まー。
来るね、依頼。
暇な時は手慰みに屋台、それ以外は仕事と観光って感じ。もうそろそろなんか面白いこと起きそうな気配はあるから、ちょっと待つか。
では、ここ最近何やってたかを紹介しよう。
まずは、屋台。
開いている日には、霊夢、魔理沙、妹紅、慧音が来る。
霊夢は兎に角、高いものを選んで食べる。食べ盛りだもんなあ、いっぱい食べて大きくなるんだよ、と胸を見ながら言ったら、どこ見て言ってんのよと怒られた。でもちょっと気にしているらしく、自分でちょっと胸を触ってた。
魔理沙は、金髪の西洋系にしか見えないが、和食派。男っぽく振る舞っているように見えるが、その実、内面は乙女だ。可愛い。因みに、食事が美味いのもあるが、半分は俺に会うために来ている節がある。
妹紅は……、飯ってか俺目当てだ。可愛いので、たまにデートしたりする。この前は外の世界に連れて行ってあげたら大喜びしてた。
慧音は晩酌しに来ることが多い。焼酎がお気に入り。会う度に口説いてたら、満月の日に襲われた。ツノ生えてたよ。あ、気持ちよかったです。
「で」
「?」
「君は誰かな?」
「あら?お兄さん、私が見えるの?」
「いや、なんか、認識がズレてるけど、見えるよ。可愛い顔してる子は見逃さないんだ、俺は」
「へー」
お、おう。
「お名前は?」
「こいし。古明地こいし」
こいしちゃん、か。
「ねえ、こいしちゃん。お腹空いてない?」
「んー、そう言えば、昨日から何も食べてないや!」
「はっはっは、そうかそうか!よーし、俺のおごりだ、なんでも好きなもん食べさせてやるよ!」
「良いの?!ありがとー!」
んー?昨日から何も食べてない?虐待、ではねえな、傷はない。ってか人間じゃねえし。単に物臭なのか、食わないでも平気なのか。
つーか、不思議な感じの子だ。俺の心理学<80>が正常に機能しねえや。
「こいしちゃんってなんの妖怪?」
「覚りだよ」
覚り妖怪?
「あれ?心は読まないの?」
読まれている感覚がねえけど。
「あ、私そういうのは無理だから。ほら、目閉じてるでしょ」
見れば、バックベアードみたいな飾りは、目が閉じていた。
うーん?
心を読めない理由とかは……、なんかデリケートなやつかな。
初対面でいきなり突っ込むのも悪いしな。
「そっか。でも、世界は広い。心が読めない覚りがいても、いいんじゃないかな?」
「そう、かな」
「ああ、そうとも」
こいしちゃんの心が、少し動いた。気がした。
「……お兄さん、名前は?」
「俺?新台真央。旅人と呼んでくれ」
「真央、好き!気に入ったよ!ろとーに迷ったら地霊殿で飼ってあげるね!!」
「お、おう、そうかい」
これからもこいしちゃんは俺のいるところにちょこちょこ現れ、最終的に俺の寝床に入り込み……。
「ちょ、ちょっと待って、ちょっと待って!!ヤバいって俺ロリコンじゃないって!!」
「無意識だから!無意識だから!!」
逆レイプされた。
何なの?
まあ、こいしちゃんは初めてだったらしく、具合は良かった。
凄く良かった。
因みに、パワーはバフなしの俺より強いんで、押さえ込まれます。女の子に負けます。非力ですまんな。
いや、バフかければ勝てるんだけど、そうすると怪我させるかもだしなあ。
お次は、鈴奈庵、なる貸本屋。
「こーんにーちわー」
「はあい……、ってえええ?!な、何でうちにこんな二枚目のお兄さんが?!!」
え?
「えっと、えっと、か、貸本ですか?!」
「い、いや、呼ばれたから来たんだけど?」
「呼ばれた……?だ、誰が何の権利があってこんな色男を呼びつけたんですか?!」
「鈴奈庵さんに、外の世界の本についてのお話がある、と」
「……ふぇ?あ、じゃ、じゃあ、貴方が新台さん?」
「ええ、新台です」
「え……?え?あれですよね?どこかの劇団の役者さんですよね?」
「いや、そんなこともできなくはないけど、今は何でも屋で通っているね」
「そんなにカッコいいのにですか?」
「それほどでもないとは思うけどねえ」
俺本人は、まあ、普通にハンサムかなってくらいの認識だがなあ。俺の知り合いにはもっとカッコいい男が一杯いる。
「え……?でも、確かに、私の知る限りではこんなハンサムな人見たことない……。本当に、今何でも屋をやっている旅人さんなんですか?」
「そうですともそうですとも」
「も、勿体無いですよ!そんなにカッコいいなら役者さんとか目指せば良いのに!」
「はは、よく言われるよ。けど、俺は別に、役者になろうとは思わないなあ。役者は難しい。一定のことはこなせるけど、それ以上は無理さ。器用貧乏ってやつでね」
それに、信念のない奴は無理だろう、役者なんて。
「そんなあ、貴方がお芝居をするなら、私絶対見に行くのに!」
「そんなに言うならちょっとくらいやっても良いかな?あはは」
さて、この子は小鈴ちゃん。
この貸本屋の娘さんだ。
小さいながらに仕事はできるらしい。
と、言う訳で、俺が読み終わった要らない本を売る。
「そ、外の世界の本をこんなに安く?!い、良いんですか?!」
「良いとも、君のためさ」
「でも、悪いですよ、何かお返しを」
「じゃあ、デート……、逢引してくれるかな?」
「え、ええっ?!は、はい❤︎私で良ければ!!」
その後も、鈴奈庵に通い続け、小鈴ちゃんを口説き続ける。
些かロリだが可愛いからねちかたないね。
「真央さん、私、まだ生娘なんです」
「お、おう。そうかい」
「初めては、好きな人としたい、です。いつか、貴方はいなくなってしまうんでしょう。でも、なら、思い出を、下さい……」
「……あー、分かった」
ヤった。
いや、弁明させてほしい。邪な念はなかった。ただ、美人だから口説いてただけだ。
可愛い女の子は口説くのが礼儀だろう?!
そしたらまあ、こうなった。
いや、今回は俺悪くないって。
香霖堂のお手伝い。
森近さんってお兄さんの店を手伝ってきた。
まあ、語ることないよね。
森近さんは、半妖の、なんつーか優しいお兄さんだったよ。店のレア物買い漁った。
それだけ。
他にも妖怪の蛮奇ちゃん、小傘ちゃん、鈴仙ちゃん、てゐちゃん、にとりちゃん、妖夢ちゃん、ルーミアちゃん、アリスちゃん、その他妖精とかが来た。
それぞれとの出会いはまた今度話すが、今はそれどころじゃない。
今度の依頼主は、稗田家。
人里のトップだ。
んんんんんー?
俺なんかした?
何でそんな偉そうなところに?
でかい屋敷の前で、俺は声をあげる。
「たのもー」
「!!、はーい!!」
あら?可愛い女の子の声。
「あら、噂通りの男前」
「そうですか?照れるわー」
紫髪の少女、名前は阿求。
なんか知らんが、記憶力が良く、幻想郷のことについて記録する仕事をしているのだとか。身体は弱いらしいが、そんなことを感じさせないくらいには元気だ。
でも、そう言う人に限ってある日急に、とかってよくある話だからな。
さて、依頼内容は、暇つぶしに付き合ってほしい、だとか。
「じゃあ、逢引しましょうぜー」
「あら、素敵ね」
そして、幾らかの時が流れた頃。
「ねえ、真央さん」
「何だい阿求」
「私ね、将来は、子供を産まなきゃならないの」
「そうかい」
「でも、それはきっと、親に決められた人になると思うわ」
「お、おお」
あれ?この流れ?
「だから、初めては、好きな人としたい」
んー?
「い、いや……、分かった」
「……ありがとう、真央さん」
すまない……、すまない……。
だが、今回も別に俺が悪い訳ではないよね?
何つーか、そう言う流れだっただけだよね?
あと最近気づいた。
ロリもいけるな、と。
断らないのが悪い。