ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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最近マジで忙しいんで書き溜めが……。

思いつき集の更新頻度下がるかも。


78話 移動にあたって

移動するにあたって、考えてみるか。

 

名声と金を集めて民心を集め……、スムーズにこの世界を支配したい。それが今回の目標。期限は何十年もかけて良いとする。

 

幸いにも、王家の連中の治政は良いものとは言い難いらしい。

 

ならば、王家の連中より民心を集められれば、国家転覆は可能だ。もちろん、貴族は皆殺しにする。

 

使えそうなのがいれば、魔化結晶で天使にすれば良いしな。

 

となると、王都へ移動するか?

 

首都で名声を得れば、俺の噂はより広まりやすくなるだろう。

 

まあ、王都はそれなりに遠いらしいし、他の国もある。

 

ここ、バーミリオン王国の他にも、獣人やエルフ、ドワーフが住むと言うブロンド共和国と、人間至高主義のビリジアン帝国などもある。

 

ふむ……、王都はまだ早いな。急ぐ旅でもないし、寿命の制限なんてものもない。のんびりで良い。

 

暫くはこの辺りを見て回るか。

 

今回は仕事というより休暇だからな、適当でいいだろう。

 

 

 

「シィッ!ハアッ!」

 

「ふむ……」

 

息もつかせぬ連撃……、と言いたいところだが、基礎はそれなり、粗有り。そんなソフィアの木刀を弾く。

 

「こんなものか。才能はそこそこだな。まあ、そこいらの衛兵相手ならまず負けないだろう」

 

「ふわ〜、お稽古つけてくれてありがとねえ」

 

ソフィア……、この世界で手に入れた小間使いだ。

 

時間があるので、剣の稽古をしてやった。

 

まあそれなりには才能があり、一月くらい訓練させてやると、この世界の並の衛兵以上の実力を身につけられたようだ。

 

S〜Eまである冒険者ランクで言えばギリギリCに届くか届かないかと言ったところ。

 

ステータスでのレベルは3程度。

 

まあ、冒険者やら衛兵やらにはなれるだろう。

 

元々、それなりの才能と運動能力、体力があったようだからな。

 

それと並行して、適当な魔術も教えた。風属性の適性があったようだ。

 

この世界は基準世界の人間国家のように、レベルとステータスに縛られ、スキルと魔術を使う世界だ。

 

「でも疲れちゃったよお」

 

「シャワー浴びてこい」

 

「うん」

 

俺は殆ど汗を流さないので、シャワーは一日一回で良いだろう。

 

 

 

「上がったよお〜。ふへー、たくさん運動した後のシャワーは気持ちいーねー」

 

「そうか」

 

「ところで、どこに向かってるの?今朝にルーソン領を出て、東に向かって馬のいない馬車で走って、お昼に草原の真ん中で私の訓練をして……、終わったからコテージで一休み。……どうするの?」

 

「知らん。適当に移動しているだけだ」

 

「てきとーに」

 

「今回はバカンス……、ああ、休暇でこちらに来ている」

 

「あ、そうだ、結局、ご主人様ってどこから来たの?やっぱり王族?お忍び?」

 

「俺はとある大国の王だ」

 

「わー!王様なんだあ!やっぱり!凄い!どんな国?どこの国?」

 

「人外の国だ。この国の数十倍は豊かで民も多く仕事もあるし、飯だって美味いぞ。お前が優秀であれば、俺の国に連れ帰ってやる」

 

「ほんとお?!じゃあ私頑張るよお!」

 

「結果さえ出せば何も言わねえよ」

 

俺は煙草に火をつける。

 

「因みに、こっちには何があるんだ?」

 

尋ねてみる。

 

「え?うーん、東には港町があるんだって聞いたことあるよお」

 

港町か……。

 

確か、こちらはライアン領……、だったか。

 

ルーソン領での話を聞いた限りでは、ライアン領の伯爵は、陰険な貴族社会の中でも概ね真人間だとか。

 

まあ、噂など、信憑性はないがな。

 

しかし、あまり悪い評判は聞かなかったな。まあ、マシな方……、と仮定して良いのだろうか。

 

恐らくは、港町故に、それなりに儲かっているのだろう。人間、金に余裕があると大らかになるものだ。

 

「ご主人様〜、お酒飲んで寝よ〜」

 

コテージの冷蔵庫からビールを取り出し、スナック菓子を持ってくるソフィア。

 

「飲み過ぎるなよ」

 

「はあい」

 

その後は、二人で飲んで寝た。

 

 

 

次の日の朝。

 

折角小間使いがいることだし、食材を『武器庫』から用意して、調理はソフィアにやらせる。

 

「お料理?」

 

「トーストを焼いて卵とソーセージを焼いて、レタスをちぎって洗って、トマトを切って……。それだけだ、できるだろう」

 

「うん、できるよお」

 

「やれ」

 

「はあい」

 

まあ、元は宿屋の店員な訳で。

 

簡単な料理と掃除に洗濯は得意だそうだ。

 

ふむ……、そういう奴は一定数必要だな。

 

殺し合いってのは、銃を撃てるやつがいれば成り立つってもんじゃねえ。様々な兵科……、補給関係も充実させてこそ、本格的な戦争ができるんだ。

 

補給線やら、そう言った部分を疎かにすると、士気も下がるし戦えねえ。

 

家事ができるってのは中々に使える奴だってことだな。

 

「はあい、できたよ〜」

 

「おう」

 

「いただきまあす」

 

俺も食事に手をつける。

 

ふむ、まあ、ただ焼いただけだ、焦げてもいない。

 

素材が良いから味は良い。

 

半熟の目玉焼きを口に運びつつ、トーストにピーナッツバターを塗る。

 

「チョコチョコチョーコーいっぱいチョコー」

 

変な歌を口ずさむソフィアは、チョコクリームをパンにべっとりと塗る。

 

「ふあぁ、甘あい……」

 

満足しているようだ。

 

「この朝ごはんが食べられるだけで、もう、ご主人様についてきて正解だったよお〜!んー、美味し〜!」

 

俺は食事しながら、シェアストレージの魔法を使って、基準世界の人外国家の指導者達と共有している共有異次元から新聞を取り出して読んだ。

 

ふむ……、『偉大なる魔王陛下、異界へと旅立つ。数十年間のバカンスを兼ねた侵略活動の開始』か。

 

その後に、俺を賛美する言葉がこれでもかと書かれて、俺にバカンスを楽しんで英気を養って欲しいと言う言葉で締められている。

 

まあ、バカンスは推奨してあるからな。

 

今、人外国家では旅行がブームらしい。

 

蒸気船と航空機が作られ始め、転移魔法の使い手が増えた今、人外国家のブルジョワ達は長期休暇を取って平均して毎年二ヶ月程のバカンスを楽しんでいる。

 

特に観光地としてジパングが大人気で、響都などは多くのブルジョワ達が集まるそうだ。他にもアルカディアも相当な人気らしい。

 

響都は街も綺麗で飯も美味い。特に菓子類が美味いな。菓子屋の老舗『朧月夜』の菓子は世界でも屈指とされ、毎年、菓子の大会でアルカディアのパティシエ達と鎬を削っているらしいな。

 

映画スターなんかは年単位でのバカンスを過ごすので、基本的に旅行ばかりしているらしい。

 

人間に化ける魔法を覚えて、人間国家に行く旅人もいるらしいそうだ。例えば、エデンの学者などはフィールドワークとして人間国家の文化を調べに行くことも多いと聞いている。

 

「何読んでるの?」

 

「俺の国の新聞だ」

 

「新聞ってなあに?」

 

「国や世界の出来事や事件について書かれた、本ではない記事のことだ」

 

「へえー!なんて書いてあるの?」

 

「俺が旅行に行ったと書かれてある」

 

「そっかあ、王様だもんねえ」

 

「信じるのか?」

 

「ええ?ご主人様、つまらない嘘はつかない人だと思うよ?勘だけど」

 

ふむ、そうか。

 

こいつの勘とやらも悪くはないようだな。

 

 

 

それで……、今日は移動だな。

 




ベーシックインカムはよ。

正直税金抜けば家賃光熱費食費なら月10万もあれば十分だから。
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