ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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自炊だるー。


8話 ランク上げ

どうやら、現代の冒険者ランクは、上から、白金、金、銀、銅、鉄、青銅、錫、となっているそうだ。

 

俺の時代には、その上に、上から、オリハルコン、アダマンタイト、ミスリルの等級があったが、今は失われたみたいだ。

 

特に、オリハルコン級冒険者は、ゴロツキのクズとは言えプロ中のプロ。

 

俺の作った標準的な機動兵器を超えるほどの実力を持っていた。

 

アレスの野郎とかな。

 

あの野郎はインプラントと義体化して、その上何百億人に一人ってレベルの剣の達人だった。

 

あいつの戦闘能力は、俺の持っている人型魔導ロボット、ツールズの隊長機、カラードツールズに匹敵するだろう。

 

真っ向勝負なら秒殺されるね、俺でも。

 

あ、でも、機動兵器を差し向けて良いなら複数のツールズで殺せるが。

 

兎に角、現在のランクは錫級。

 

錫級では、一月依頼を受けないと、冒険者資格を失うらしい。

 

鉄級なら、三年ぐらいは保つらしいから、チャチャっと等級上げするか。

 

と言う訳でなんかパパッと等級が上がる依頼ないかな?」

 

「舐めてるんですか?」

 

だから、舐めてはいないが。

 

「普通に楽そうな依頼ないか聞いただけなのにその態度は酷くない?」

 

「等級には更に上があるとか、剣神アレス様を殺すだとか、そんなふざけた話を目の前でされて怒らない人がいますか?!」

 

「話聞いてた?アレスとは戦っても勝てねえよ、正攻法では。まあでも、不老不死の分、最終的には俺が勝てるが」

 

「ここは冒険者ギルドですよ?!アレス様を信仰する人々は沢山いるんです!そこでそんな罰当たりなこと!!」

 

「ええ……、アレスは強いけど人間性はクソ以下だぞ?尊敬できる要素あるか?それともやっぱり、強さだけが信仰されてるとか?蛮族かよ」

 

「……神官が聞いたら、殺されますよ」

 

「あ、俺は死なないから大丈夫。で、依頼は?」

 

「はぁー。もう、勝手にして下さい……」

 

 

 

まあ、錫級の冒険者の依頼なんて、ガキのお使いレベルの仕事だよね。

 

「イリス、ドブさらいだってさ」

 

「頑張り、ます!」

 

「あ、いーのいーの、浄化魔法で一発でしょ?」

 

臭い下水道に入ることなく、一階位魔法、クリーンを使う。

 

「魔力増幅、範囲指定、クリーン」

 

「わあ、凄いです!」

 

「ん?イリスもこれくらいできるでしょ?六階位魔法までダウンロードしたし、演算用電脳も魔力炉心も付けたんだし」

 

「で、も、私には、こんな精密には、できないです」

 

「あれ?ARグリットの使い方教えてなかったっけ?」

 

「ARグリット、まだ練習中です……」

 

「大丈夫、すぐ慣れるよ」

 

そんな会話をしつつ、軽く依頼をこなしていく。

 

「終わりましたー」

 

「早っ?!!」

 

 

 

「ゴブリン退治の依頼です」

 

「ほーん、報酬は?」

 

「銀貨二十枚です」

 

「群れ?」

 

「はい、中規模の群れです。二十匹はいると思われます」

 

「じゃあ、そんなもんか」

 

害獣駆除の相場なんて分からんが、食事二百回分と見たら普通くらい、か?

 

「パーティを組むことをお勧めします。丁度、二人の錫級冒険者さんが同じ依頼を受けるらしいので」

 

「え?いらないよそんなの」

 

「そ、その、ゴブリンは強敵です。舐めてかかっては」

 

「いや、雑魚でしょ。そこらの小学生でも殺せるわ」

 

「は、はあ……、ですが、パーティを組むのも一つの経験で」

 

「えー」

 

「わ、わがまま言わないで下さい!!」

 

え?これってわがままか?

 

いらない人材使うより、もっと必要とされてるところに回した方が良いって言ってるんだが。

 

そして案内される二人の冒険者。

 

「よろしく」

 

「よろしくお願いします」

 

男と女。

 

弓使いと僧侶。

 

「いやあ、前衛と魔導師とは、バランスのいいパーティになりましたね」

 

「違う。俺は超越技師だ」

 

「は?ちょう、えつ?」

 

はぁ。

 

「まあ、良いよ。お前らともこれっきりの付き合いだ。あ、報酬は四等分な」

 

「あ、ああ。だ、だが、まだ、一緒に戦ってもいないのにこれっきりとは限らないんじゃ」

 

「お前はガリオンより弓が上手いか?」

 

男に聞く。

 

「そ、そんな、とんでもない!狩神ガリオン様に敵うものなどこの地上にいないだろう!!」

 

「そっちの君はエレクシオンより回復魔法が上手いか?」

 

女に聞く。

 

「そ、そんな訳!!医神エレクシオン様に敵う腕なんてある訳ないですよ!!」

 

「じゃあ、今後パーティを組むことはないと思うね」

 

「そ、そんな言い方……!何様のつもりなんだ?!」

 

「俺?いや、何様でもないけど?」

 

悪意はないよ?

 

でも本当に、あいつら並の実力がないなら、付き合う意味がないからなあ。

 

良くも悪くも、あいつらに慣れてるからな。

 

人格は問題ありだが、実力はピカイチの変態共。

 

兎に角、あいつらが基準になっちまう。

 

あいつら並に役に立つなら仲良くするが……。

 

「アナライズ」

 

………………。

 

うん、やっぱり、言っちゃ悪いが、雑魚だ。

 

 

 

「じゃあ移動するか」

 

「う、む、ここから半日の遠さだから、食料の買い出しと……、洞窟だから松明は必要だな。一日二日かかることは覚悟しないと」

 

「は?いや、そんなん要らないよ。日帰りだわ」

 

「……は?」

 

「お前、車は?」

 

「くる、ま?」

 

車もないのか、この時代。

 

「はぁ、良いわ。乗れ」

 

四人乗りの魔導車に乗せる。

 

「な、なんだこれは?!」

 

「遺物……?!」

 

驚く二人を他所に、俺はAIに指示を出す。

 

「ここから歩って半日くらいの洞窟」

 

『了解しました』

 

「「しゃ、喋った?!」」

 

うるさいな。

 

魔導車で空を飛んで、数十分。

 

「も、もう着いたの?」

 

「駆逐オートマトン起動、対象ゴブリン種」

 

『『『『了解、駆逐開始』』』』

 

長方形に車輪のついた四つ脚のオートマトンの上部にはレーザー銃が付いている。

 

勿論、暗視装置や優秀な認識装置もあるから、人を間違って殺すこともない。

 

四体のオートマトンが洞窟に入って、三十分後。

 

「ギャイィァ!!!」

 

「ゲゲェ?!!」

 

「ガギギィ!!!」

 

複数の断末魔が聞こえる。

 

「あ、そうだ、オートマトン一号から四号、ゴブリンの片耳を切り取って集めろ」

 

『『『『了解』』』』

 

なんか知らんけど、今の冒険者ライセンスは魔力パターンによる魔物退治の記録とか、そういう便利な機能は全部使えなくなってる。

 

だから、退治した魔物の肉体の一部を切り取って持っていく必要があるんだとか。

 

でもまあ、今回は何体狩れ、みたいな形式じゃなく、ゴブリンの巣を破壊しろって話なんで、討伐証であるゴブリンの耳はそんなにたくさんはいらない、全滅したことが分かる量があれば良いそうだ。

 

オートマトンが集めた耳を回収して。

 

「帰るぞ」

 

「い、いや、洞窟の中のゴブリンは?」

 

「全滅だ」

 

「確認しなきゃ」

 

「勝手にやれば?俺は帰る」

 

「なっ?!待ってくれ!」

 

 

 

「ただいま。これ討伐証。報酬くれ」

 

「……は?いや、もう、ですか?どう見ても一日二日はかかる依頼ですよ?」

 

「終わったんだって」

 

「も、もしかして違う洞窟を」

 

「はぁ、ほら、衛星写真だ。ここんとこの洞窟だろ?」

 

「な?!何ですかこの精密な地図は?!こんな国家機密級のものをどこで手に入れたんですか?!」

 

「今撮ったんだよ!ほら、ここの洞窟だろ?!証拠映像はこれだ!」

 

立体映像を投射する。

 

「ななな、何ですかこれ?!」

 

「単なる立体映像だよ、ほら、オートマトンがゴブリンを全滅させただろ?」

 

「そんな、これは……?!」

 

「だから、オートマトンだよ。害獣駆除用の」

 

「また、遺物……!!貴方は、一体幾つの遺物を……?!」

 

「良いから、報酬くれる?」

 

「こんな、こんなの!冒険者じゃありません!遺物の力を使っているだけで!」

 

「それかどうかしたかな?」

 

依頼はこなした。

 

文句はないだろう。

 

「真の冒険者とは、己の力と技、そして知恵で人々を助けるものを指します!貴方のようにどこから拾ってきたのかも分からない遺物頼りの人には……!」

 

はぁ。

 

俺はステラ合金の塊をカウンターテーブルの上に出す。

 

「フォーミング」

 

ステラ合金をカットし成形。

 

「エングレーヴ」

 

魔力回路を刻む。

 

その他合金や魔力回路を生成する。

 

「アセンブリ」

 

空中に舞うパーツが、組み合わさり、一つの魔道具になる。

 

小型の飛行ドローンだ。

 

『おはようございます、民間モデル、AI搭載型飛行ドローンO-75タイプAです。よろしくお願いします』

 

「俺が作った。全てを。俺が作った、俺の力で、技で、知恵で。だから、遺物ではない」

 

「あ、ああ……!い、遺物を、作った……!あ、あり得ない、そんな、ことって……!」

 

「報酬、早く」

 

「は、はい」

 

さて。

 

「イリス、帰って飯だ」

 

「はい」

 

次の日、ランクが青銅に上がった。




俺が死ぬまでに物質転換装置ができるといいなー。
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