

 

「そうか」

 

「……ジンさんって、愛想悪いとか言われない?」

 

「俺に向かってそんなことを言う奴はみんな二度と喋れなくなったな」

 

「ひえ〜!怖いんだあ……。私、大人しくするからぶたないでねえ。でも、強い人はカッコいいよお」

 

「そうか」

 

「それに……、ジンさん、今日はとっても稼いだんだよね?」

 

「ふむ、知っているのか?」

 

「うん、さっき、バザーで黒い大剣の色男が、金さえ積めば何でも売ってくれるって聞いたよお」

 

「そうか、欲しいものでもあるのか?」

 

「んー、お金!」

 

「対価に何をくれるんだ?」

 

「じゃー、一晩お相手する、とかは?」

 

「……ふむ、良いだろう」

 

やる気のなさそうな、眠そうな顔をしているし、茶色の髪は少し荒れているが、顔の作りは悪くないし、しっかり働いているからか、身体も引き締まっている。

 

胸はそれほど無いが、若さ故に張りがあり、尻も引き締まって締まりが良さそうだ。

 

一晩相手してやるか。

 

………………

 

…………

 

……

 

次の日の朝。

 

「はひぃ……、お兄さん、凄かったあ……❤︎」

 

「そうか」

 

「乱暴されちゃったなあ」

 

「ほらよ」

 

銀貨を10枚握らせる。

 

「こ、こんなにくれるの?」

 

「構わねえよ」

 

「わあい、太っ腹なお兄さん大好き!ねえねえ、お兄さん、今後もたくさん稼ぐなら、私、お兄さんの愛人になるよ!」

 

愛人ねえ……。

 

まあ、小間使いは欲しいな。

 

魔化結晶もあるから、天使にしちまえば連れて帰れるし。

 

「文字も読めるし計算もできるよ、それに、自分で言うのもなんだけど私、結構可愛いよ?ねっ、良いでしょ?」

 

「小間使いにならしてやるよ」

 

「小間使い?メイドさん?おー、お屋敷を買ってメイドさんになるのかー、良いねえー!」

 

「まあ、好きにしろ」

 

「はい、ご主人様!」

 

「……飯にする」

 

「朝ご飯、いる?」

 

「要らない、自分で作る」

 

「はあい」

 

宿の一階は飯屋になっている。そこで食事をする。

 

人も疎らだ。

 

テーブルをどかして、キッチンを出す。

 

店主のオヤジは、ギョッとした顔をしているが、ひと睨みすればビビって何も言わなくなった。

 

そして適当にパンを焼いて、ソーセージやベーコン、卵を焼いて、炒めた豆やグリルした人参とトマトにレタスを添える。

 

ああ、因みに、俺が何気なく使っているシャワー室やコンロなどは、ジパングで作られた最新の魔道具だ。

 

滞空魔力であるマナを周囲から集めて稼働する家電製品で、とても出来が良い。

 

人外国家では「メイドインジパング」と呼ばれるそれらの製品は、多機能高性能小型軽量で壊れにくいと評判だ。デザインはアルカディアの物の方が良いんだが。

 

まだ開発されていない電子レンジなどは、『武器庫』から出せる電化製品に、マナ吸収式電流発生装置を繋げて動かしている。

 

今使っているこのトースターはアルカディア製だな。

 

さて、パンが焼けたから、バターを塗って食べる。

 

「じー」

 

こちらを見ているソフィア。

 

「……どうした」

 

「私も食べたいなーって」

 

……まあ、良いだろう。

 

小間使いであっても正当な報酬や衣食住の保証は必要だ。

 

飯くらいくれてやる。

 

「自分で作れ、やり方は見てただろ」

 

「うん!」

 

和やかに食事をした後は、シャワーを浴びる。

 

「じー」

 

またソフィアだ。

 

「……今度は何だ?」

 

「何してるの?」

 

「シャワーを浴びる」

 

「シャワー?」

 

「お前も入れ。愛液の匂い撒き散らしてんじゃねえよ」

 

「えー、それはご主人様が乱暴するからー」

 

シャワー室に放り込む。

 

適当に洗ってやる。

 

「さっぱりしたあ!」

 

「そうかよ。俺はバザーに行く」

 

「私も行くね」

 

「は?お前、仕事は?」

 

「やめたよ?ご主人様についていくから」

 

………………。

 

こいつは、思い切りがいいと言えば聞こえがいいが、考えなしだな。

 

いや、まあ、この世界では仕事なんて探せばいくらでもある。

 

俺についてきても、駄目そうなら他所に行けば良いとでも思っているんだろうな。

 

「なら、ついてこい」

 

「はあい」

 

にへら、と笑ってついてくるソフィア。

 

なら、普通に商売するか。

 

 

 

ソフィアにはズボンとブーツ、シャツと上着を着せておいた。冒険者らしい格好だ。実際に人外国家の女冒険者が着る服を渡したからな。服はブラックエイプの革製で、軽いエンチャントがかかっている。

 

「……これ、随分と高そうだけど、良いの?」

 

「服くらいいくらでもくれてやる、安物だ」

 

「でもこれ、モンスターの革のコートだよねえ、高くない?」

 

「俺の国では安物だった」

 

「ほえー、凄いんだねえ」

 

「それとこれだ」

 

ウルフバートのショートソードを渡す。鋭化と不壊などの最低限のエンチャントがかかっている。

 

「……あのー、私、戦ったりとかはー」

 

「最低限、自分の身は自分で守れ」

 

「はあい、分かりましたあ」

 

後で剣の振り方くらいは教えてやるか。

 

さて……、今日も何でも屋をやるか。

 




ステーキ肉ってあんまり高いと脂っこくて逆に嫌なんですよね。

千円ちょいくらいのオージービーフとかがいい。
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