ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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また新たな仲間が。


9話 古きエルフ

「図書館に行くぞ」

 

中世レベルなんで本は高級品。

 

一般的な娯楽本でも数千ゼニーはするらしい。

 

そんな中、王都の大図書館では、かなり多くの本があるとのこと。歴史や伝説、最新技術の論文すらここにあるらしい。

 

入場料は100ゼニー。

 

「私もついて行くぞ」

 

「僕も行くよ。一応、世間がどうなっているのか知りたいし」

 

ヴァイオレットとカインもついてきた。

 

「君ら字読めんの?」

 

「読めるぞ」

 

「読めるよ。古代文字も読める」

 

 

 

大図書館にて。

 

入場料を払い、中へ。

 

大学の図書館より多い、とんでもない量の蔵書が。

 

「すんません、歴史書ってあります?」

 

「はい、こちらへ」

 

司書さんに聞いて案内された方向へ行く。

 

お、あったあった。

 

分厚い、が、論文を書くとき、クソ分厚くてデカイ本からデータを引っ張り出して要約することは学者として必須の技術だ。

 

さて、流し読みーっと。

 

……成る程。

 

サングリア王国、成立から数百年、現在は王子一人とやたらと優秀な王女、可愛い子供の王女がいる。

 

数百年ほど前、異世界から勇者を召喚して魔王を討伐したことがある。

 

他の大国……、イーロン、クアドロス、サンクトス連合国との関係は良好。

 

ツヴァイク帝国とは半分敵対。まあこれはツヴァイク帝国が領土拡大を目論んでいること、亜人差別主義であることなどから敵対的なんだそうだ。まあだが、これはサングリア王国の歴史書。サングリア王国にとって良いことしか書いてないだろう。ツヴァイク帝国とやらが全面的に悪いとは限らないだろうよ。

 

その他にも細々とした小国……、ジパングなどとの国交も多少はあるそうだ。

 

そんで地図も見れた。

 

縮尺は分からんが、大陸の形は分かった。

 

どうやらサングリア王国は、ヨーロッパっぽい文化を持つらしい。それで位置関係はサングリアが西、ツヴァイクが北、イーロンが東、クアドロスが南、サンクトスが中央。それぞれが大陸で、海に面しているようだ。

 

他の国についても調べたところ、どうやら文化は東の方はアジアっぽくて西の方はヨーロッパ、北はロシアっぽくて南はアフリカっぽいな。地球と似ている。なんかそういう法則でもあるのかね?俺は人類学については知らないが。

 

サングリアはヨーロッパだとして、イーロンは中国、ツヴァイクはロシアやドイツ、クアドロスが中東っぽくてサンクトスが、うーん、アメリカ?って感じかなあ。

 

にしても、ツヴァイクには気をつけなきゃな。俺は最早人間から完全に逸脱してるし、連れもよく考えたら人外だ。排他主義の国には近づかない方がいいだろうね。

 

他、魔法理論も一応見ておくか。

 

ん?

 

「………………」

 

美形のエルフの男がこちらを見ている。

 

俺と同じくらい長い浅葱色の髪は、俺と違ってストレート。それをおでこが出るように後ろで纏めている。瞳は理知的な光を灯す空色で、鼻筋がすうっと通り、唇は薄い。身体は俺と同じくらいの体格……、つまりは研究者らしく無駄な筋肉はない。そんで、背丈も同じくらい。俺も結構背は高い方なんだがな。

 

しかし、ガン飛ばされちゃ困るな。

 

「何だよ」

 

「……研究者か?」

 

確かに、俺は白衣を着ているが。

 

「まあ、元はな。今は冒険者?ってか無職?そんな感じだ」

 

「ほう。ならば、これが何か分かるか?」

 

「あ?」

 

懐から真空管を取り出すエルフ。

 

何だ?何でファンタジー世界で真空管?

 

「ふん、分からないか……。所詮有象無象と同じ、ということか。これの素晴らしさが分からないとはな。軽蔑するよ」

 

お?何だ?やんのか?

 

「は?真空管だろ?」

 

「……!」

 

「生憎だけど俺の専攻って生命工学なんだよね。そりゃ工学もある程度は分かるけどさ。でも今時そんな古臭いもん使ってどうすんの?この世界でも弾道計算のためにコンピュータ作んの?」

 

「貴様、これが何だか分かるのか?」

 

「だから、真空管だろ?俺は集積回路の時代の子だから使ったことない、あっでも自分でアンプ作った時に使ったかも」

 

「これの価値が分かるか?」

 

「んー?今この世界ではあんまり意味ないんじゃない?でも、これを起点に発展させて集積回路まで作れたら技術的なブレイクスルー起こして超発展するんじゃねえかな。こっちの世界には地球にない素材とか山程あるし」

 

「そうか……」

 

するとエルフの男は、俺の手を握り、名乗った。

 

「サングリア王国国賓魔導師、風の真理到達者のモーントリヒトだ」

 

「月光か。洒落た名前だな」

 

「……ククク、なんと、古代語まで理解しているのか。この国の能無し研究者共とは大違いだ」

 

古代語……?え?ドイツ語って古代語なの?

 

 

 

モーントリヒトに詳しく話を聞く。

 

「リヒトでいい。聞いてくれ」

 

リヒトは東にある魔法の森、と言うところ出身のハイエルフらしい。

 

どうやらリヒトは、工学に興味があるそうだ。

 

魔導師としても超のつくほど一流で、火、水、土、風の四大元素の魔法を操り、その上で光と闇、複合属性である氷や雷、毒など、更に精霊魔法と錬金術まで使いこなすそうだ。

 

つまり、この世に存在する魔法の殆どを扱えるらしい。

 

その腕を買われて今はサングリアの学院で講師を務める傍で研究をしているとか。

 

「しかし、見込みがあるものなど全く、いや、一人くらいはいるが、殆どはクズだ。他の研究者の連中も私の研究をこれっぽっちも理解できていない」

 

中世レベルの文化の人々に工学を理解しろってのは酷だろ。

 

「学院もババアばかりだしな」

 

「は?ババア?学院だよな?」

 

「皆十五歳程だ。ババアじゃないか。食指が動かん。やはり女は七歳くらいが一番可愛い」

 

あっ、あっ、こいつ。

 

ロリコンじゃねえか。

 




なろう作品も探すと面白いのありますねぇ。
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