ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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はあー。

取り敢えずほい。


14話 なろう系チート技師

「創るんだよ」

 

「……ザンダー様はやはり偉大な神様で」

 

「いや、普通だって。クローニングとかだよ。遺伝子データと脳ニューロンデータはストレージにあるから、それを使ってグリフォンを創るの」

 

「神様……」

 

「普通なんだって!拝まない拝まない!欲しいペットをデザインして、物質生成装置で出力する……、よくあることなの!」

 

 

 

「見た目にこだわりとかある?」

 

「いえ、特には」

 

んじゃ、俺が設定したオリジナルモデルで良いか。

 

脳ニューロンデータを入れて、物質生成……、と。

 

おっ、完成した。

 

「ん……、あぁ、お前かァ」

 

「よう。初めましてと言うべきか?フレズ」

 

「俺はフレズで良いのかァ?」

 

「ああ、フレズで良いぞ、フレズとして扱うつもりだ」

 

「そうかァ」

 

はい、フレズの出来上がり。

 

通常のグリフォンより一回り大きく、黄金の翼と体毛、そして俺と同じ瞳を持ち、人並の知能と六階位までの魔法をダウンロードした番犬兼愛玩ペット。

 

軍用モデルとしても使えるくらいかな?

 

「フレズ、彼女はイリス。お前は彼女の護衛と、馬車を牽いてもらう」

 

「おうゥ、構わねえぜェ」

 

これで準備完了だな。

 

「フレズ様……?」

 

「いやいや、君のために創ったんだから、へりくだらなくて良いよ」

 

「で、ですが……」

 

「今回の人生はどうなるかなァ……?前の俺はどうなったんだァ?」

 

「知らない。寿命で死んだんじゃない?あ、なんか、今はアース歴5579年なんだって」

 

「ほえー、そりゃ凄えなァ!三千年後かァ!何でお前生きてるんだァ?」

 

「ちょっと不老不死になって」

 

「ははは!そうかァ!」

 

仲良し。

 

 

 

フレズを創ってから、馬車を作り、テントやら何やらを用意した次の日、約束通りに冒険者ギルドへ。

 

「すいませーん」

 

「お、来たか。こいつらが護衛の銅級冒険者パーティ『旋風の剣』だ」

 

「「「「よろしくお願いします」」」」

 

ふーむ。

 

男二人女二人。

 

剣を持ったリーダーらしき男、弓を持った老け顔の男、杖を持った長髪の女、短剣を持った短髪の女。

 

ファンタジー的に考えると、剣士、狩人、魔法使い、盗賊……、とかか?

 

まあ、仕事をしてくれるんなら何にも言うことはないけど。

 

「王都までの道案内と護衛、大銀貨二枚で受けましょう」

 

「はあ、お願いします?」

 

 

 

自己紹介されたが、適当に聞き流した。

 

SPの名前なんて一々覚える必要ないでしょ。

 

そう言うことは全部イリスに任せる。

 

助手にして良かった、めっちゃ使える。

 

俺とイリスは馬車ならぬグリフォン車に乗り込んで、出発する。

 

「な……、何だこれ?!」

 

「グリフォン……?!」

 

「な、なあ、ひょっとして貴族様なんじゃねえのか?!それも、公爵とかそう言う偉いやつ!」

 

「い、いえ……、そんなのだったらもっと上等な護衛を雇うはずよ?」

 

なんか話してる四人を早くしろと急かす。

 

四人の冒険者は、黙ってついてくる。

 

冒険者は歩きみたいだし、相当ゆっくり進まないと駄目だな……。

 

「フレズ、ゆっくり」

 

「おうゥ」

 

フレズに指示して、後は道案内とともに歩く。

 

俺はAR画面を操作して、イリスと一緒に、移動中はアニメ映画を見ることにした。

 

俺がいなくなった三千年間の間にデータバンクに登録されたアニメがたくさん溜まってるからな、積みゲー積みアニメ積み本は消化せねば。

 

おっと、ポップコーンとコーラも必要だな。

 

あー、楽しい。

 

「な、何で黙ってるんだ?」

 

「どこかを見ている?」

 

「何食べてんだろうな?」

 

「甘い匂い……」

 

そして二時間後、アニメ映画はエンディングを迎える……。

 

「いやー!良かったな!」

 

「はい!」

 

「ラストスパートのあの追い込み!最高だったな!」

 

「すごく面白かったです!」

 

映画を観終わって、イリスと感想を言い合う。

 

内容?

 

俺が好きな宇宙戦艦ムサシのリメイク劇場版だよ。

 

「やっぱりオーキタ艦長の渋さが堪らないんだよなあ……」

 

「艦隊戦も凄かったですよ!レーザー砲がブワーって!作画が凄く良かったです!」

 

そんな話をしていると。

 

「な、なんで急に喋り出したんだ……?」

 

「しかも、なんの話だ……?」

 

「こいつら、やべえんじゃねえのか……?」

 

「だ、大丈夫よ、前金は貰ったし……」

 

なんか気狂い扱いされていた。

 

何だこいつら、あの素晴らしい映画を見てなかったのか……、って、そうか。

 

こいつらにはナノマシンがないんだ。

 

俺がオープンチャンネルで公開した劇場版宇宙戦艦ムサシも見れてなかったのか……。

 

可哀想だな。

 

ん、そろそろ昼か。

 

飯にしよう。

 

グリフォン車を停車させる。

 

「飯食うぞ」

 

俺は子牛一頭分の肉を馬車から出すフリをして物質生成装置で作り、フレズに食わせる。

 

フレズはグリフォンなので、餌は一日一度で大丈夫だ。グリフォンは犬と同じように食い溜めができるからな。

 

それと、イリスに手伝わせて、料理の準備。

 

目の前にいきなり料理を出すのは駄目っぽいので、態々作る羽目に。

 

めんどくさいけど、調理器使えば良いか。

 

野菜と肉を出して、自動調理器にぶち込む。

 

ガリガリ、チン。

 

皮が剥かれ、一口大に切られた肉と野菜が三十秒で出力。

 

これを圧力鍋に入れて加熱。

 

スパイスやらトマトやらを投入。

 

その間にハンディオーブンでナンを焼く。

 

それとラッシー……。ラッシー甘いから好き。

 

今日はインディア風カレーだ。

 

圧力鍋で時短してるから、三十分程で完成。

 

その間にテーブルや椅子の準備をイリスがしておいた。

 

「飯だ」

 

「カレーです、ね!」

 

契約通り飯を食わせる。

 

冒険者には王都に到着するまでの食事を出すって約束だったからな。

 

「な、何だ、これ……?」

 

リーダーの男が言う。

 

「今日はカレーというトマトとスパイスの煮込みと、ナンという小麦のパン、ラッシーという牛乳に砂糖などを入れたものです」

 

「スパイスだって?!」

 

「小麦って、白い麦か?!」

 

「砂糖?!」

 

 

何か驚く要素あるか?

 

「とっとと食って移動するぞ」

 

「は、はあ……」

 

気の抜けた返事だな。

 

大丈夫なのか?

 

まあ良いや。

 

ぶっちゃけ、護衛とかは期待してないしな。

 

道案内さえしてくれれば良いよ。

 

ナンを千切ってカレーに浸す。

 

そして口に運ぶ。

 

お、自分で作っておいてなんだが美味いぞ。

 

ラッシーも甘酸っぱくて美味しい。

 

四人の冒険者達も、俺とイリスの真似をして、同じようにカレーを食べる。

 

「な、何だこれ?!めちゃくちゃ美味いぞ?!」

 

「美味い……!!」

 

「こ、これ、山程スパイスを使ってるぞ……、あり得ねえ……!」

 

「この飲み物、こんなに冷たいとは、何か遺物を……?」

 

なんかおかしいことやっちまったやつかこれ……?

 




いずれなろうでやりたいと思うんだけどこれ流行るかなあ?

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