ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

214 / 1724
そういやこの主人公、魔王っぽいことやってないな。


84話 街の平和をお買い上げ

「ボルボ、共和国はどんな国だ?」

 

俺は獣人三人兄弟の長男に話しかけた。

 

「あー?まあ、共和国は、いろんな亜人が集まって、合議制?ってので政治してるらしいぜ」

 

つまりはインディアンのような……?

 

「獣人は、狼の獣人であるバング様が代表だな。だから、狼獣人の地位は高いんだぜ!」

 

ほう。

 

「エルフの長老であるメノン様が調停役だ」

 

なるほどな。

 

「王国と比べて、発展しているのか?」

 

「んー……、これから通るエルフの村は田舎だけど、首都の方は王国と変わらねえと思うぜ?」

 

そんなものか。

 

となると、文明レベルは基準世界の人間国家並か。

 

「っと、そろそろ飯にしようぜ!」

 

「ああ、代金を」

 

「おう」

 

銅貨90枚で三人に山程の飯と酒を食わせる約束だ。

 

ああ、因みに銅貨は十枚で大銅貨になるから、持ち運びはそこまで面倒ではないぞ。

 

5リットルで80ドル程のクソ安い角瓶、冷凍のエビピラフとウインナーにレタス、業務用のキノコスープ。

 

俺達も同じものを食う。

 

「「「んおー!ウンメェー!」」」

 

獣人三人兄弟が喜んで食っている。

 

冷凍品もそれなりには美味い。

 

「んん〜!おいひい!」

 

ソフィアも喜んでいた。

 

俺からすれば安物の味なのだが、まあ、ジャングルで食った蛆虫よりは何倍もマシだ。

 

泥よりも美味いならそれで構わん。

 

もちろん、より美味い方が気分は良いが、無理に最高のものを食わずとも耐えられない訳ではない。

 

わざわざ獣人三人兄弟とは別に自分の分を作るのも面倒だからな、まとめて俺の分も作ってしまえ。

 

 

 

「よーし!移動だ!」

 

「おー!」

 

ふむ……、ソフィアは思いの外体力があるな。

 

魔剣の勇者があまりにも貧弱だったから、それと比べると有能に見える。

 

まあ、俺が手ずから鍛えた下僕……、兵士と比べれば大きく劣るのだが。

 

まあ、愛玩動物だと思えば問題ないか。

 

飼い猫に戦闘能力など求めるなと言うことだな。

 

「着いたぜ!ここがエルフの村だ!」

 

エルフの村……。

 

やはりエルフとはどこでも変わらないものだな。

 

採取、狩猟で生きる少数民族ということだ。

 

長命種は進歩というものがない。

 

基準世界の魔人やモンスター娘も、なまじっか丈夫な肉体と長い寿命があるからか、進歩しなかった。

 

やはり、一番の脅威は人間だな。

 

だからこそ、俺は、魔人共に人間のような生活を与えた。

 

ダラダラと生きる腐ったタイムスケジュールを辞めさせて、駆け抜けるような人生を与えた。

 

「人間と同じように」義務教育を課し、毎日訓練させ、常に研鑽を積ませる。

 

魔人の方が賢く、長命なのだから、魔人が人間と同じタイムスケジュールで生きれば、人間など遥か遠くに置いてきぼりにするのは当然のことだった。

 

最近生まれてきた魔人の子供は、「まるで人間のように」生きている。将来が楽しみだ。

 

しかし……、ここのエルフはまるで駄目だな。

 

典型的な長命種の、ダラダラとしたタイムスケジュールで生きるクズ共だ。

 

俺が指揮していた反政府ゲリラも、海賊も、マフィアも、全ては自らの生活をより良いものにするために生きていた。

 

しかしこいつらは、進歩する意思が感じられない。

 

そして、欲もない。

 

だから、俺が何でも屋を開いても、誰も来やしない。

 

森の果実と交換で海の魚を求められるくらいだ。

 

「つまらん……」

 

「どしたの?あんまり売れないから怒ってる?」

 

「怒るほどのことではないが、ここにいても退屈なだけだ。首都に移動するぞ」

 

 

 

「ここが首都だぜ!」

 

ボルボが言った。

 

「ほう……」

 

解析魔法。

 

む、下水道があるのか。

 

街からも変な匂いはしない。

 

街はかなり大きい城塞都市だ。

 

湖と川に面しているようだな。

 

特に変わったところはない。

 

住人は、人間以外の亜人の方が多いな。

 

「俺達は冒険者としての仕事があるから、もう行くぜ!じゃあな!」

 

狼獣人三兄弟は、挨拶もそこそこに去って行った。

 

ふむ……。

 

商売を始めるか。

 

 

 

しかし、ここでも殆ど稼げなかった。

 

どうも、この世界の亜人は、欲に欠ける。

 

氏族同士での小競り合いはあれど、あまりにも小規模で介入してもどうしようもない。

 

やはり、王国に戻るか……?などと考えていた時。

 

「おい!お前!」

 

狼の獣人が現れた。

 

「何だ」

 

「俺は、獣人のまとめ役のバングってもんだ。うちのもんから聞いたんだが、お前さんが金さえ払えば何でもやるってのは本当か?」

 

ふむ、あの獣人三兄弟が報告したようだな。

 

「相違ない」

 

「ならよ、金に糸目はつけねえからよ、東の蛮族であるサンドマン共を退治してくれねえか?」

 

ふむ……。

 

「金に糸目はつけない、とは本気か?」

 

「おう、国家予算を丸々かけてでも、サンドマン共は潰してえ」

 

なるほど。

 

「金銭以外なら何をくれる?」

 

「何が欲しい?」

 

「共和国の支配権だ」

 

「ふむ……。共和国は王政じゃねえ。だから、種族代表になれる権利でも良いか?」

 

種族代表……。

 

「種族代表は全員で何人いる?」

 

「エルフ、ドワーフ、ビーストマン、リザードマン、インセクトマン、フェアリー、マーメイドに、バードマンに一人ずつだ」

 

ふむ……。

 

「そこに、あんたがもし、サンドマン共を一掃できたら、英雄として無理やり枠にねじ込める」

 

む……、これは、どうだ?

 

「もしも、王国や帝国も領土に組み込めたら、俺が人間の代表になるだろうか?」

 

「……言っておくが、王国や帝国に攻め入ろうってんなら、否決されるぞ。俺達は戦争は望まない」

 

ならば……。

 

「もしも、俺一人で、王国や帝国を支配したとするならば?」

 

「……そんなことはあり得んだろうが、そんな凄いことをした日には、あんたは永遠の英雄として讃えられ、議会でも誰も逆らえなくなるだろうな」

 

よし。

 

「分かった。サンドマンを皆殺しにする。報酬は、共和国の種族代表としての議席だ」

 

「良いだろう、頼んだ」

 

 

 

「そう言う訳で、サンドマンを殺す」

 

「おー」

 

共和国から東に進むと、砂漠地帯が広がっていた。

 

砂塵の舞い上がる砂の山の向こうから、サンドマンが現れる……。

 

「「「「オオオオオ……」」」」

 

「む……?これは……」

 

まさか、と思って、水魔法を放つ。

 

「『ウォーターボール』」

 

「「「「オアァ」」」」

 

グズグズに崩れるサンドマン。

 

その胸の中心に魔石を残して消えた。

 

これは……。

 

「サンドゴーレムか?」

 

何故サンドゴーレムがここに……?

 

「きゃわー」

 

ソフィアを小脇に抱える。

 

そして、飛行魔法で空を飛ぶ。

 

「わー!速ーい!」

 

そして、サンドマンこと、サンドゴーレムが湧いている中心地に降り立ち、砂を掘ってやると……。

 

「これは……」

 

ゴーレム生成機だ。これで、土地の魔力を吸い上げていたから、砂漠が広がり、サンドゴーレムが生まれていたんだろう。

 

これが原因か。

 

これを停止させ、持ち帰り、置き土産に……。

 

「『ダイタルウェイブ』」

 

特大の高波を砂漠全域にぶちまける。

 

こんなものか。

 

 

 

俺が、ソフィアと四駆で帰路についていると……。

 

共和国は、お祭り騒ぎだった。

 

「英雄様が帰ってきたぞー!!!」

 

「「「「おーーー!!!!」」」」

 

何でも、バードマンが様子を見にきていたそうで、どうやら、映像を保存する魔導具があったらしく、それで撮影されていたらしい。

 

見られていることには気付いていたが、撮影されているとは思わなかったな。

 

「まさか、一日で終わらせるとはな!」

 

さっきの、ビーストマン、獣人のまとめ役であるバングが俺を出迎えた。

 

他の種族代表達もいるらしく、俺を褒め称えてきた。

 

「今日は宴だ!好きなだけ飲み食いしていけ!」

 

………………

 

…………

 

……

 

 

 

そして、俺は、共和国の支配権の一端を手にしたので、次に王国を攻めることにした。

 

 




傭兵は極悪非道で残虐ですが、基本的に理に反することはしません。世界を原始時代に戻すために知識層を殺そう!みたいなことは言わないので、言うほど魔王じゃないかも?

はい、それはさておき、傭兵の書き溜めはここまでだよ!!!



軽く傭兵のプロット上げとこ。俺が後で見る。

共和国での支配権の一端を手にした我らが傭兵、次は王国を攻める。

ライアン領に戻り、情報を集める。その結果、門閥貴族を中心とするバカ貴族の集まりである貴族派が、王家の幼い王をかどわかして、民から富を吸い上げて贅沢三昧していること、それを咎める、北の帝国との国境を守るローラン辺境伯派に分かれて、戦国時代になっていることを知る。基本的に宰相が悪いヤツです。アカメが斬るみたいな状況かな?いやちょっと違う?全体的に戦国時代感。ローラン辺境伯は例えるなら北条か。税も低く、善政をしいている。

それを知った傭兵は、色々な組織で蝙蝠をして、王国の国力そのものを低下させる。

まずは、他の雑魚傭兵を集めて、AKを持たせて戦わせる。これにより、常勝無敗の何でも屋の私兵団の噂を広める。中世騎士相手にAK戦列と機関銃、当然差は歴然。この世界は百年戦争時代の戦争の様に、騎士は殺されず捕虜にされたりするのが当然の世界である。なのに、ジャンヌダルクが如く騎士をぶっ殺し、常勝無敗をキメる傭兵は、大評判だった。

これにより、貴族派に取り入って、ローラン派相手に無双する。

貴族派は、勝ちまくりで気を良くする。しかし、さあここからだ!ってところで、傭兵が金を出せと取り立てる。当然、ここまでに、傭兵の武器庫から出された酒や食料、傭兵が作った高価な金品を景気よく買いまくっていた貴族派に金などない。よって、徳政令とか言い始める貴族派。もちろん、そんなことは許さない傭兵が、貴族派に反旗を翻して、あらゆるものを略奪する。

そして、今度はローラン派につく。

ローラン派は疑ったが、溺れる者は藁をも掴むのだ。色々とギリギリのローラン派は、明らかに怪しい傭兵を頼らざるを得ない。

そして、今度はローラン派が快勝しまくる。そこでまた、傭兵は金を取り立てる。ローラン派から根こそぎ金を取り立てるがまだ足りない。借金のカタに貴族の血を寄越せと言う話に。それにより、ローラン辺境伯の娘と、エマ・ルーソンを手に入れる傭兵。

こうなれば、王国に、経済的に傭兵を止められる存在はいない。傭兵はデカい商会を買収したり焼き討ちしたりして、王国の経済全てを支配する。

その頃に、丁度、北の帝国が攻めてきて……。

とりあえずここまで。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。