ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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パーティーパロットすこ。


16話 迷宮都市ルソンへ

俺は、科学や魔法ばかりを学んできたから、経済は分からない。

 

しかし、経済ってのは信用を売買するものだとは知っている。

 

すなわち、信用して金を預けて、信用して金を貸す。

 

そうやって発展していくものが経済なのだと、おぼろげには理解している。

 

まあ、何が言いたいのかって言うと。

 

「「「「ありがとうございましたー!!!!」」」」

 

いきなりポンと大白金貨七十枚を預ける俺は、銀行からすれば上客も上客、VIPってことだな。

 

俺は、銀行の偉い人達から女の子がいっぱいいる店に案内され、接待された。

 

イリスと一緒に、銀行の偉い人達の奢りで高い酒を飲んだが、まあ、そんなに美味くなかったな。

 

仕方がないので、適当に女の子のおっぱいを揉んでから帰った。

 

「ザンダー様……」

 

「ん?」

 

「言ってくだされば私の胸を……」

 

「毎晩揉んでるしなあ」

 

 

 

さて。

 

これで、この世界で遊んで暮らせるくらいの金は手に入れた。

 

これからどうするか?

 

決まってるよな。

 

「対アース外生命体の対策を練らなきゃな」

 

そう、対アース外生命体。

 

かつて、この世界を破壊して、俺の腐れ縁の仲間達と相打ちになり去って行った者達。

 

そいつらが滅んだと言う記述はどこにもない。

 

つまりは、またいつか、アース外生命体が侵略してくるかもしれない。

 

俺が責任を持って滅ぼしてやる。

 

アレス、オデッサ、ガリオン、エレクシオン、アルバトス、ハルギオン、ヴァルディ、ヤマト。

 

せめての餞だ。

 

お前らがやり残した仕事、このザンダー・ノーハートが終わらせてやる。

 

となると、やはり、この世界の人間に力を付けなきゃならないな。

 

それも、適当にデータをインストールして、インスタントな戦力にするのではなく、イリスのように、魔法や科学を一から教えて、この世界の人間が、栄華を誇ったあの頃のアースのように、力を持つようにしなければ。

 

幸いにも俺は不老不死だ。時間はいくらでもある。

 

国だ。

 

人を集めて国を作り、教育して、あの頃のアースを再現する。

 

アース外生命体も、ほぼ文明リセット級の被害を出したらしいから……、アース外生命体との発展合戦だ。

 

アース外生命体よりも早く発展して、今度こそアース外生命体を絶滅させるぞ!

 

ただでさえ、今は古代人のような生活をしているんだ。アース外生命体はこの三千年でどれ程復興していることやら……。

 

それを考えると、早く復興させなきゃなと思う。

 

さあさあ、人材確保だ。

 

教育とは鼠算であり、ミームの感染である。

 

すなわち、俺から教師役へ、教師役から生徒役へ、生徒役が教師になり、更に生徒役へ。

 

そうやって増やしていくものだ。

 

だからまず、初期ロット、最初に知識を教える層を集めよう。

 

その為に俺は!

 

「俺はこいつと旅に出る!」

 

「は、はい」

 

イリスと旅に出るぜ!!!

 

 

 

王都を出て東へ進む。

 

ここは、元は学術都市エーレンブルグと呼ばれた地の近くだ。

 

今はもう、学術都市の体をなしていないが。

 

ただ、大学の建物が、古代遺跡として残っているだけで、中にあった資料や教材は散逸し、あるいは風化して朽ちている。

 

とりあえず俺は、故郷であるエーレンブルグ離れ、イェルネガルド王国の跡地を目指す。

 

まあ、すぐそこなんだけどね。

 

イェルネガルドから独立した都市国家の一つにエーレンブルグがある感じだから、文化面はほぼ一緒だよ。

 

「にしても……、はぁ」

 

あーあ。

 

栄華を極めた煌びやかなイェルネガルドは見る影もなく、田舎臭い石材の小城が立つ、古代風の古代都市。

 

イェルネガルドのARネオン広告もなく、垂れ流しのクソの臭いが漂うこぢんまりとした街。

 

マインガルド王国……、現在のイェルネガルドは、こんな感じか。

 

ARマップを網膜投射する。

 

ふむ……、ああ、ここは、イェルネガルド最大の遊園地、『ファンシーパラダイスパーク』の跡地みたいだな。

 

ファンシーパラダイスパークか……、エメリカのデイヅニーランドに匹敵するとまで言われた巨大テーマパークだったな。

 

縁がなかったから行ったことはなかったんだが……、凄く楽しいらしいよ。

 

イリスを連れて行ってやりたかったな。

 

特に、目玉は、五十階層もある人工ダンジョン型お化け屋敷で、ダンジョン内で倒した敵から色々なおもちゃを手に入れることができたらしい。

 

結構難しくて、最下層にはレッドドラゴンを配置!レッドドラゴンを倒した人には、ファンシーパラダイスパークの年間パスポートを進呈!とかレビュー画面に書かれている。

 

星は4.6と高評価だ。

 

おっ、良いねえ。基本的にこういうレビューって信用ならないんだけど、こうも極端に高いと、期待できる面はあるよね。

 

もうファンシーパラダイスパークは跡形もないけどな!

 

 

 

とりあえず、すぐそばにあった大きな街に入ってみることにした。

 

人々の会話を拾うと、ここは迷宮都市ルソンと言うらしい。

 

まあ、なんにせよ、俺のやることは変わらない。

 

冒険者として薬草摘みやらドブさらいやらをやって、魔導具を売って稼ぐこと。

 

そして本題、使えそうな人材を集めること。

 

移住する土地は目星もついてる。発見したから、あとはサルベージするだけだ。

 

土地は良いとして、問題は人材だな……。

 

最悪遺伝子データのプリセットパック弄って適当に生命創造すれば、頭数は増やせるんだが、インスタント人間は応用力に欠けるしなあ。

 

将来的にはインスタント人間も使う予定だが、教育期間は長い方がいい。

 

なるべく子供の頃から育てたいんだよね。

 

教師も、教材を用意するのは当然として、教師はやっぱりいた方がいい。

 

知識のインストールも有効だが、知識は使ってこそだと個人的には考えている。

 

知識は溜め込むだけじゃなく、使ってこそ、成長が望めるんだ。

 

実際、イリスの成長は目覚しい。

 

知識をインストールして、毎日勉学に励み、魔法や武術の練習をして、実戦もこなしているイリスは、武力だけなら民間人のトップ層レベルまで鍛えられている。

 

偉いぞ、良い子だ。

 

だから、そう、なるべく若い人間を大量に欲しい訳だな。

 

となると……。

 

「奴隷、買ってみるか」

 




ちんちん。

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