ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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べるぜバブ読んでる。


21話 ダンジョン突入

パクってないですー!

 

たまたま似てただけですー!

 

決して俺の趣味とかじゃないんでー!!!!

 

俺の目論見は当たり、冒険者のコスプレをした俺達は、普通にダンジョンに入れた。

 

やはり、元冒険者のサルビアのアドバイスが良かったな。

 

検索エンジンのグルーグでグルって、色んなファンタジーゲームの服装を見せて、「これとかどう?」って提案したら、サルビアが、「これとか見たことがあります、これは割といます」とかって教えてくれたから、装備を簡単に用意できた。

 

用意した装備を着れば、俺も冒険者に化けられた。

 

さあ!ダンジョンへ!

 

 

 

一階層。

 

ここから三層まではゴブリンしか出ない。

 

この時代のゴブリンは、女を攫って孕ませて増える邪悪な魔物らしいが、俺の時代では、ゴブリンは弱過ぎて、ゴキブリの方がすばしっこくて怖いなどとと言われていた。

 

そんな、ゴキブリ以下のゴブリンとか、相手にする価値とかあるか?

 

特に問題なく、一時間ほどでゴブリン階層を突破。ドロップアイテムは特になし。

 

この階層のモンスターは、討伐証を持って帰ってきても大した額にはならない。

 

確かに、ダンジョンでは、あまり長期間人が入らないと、スタンピードが起きてダンジョンからモンスターが湧いて出る。

 

だから、間引きも重要な仕事なのだが……、それでも、最弱のモンスターの一角であるゴブリン程度は、一体退治しても三千ドグラマにもならない。大銅貨3枚いかないくらいだな。

 

まあ、害獣駆除にしてはそこそこもらえるのかもしれないが、怪我でもすれば赤字らしい。

 

「休憩は?」

 

「不要、です」

 

とのことなので更に進撃。

 

ファンシーパラダイスパークの公式サイトの攻略情報によると、四〜六階層はコボルトとウルフが出るらしい。

 

奇襲に注意!とあるな。

 

まあ、余裕だろう。

 

この程度のモンスターなら、小学生でも殺せる。

 

「ほい」

 

俺が四階位魔法ライトニングボルトを放つと、コボルトの群れが消し飛んだ。

 

「「「「うわあ……」」」」

 

一般通過冒険者共がドン引きしているが、俺はこれをスルーして進む。

 

五階層ごとにボスが出るが、五階層のボスはハイコボルトだった。

 

七〜十階層には、スケルトンとゾンビ、ゾンビウルフが出る。

 

毒攻撃に気をつけよう!と公式サイトに書いてあるな。

 

「はい」

 

四階位魔法、光属性のホーリーレイをぶちかまし、アンデッド共を焼く。

 

毒薬をドロップしたので、一応拾っていく。

 

十階層のボスはブラックスケルトン。雑魚。

 

さて、そろそろ昼休憩にするか。

 

この人工ダンジョンには、五階層ごとにセーフエリアがある。

 

もしも今も正常にダンジョンサービスが機能していたならば、空間制御装置により、広々とした空間に、仮眠室と売店が建ち並んでいただろう。

 

しかし今は、空間制御装置がイかれていて、ただ単に、キャンプ場ほどにだだっ広い、モンスターが湧かないだけのセーフエリアが広がっている。

 

おっと、因みにだが、この人工ダンジョンは、数階層ごとに景色が変わるようだ。

 

ゴブリンの層は単なる洞窟だったが、コボルトの層から草原になっている。

 

このセーフエリアも、草原と川がある。川に魚などはいないようだが、検査してみると、川の水は飲めるようだ。

 

水発生器と浄水器とかは生きてるんだな。

 

ん……?待てよ?

 

じゃあ何で、地上の上下水道は無くなってるんだ?

 

古代アース人の衛生システムは、三千年過ぎたくらいじゃ壊れないはずだ。

 

何者かが壊した……?

 

いや、でも……、そうとしか考えられない。

 

いかに、アース外生命体の空襲を受けたと言っても、ここまでインフラが壊れるものなのだろうか?

 

分からないな……。

 

まあ、それはさておき。

 

「飯にしよう」

 

俺は料理はほとんどできないが、料理を作れるマシンは作れるのだ。

 

「と言う訳で、アルフレッド!」

 

「はっ、かしこまりました、ご主人様」

 

万能執事アンドロイド、アルフレッドにお任せだ!

 

「メニューはいかがなさいますか?」

 

アルフレッドが尋ねてくる。

 

「イクスランド様、いつもみたいに、物質創造装置は、使わない、ですか?」

 

イリスがそう言った。

 

「ん、人目もいっぱいあるしね、パッと料理出すと怪しまれるじゃん。それに、折角のキャンプなんだし、キャンプ飯が食いたいよね」

 

「そう、ですね」

 

メニューは……、どうしようか?

 

「おすすめは?」

 

「ダンジョンの中は少々肌寒いですから……、温かいスープなどはいかがですか?」

 

ふむ、スープ。

 

「クラムチャウダーが食べたい」

 

「かしこまりました。その他はいさがなさいますか?」

 

「うーん……」

 

俺が迷うと、アルフレッドは、差し出がましくない程度に助言をしてくる。

 

「では、鮭のムニエルと、ブロッコリーとエビのアーリオオーリオで魚介尽くしと言うのは?ガーリックパンも添える形で……」

 

「おお、良いね!それで行こう!」

 

決定!

 

俺は、フレズの脇腹にある革製のベルトから、ペットボトルほどの大きさの鉄の円柱を取り出した。

 

「あの、それはなんですか?」

 

と、聞いてくるサルビア。

 

「ん?これはね、インスタントキッチンとインスタントテーブルだよ」

 

「どのような遺物なのでしょうか?」

 

「大したことないよ、ここをこうすると……」

 

俺は、円柱の上部の、ゴムに覆われた部分を回して引っ張り、円柱を地面に置く。

 

すると……。

 

『展開シマス。指定エリアカラ、離レテクダサイ』

 

キッチン、椅子とテーブルが現れた。

 

「な……?!!」

 

「要するにアレだよ、あの円柱に、このキッチンやテーブルやらを圧縮して入れてあるってだけのチャチな道具だね。再利用もできるから、キャンプとかでよく使われてたよ」

 

発明したのは俺じゃないけど、このインスタントキッチンとインスタントテーブルは、一応、俺の研究所の製品だ。アウトドア用モデルだぞ。

 

「こ、この煮炊き場の火は、薪もないのに火が出るのですか?」

 

「あー?小型のエーテルドライブユニットつけてるから、理論上は永遠に火が出せるぞ?」

 

「永遠に……」

 

「んで、ナノマシンで保守されてるから、永遠に壊れない」

 

「壊れない……」

 

ドン引きしているサルビアをよそに、料理を始めるアルフレッド。

 

「あ、あの……、申し上げにくいのですが、このインスタントキッチンとインスタントテーブルと言うものは、明らかに異質です」

 

とサルビア。

 

「え?これが?ただの空間圧縮でしょ?」

 

「概算ですが、このインスタントキッチンというものは、王家にも売れます……、それこそ、大金貨で」

 

千万ドグラマ単位?

 

嘘だろ、これ、五万ドグラマだぞ……。

 

そして三十分後。

 

「できましたよ」

 

「はいよ、いただきます!」

 

「「いただきます!」」

 

「あ、怪しまれないように、アルフレッドも食っておけ」

 

「分かりました」

 

と言う訳で、四人で食事。

 

フレズの餌は一日一回でいい。

 

「うん!美味いな!」

 

「美味しい、です!」

 

「……いや、その、ですね?ダンジョンに牛乳や魚介を持ち込むとか、あり得ないですからね?!まあ、凄く美味しいですけど!!」

 

大人気だ。

 

「でも、現代っ子の俺はこれ以上生活レベル下げたら死んじゃうし……」

 

「は、はあ、そうですか……」

 

ん?

 

「なんか他の冒険者に見られてないか?」

 

「それはそうでしょう……、こんなに美味しいものを、ダンジョンの中で食べているんですから……」

 

ははーん?

 

つまり、嫉妬か。

 




君のデブは止まらない、加速する!

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