ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

212 / 1724
悪役主人公たのちい!!!!


82話 教育は大事

ポート・ロミールは、町長のハイスピード失脚で大混乱だ。

 

町長の不在により執務が滞り、役所はパンクし、不安になった住民達が暴動を起こした。

 

賑わっていた港町は嘘のように静まり返り、住民達は家の中に閉じこもった。

 

町の混乱により、町の機能が停止し、商人達は立ち去り、物流も止まった。

 

となると、今が商機というやつだなァ?

 

 

 

食料を中心にあらゆる物資を売り捌き、ポート・ロミールの住人達から金を吸い上げた。

 

そうして、一カ月程で、ポート・ロミールは干上がった。

 

金も物資も完全になくなった住民達は、暴徒と化して暴れ回り、殺し合い、ポート・ロミールは完全に破滅した。

 

そこら中から火の手が上がり、女子供までもが殺され、飢えた人間が人間の死体を喰らい始める。

 

「素晴らしい……!見ろ、ソフィア!また一つ、この世の地獄が生まれたぞ!」

 

俺は、地獄の最中で嗤う。

 

こんなに愉快なことが他にあるか?

 

「見ろ、トチ狂った男がテメエのガキを犯してやがる!愉快だ、これ以上なく愉快だ!クハハハハ!!!!」

 

「酷い……」

 

ソフィアが呟いた。

 

「……何が酷いんだ?」

 

「……町の人達は、何にも悪いことしてないよお?何で、こおんな酷いことするの……?」

 

ふん、笑わせるな。

 

「そもそも、俺が悪いのか?俺は契約通りに金をもらって、商人として町の住人に物資を売り捌いただけだ」

 

「で、でも、半分でも町長さんにお金を返したり、町の人達に無料で物を配ったりすれば、こんな酷いことにはならなかったんじゃないかなあ……?」

 

「馬鹿かテメェは。それに何の意味がある?お前は、他人にタダで何かを分けてやったことがあるのか?」

 

「それは……、ない、けどお」

 

「いいか?こいつらがこんなことになったのは、自分が無能だからだ!知恵も力も技能もない奴は、食い物にされる!」

 

「……うん」

 

俺は、ソフィアの腰からショートソードを抜いた。

 

そして、ソフィアに握らせる。

 

「……え?」

 

「練習をしようか」

 

「何の、話?」

 

「いやァ……、そこら中に死体が転がってんだ。一つくらい死体が増えても、誰も気付かねえよ」

 

俺は、虚ろな目をして座り込んでいる男を指差した。

 

「……そ、それって」

 

「殺せ」

 

俺は、ソフィアに命じた。

 

「良いか、殺人は慣れだ。俺のように才能がある殺人者は最初からできるが、お前のような凡人は、いざという時に殺せないことが多い」

 

「……や、やだ、やだよう、人殺しなんて、したくないよう」

 

「命令だ、命令なんだソフィア。お前の主人が殺せと命じた。なら、お前は殺さねばならない」

 

「だって、そんな、私、わたし」

 

ふむ。

 

俺は、ソフィアを後ろから抱きしめる。

 

「なあ、ソフィア。見てみろ、あの男。完全に心が壊れている。もう、死んでいるも同然だ」

 

「でも、でも」

 

「お前がここで殺さねば、あの男は、地獄のような飢えと渇きの中でゆっくりと死ぬだけだ。ならば、少しの痛みで終わらせてやることの方が慈悲深いんじゃないか?」

 

「………………」

 

俺は、ソフィアの手を上から握る。

 

「なァ、ソフィア。死は救済だ、救いだ。殺人は崇高な行為なんだ。さあ、救ってやれ、ソフィア……」

 

「……は、い」

 

男の胸にショートソードを向ける。

 

「刃は肋骨に引っかからないように横に寝かせろ、心臓の位置はこの辺りだ。勢い良くやると刃がブレる。ゆっくりと貫いてやれ」

 

「は、い……」

 

「ぁあっ」

 

短い断末魔。

 

噴き出す血液。

 

肉を貫く感触。

 

「あ、あ、わ、たし、殺し、ちゃった」

 

「ソフィア!偉いぞ!よく出来た!良い子だな、素晴らしい!」

 

「ご主人様、私、私、人を、殺しちゃった」

 

「良いんだ、人殺しは良いことだ!よく頑張ったな、ソフィア!」

 

「で、でも、人殺しは、悪いことだよお!いけないんだよお?!」

 

「そんなことはないさ、この男はソフィアに救われたんだ。生きていても仕方がない奴を始末した。お前はこれで、世界を少しだけ綺麗にしたんだ!」

 

「そう、なのかなあ」

 

「そうだとも!良いかソフィア、俺の命令は絶対だ。俺が殺せと命じた奴を殺したソフィアはとても良い子だ。今晩は可愛がってやるからな」

 

「……私、悪くない?殺して、良かった?この人を救えた?」

 

「ああ、ああ、救えたとも。この男も天国でお前に感謝しているだろうさ……」

 

ああ、ああ。

 

「……なら、良かったよ〜」

 

ソフィア。

 

お前は。

 

「それじゃあ、ご主人様〜?」

 

「何だ?」

 

「私、もっとたくさんの人を救いたいなあ〜」

 

とても良い子だな。

 

 

 

そうして、町の住民を殺して回った。

 

十人ほど殺した、いや、救った後に、再び移動をすることに。

 

また、適当な四駆を出して、北へ向かう。

 

「北には何があるんだ?」

 

「んとねえ〜、北には、ビリジアン帝国があるんだよお〜」

 

成る程な。

 

「ここはバーミリオン王国のライアン領だったな」

 

「そうだよ〜。バーミリオン王国の王都はルーソン領より西で、更に南の方にあるんだってえ〜」

 

ふむ……。

 

ビリジアン帝国はどうやら、山を挟んだ北の寒冷地にあるらしい。

 

そして、温暖な南のバーミリオン王国を植民地にしようと画策しているようだな。

 

だが、帝国と王国の間に存在する、モロッコ大山脈と呼ばれる巨大な山脈を越えることは容易ではない。

 

帝国の侵略隊は、大抵は、山越えの途中でモンスターに襲われて死ぬか、山で遭難して死ぬ。

 

仮に王国側にたどり着いたとしても、北と南の寒暖差で体調を崩して死ぬ。

 

そういう訳で、一部の山に強い冒険者くらいしか王国と帝国の間を出入りしない。

 

帝国は、内ゲバしながら厳しい冬に耐えて山脈越えできるほどの兵力をひねり出せない。そんな余裕はない。

 

いずれ、どうにかして王国の侵略を……、ってところか?

 

さて……、移動だ。

 

発進し、ギアを3速まで上げ、またもやカーステレオから大音量のロックミュージックを垂れ流す。

 

窓を開け、ドアの外に手を出しながら、タバコを咥えて車を飛ばす。

 

タバコを一箱吸った頃には、すっかり夕方だ。

 

「よし、ここで野営だ」

 

「はあい」

 

取り敢えず、ここで休もう。

 




僕は吐き気を催すような邪悪が永遠の絶頂を楽しむところを見ていたかったので、この傭兵をナーロッパに派遣しました。

ナーロッパには黄金の精神持ちがいないから、吐き気を催す邪悪は倒されません。

これからも傭兵は悪いことを延々と続けます。正義の味方は殺されます。

はあー、それにしても、傭兵の次の章はどうしようかなー。

テンプレ異世界転移のイケメン男子高校生とそのハーレム三人をこれでもかといじめ抜いて殺す予定です。

男はミンチ、女はオークにでも犯させますか。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。