ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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SFとか書きてえ。


10話 真理到達者

頭空っぽドラゴニュート、ヴィオラことヴァイオレット。あ、なんかね、ヴィオラは俺を愛称で呼んでいるのに俺がヴィオラを愛称で呼ばないのは寂しいんだと。可愛いとこあるじゃんかよ。

 

そして心底腐ったクズ、熟女好き真祖吸血鬼、カイン。

 

偏屈ロリコンハイエルフ、リヒトことモーントリヒト。

 

なんか、分からんが。

 

変な仲間ができた。

 

「クラン作っとくか」

 

ギルドにてクランを作る。

 

「クラン名はどうしますか?」

 

あ?

 

あー。

 

「アナーキー……、アナーキーインザミドガルズで」

 

好きな曲からとった。

 

実際に無秩序だしいいんじゃないかな。

 

 

 

しかし、俺はまだこの時は、このクランが世界を揺るがす変態アンド駄目人間の社会不適合者の巣窟になるとは、思ってもいなかった……。

 

 

 

さて、最近の日課は、収納魔法の練習をしつつ、リヒトの研究室に出向き研究の手伝いをし、四人揃って冒険者としての仕事をやること。

 

ランクは順調に上がり、今やCランク。俺の収納魔法もレベル2になったところだ。最近は転移魔法も習ってる。リヒトが言うには、魔法において重要であるイメージ力が高く、かなり筋がいいそうだ。照れるぜ。

 

冒険者のランク上げについて?

 

一定量依頼をこなすと、ギルドの方から試験用の依頼を打診されるんだよ。

 

それをクリアすると昇格、みたいな感じ。

 

因みに、楽に上げられるのはCランクまで。Bランクに上がるには、試験用の依頼に現役Bランク冒険者が付き添い、監視する。その上、模擬戦をやって一定の評価を得れば昇格だ。

 

まだ試験の打診はないし、まあ、ゆっくりとやっていこうか。

 

どうやらリヒトは、俺の話す地球に興味を持ったらしく、地球に行く方法も並行して研究すると言った。

 

認めたくはないがこいつは天才だ。アインシュタインとかダヴィンチとかそう言うレベルの。

 

目下の目標は俺が話したトランジスタの開発、らしい。

 

その上、驚いたことが一つ。

 

「しかし驚いたな、貴様がこれを読めるとは」

 

そう言うリヒトの手元には、『アメンボ出版図解で分かる電磁気学』と言う日本語で書かれた本があった。

 

何でも、このような出自不明のものは漂流物と言われるらしく、好事家達の間で高値でやり取りされるらしい。

 

「この、真空管も漂流物なのだ。最初は何か分からなかったが、魔法的なアプローチから解析すると、何かのパーツであることに気がついた」

 

「……やっぱお前天才だわ」

 

「知っているが?」

 

あと、こいつは割と高飛車だ。

 

自分が賢いことを分かっていやがる。その上で向上心すらあるからヤバいんだが。

 

「私は風の真理到達者だ。しかしこの本は凄いな。真理の内容を数式や図解で説明している。素晴らしいな、地球とやらは」

 

そう、その、真理到達者。

 

こいつは風の真理到達者らしい。

 

詳しく聞いたら、こいつは、世界は電気でできている、と表現したんだよ。

 

……それで、話を重ねて行くうちに分かった。真理到達者とは、ある分野の力学を極めた者、のことだ。

 

風の真理到達者であるリヒトは、電気力学を極めているようだ。

 

多分、火の真理到達者なら熱力学、水の真理到達者なら流体力学?波動力学?土なら……、量子力学、とかか?まあ、それらを極めているんだろう。

 

そしてそれを、魔法だか呪術だかを使って完璧に制御する。それが真理到達者だ。

 

言ってしまえば、レオナルドダヴィンチが魔法使いになった、みたいなもんだ。

 

最高の学者であると同時に、最高の魔法使いとかなんかそういうのであるってこったな。

 

「そうだ、魔法と魔術の違いって何よ」

 

「魔法はイメージを魔力で直接出力すること。魔術は術式に魔力を通して自然現象を発生させることだ」

 

んー、マニュアルとオートマみたいな感じか。

 

「しかし、今の魔術は魔法の改悪でしかない。昔の魔術……、スキルで言う古代魔術のスキルは、複雑な術式で魔法に匹敵する威力と精度を出せていたと言うのに。今の時代の魔術と言えば、能無しでも使えるように簡略化されたものばかりだ。無駄も多い。皆、術式の意味などほとんど理解していないのだ」

 

あ、イライラしてる。

 

「その点お前は中々に見込みがあるな。古代語を理解し、術式の構成にも口出しができる。中々に良い生徒だ。ゲドのやつと同じくらいには教え甲斐がある」

 

「誰だ?」

 

「ああ、私が学院で受け持っている生徒の一人さ。見所がある男だ」

 

ふーん。

 

「他の生徒はクズばかりだな。驕り高ぶった能無し貴族共ばかりで嫌になる。私の授業を、箔をつける為の服役期間くらいにしか思っていないのだ。殆ど理解できていない」

 

キッビシー。

 

「お前の授業が悪いんじゃねーの?」

 

「む、凡人レベルに合わせているつもりだが?」

 

「だってお前天才じゃん」

 

「お前も天才だろう。マルチな方面での天才だ。少し話せば分かる。生命と工学の融合と言う分野は非常に興味深いぞ」

 

「お前ほどじゃねえよ」

 

「当たり前だ、生きた年数が違う。しかしポテンシャルは中々だぞ、貴様」

 

そうか。

 

「……さあ、無駄話をせずに研究をしよう。ではその、日本語、とやらを教えてくれ」

 

「おう」

 




ここら辺で弾切れ。ちょっとまってね!

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