ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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このまま進むとなろう小説にあるまじき男性率になりそう。


11話 昇格話

「その、シグナル様。Bランク試験の打診がありますよ」

 

ギルドの姉ちゃんが俺に言う。

 

「え?もう?」

 

「はい、その、特例で……」

 

「特例?」

 

そんなもんになる要素あったか?

 

「はい、国賓魔導師のモーントリヒト様が所属するクランと言うことなので……」

 

あー、あいつのせいか。

 

「モーントリヒト様が所属するクランがCランクというのは些か問題がありまして。モーントリヒト様は冒険者ランクなら間違いなくSです。ただ、Sクラスに認定されるような大事件がないだけで……」

 

成る程ね。

 

「それに、例の館の破壊の件も高く評価されていますし」

 

カインの館の件ね。

 

「と、まあ、諸々の事情で、ランクを上げていただこうという話になりまして」

 

「やっぱあれっすか、偉い人の都合ってやつですか」

 

「まあ、有り体に言ってしまうと、そうなりますね……」

 

んー、俺は腰の低い学者だから、偉い人の言うことはちゃんと聞くのだ。

 

「分かりました、じゃあ試験受けます」

 

「ありがとうございます!こちらが試験クエストになります!」

 

依頼:オーガの討伐

 

代表的なBランクのモンスター、オーガを討伐すること。オーガは王都から北に数百キロの『アソシアの森』に出現する。

 

「そういや、Bランク試験クエストからは直接試験官代わりの冒険者が付くんすよね?」

 

「はい、これから王都のBランク冒険者さん達に依頼するところです」

 

ほーん。

 

「じゃあ、日取りとか決まったら呼んでください。宿はケンタウロスの蹄亭っすから」

 

「はい、分かりました」

 

そして、まあ、一週間。

 

リヒトは研究、ヴィオラは俺に引っ付いて回る、カインはナンパ。

 

俺はその時の気分で魔法の練習をしたり、みんなを集めて冒険者として活動したり、リヒトに助言したり、カインと風俗巡りしたり、ヴィオラと遊んでやったりした。

 

そして有り余る金と生み出した素材でヴィオラに服をプレゼントした。俺もウォータードラゴンの素材で白衣を新調しておいた。やっぱり学者様なもんで、白衣じゃないと落ち着かないのだ。

 

因みにヴィオラの服は肩出しのボディコンみたいな過激なやつ。もちろん俺の趣味。

 

俺はほら、対◯忍とか女騎士とかそう言うの大好きだから……。エロエロぴっちりスーツ好き好き大好き。

 

渡した時は流石に拒否られるかと思ったが、普通に着た。動きやすくて気に入ったってよ。ヴィオラは痴女の才能があるな。良いぞもっとやれ。

 

すると、ギルドから連絡があった。

 

 

 

「よーしてめえら仕事だぞ」

 

「ああ、良いだろう」

 

「えー、面倒い」

 

「手早く終わらせて研究に戻るぞ」

 

と、コメントをいただいたところで、ギルドに到着。

 

「ういーっす、試験受けますー」

 

「はい、アナーキーインザミドガルズのみなさんですね?こちら、監査官の『疾風の翼』さん達です」

 

「「「「よろしくお願いします」」」」

 

そう言って四人、冒険者が紹介された。

 

今日以降会うこともないだろうし、名前とかは聞き流した。どうでも良いし……。

 

因みに、剣士兼リーダーの人間の男、魔法使いの女、戦士の獣人の男、僧侶のエルフの女とお手本のようなパーティだ。

 

そして剣士が話しかけてくる。

 

「リーダーはモーントリヒト様ですか?」

 

「ああ、いや、一応俺だけど」

 

「えっ?あ、そうですか。では、日程についての話し合いを……」

 

「え?普通に、今日中に終わらせるけど」

 

「は?」

 

「ん?」

 

話が噛み合わねーんだけども。

 

「い、いや、今日中にって!アソシアの森はここから百キロ以上離れているんですよ?」

 

「そんなんちょっと空飛べばすぐでしょ」

 

「空を飛ぶって……、飛空艇でもチャーターする気ですか?!」

 

「いやだから普通に羽生やして飛ぶんだよ」

 

背中からウォータードラゴンロードの羽を生やしてみせる。

 

「………………は?」

 

「ああ、だから……、これ以上簡単に言えねえんだけどもな。飛ぶの。俺達は飛べるの。百キロくらいなら一時間も要らないの。分かる?」

 

「あの、ええと、僕達は飛べません」

 

はー?

 

「え?Bランク冒険者でしょ?移動とかどうしてんの?」

 

「普通に歩きです……」

 

「お前と俺との普通に隔たりがあるよね」

 

「そ、そっちが非常識なんですよ!飛べるって何ですか?!」

 

いや逆ギレされましても。

 

「はぁー、しょーがねーなー。じゃあ俺がロープかなんかで引っ張るから、それに引き摺られて来てくれっかな」

 

「いや無理ですよ、落ちたら死にますし」

 

はぁー?

 

「リヒト」

 

リヒトに目を向ける。

 

「アソシアの森だろう?転移魔法が使える」

 

澄ました顔で答えるリヒト。

 

「グッドだ」

 

それじゃあ早速、転移よろしく。

 




予定、試験スピードラン。

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