ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

254 / 1724
オススメのssを教えてくれー。

活動報告かツイに投げてくれー。


24話 イキリ技師

ファンシーパラダイスパークの大お化け屋敷、ファンタジー迷宮、二十二階層にて。

 

俺達、『スペリオル』パーティ(俺が今命名した)は、銀級冒険者パーティ『ハイルクラオト』と合流した。

 

今日は一日中歩いてたので、俺は歩くのに飽きてエアバイクに乗り始めたのだが、ハイルクラオトの女魔導師が突っかかって来たのだった。

 

「ぐぬー!ムカつくー!」

 

「いやいや、ほら、俺を見てくれよ。細くて運動苦手そうだろ?もう歩けないんだ、勘弁してくれよ」

 

「私だって正直キツイわよ!」

 

「いやー、逞しそうな見た目してるし大丈夫でしょ。がんばれ、がんばれ」

 

「ぐぬぬーっ!」

 

いやあ、俺はほら、肉体派じゃないし。

 

ぶっちゃけ、俺のナノマシンとインプラントだらけのこの身体だと、ぶっ通しで丸一年くらいは歩ける自信があるけど、そんなのは気分的に疲れちゃうじゃん?

 

精神衛生って大事だよな。

 

お、モンスターだ。

 

「みんな、気をつ」

 

男魔法軽戦士のリーダー、ローゼルが何か叫んだが、俺はその前に、電脳リンクシステムに『俺がやる』と言っておく。

 

それにより、俺のパーティメンバーの、イリス、サルビア、アルフレッドに即座に連絡できる訳だな。

 

そして俺は、魔法式インターフェースを開き、網膜投射されるARFCS(Augmented Reality Fire Control Systemつまりは、拡張現実火器管制システム)を使って遠方のモンスターをロックオン。

 

七重並列した四階位魔法、ウォーターランスを指定区域に発生させ射出する訳だな。

 

ここまで0.1秒もかかっていないし、電脳のCPUの負荷も0.00001%もない。

 

現れたサンドゴーレムは全て破壊された。

 

「……けて、って、ええ?!」

 

「ん?なんか言った?」

 

いきなりぶっ飛んだサンドゴーレムを見て驚いているようだな。

 

「な、何をしたんですか?」

 

「え?普通に、ウォーターランスを七重並列して使っただけだが?」

 

イキってみた。

 

よく分からんが、◯◯しただけなんだが?と、ドヤらないでサラッと言うのがポイントらしい。

 

ネット小説で見た。

 

「な、七重並列……?!!」

 

「う、嘘よ!マルチプルマジックはトリプルで限界のはずよっ!仮にできても、四階位魔法のウォーターランスなんて七重にしたら、すぐにマナダウンで倒れるわ!そもそも、人間の脳ではそんな演算力は……!」

 

んー、そんなん言われましても。

 

あ、そうだ。

 

俺は胸元を開く。

 

「これ、なーんだ?」

 

俺のナノマシンのロゴと製造番号……、この時代の人間に言わせると、聖人の証である『聖痕』を見せつけてやる。

 

「そ、それって!まさか!」

 

「せ、聖痕……!」

 

「まあ!聖人様だったのですね!」

 

女僧侶が尊敬の眼差しを向けてくる。

 

「そうそう、俺は聖人なんだよ」

 

「むむむ……、確かに、聖人は、六階位の魔法を使った人がいるとも聞いたことがあるわ。それなら、これ程の魔法が使えてもおかしくはない、のかも?」

 

女魔導師が言った。

 

理解したか?

 

ん?

 

女魔導師がまだ何か言いたげだ。

 

「どしたの?」

 

「……その、ごめんなさい。アンタのこと、嘘つきだと思ってた。本物の賢者なのね。我流でそこまで極めるって、その、本物の天才、だわ。悔しいけど……」

 

「いや、良いさ」

 

なんだよ、可愛いとこあるじゃん。

 

でも脈無しだな。多分、俺の読みでは、この女魔導師は、リーダーの男魔法軽戦士といい仲だと思う。見てると、距離が近いのがわかるからな。

 

 

 

さて、腕時計を見ると、今は午前11時だ。

 

そろそろ昼飯時だし、パパッと移動してセーフエリアまで行こうかな?

 

いや、そんなに急ぐ必要もないか。

 

俺は喉が渇いた気がしたので……、実際、ナノマシンとインプラントで水なんて殆ど要らないのだが、砂漠ともなると流石に水分が欲しいから、ヴァルディの会社で販売されてた清涼飲料水『リヴィエール ビタミンプラス』を物質創造装置から創り出す。

 

生分解性プラスチック製の500mlペットボトルに入ったスポーツドリンクだ。

 

これを、パーティメンバーに投げ渡す。

 

「「「ありがとうございます!」」」

 

全員、水分補給タイムだ。

 

アルフレッドも有機アンドロイドで、生体部品を使っているし、水分補給はしなくてはならない。

 

うーん、美味いな!汗をかいた時に飲むスポドリは美味い!

 

ん?

 

「むぅ……」

 

女魔導師がなんか言いたそうな面してるな。

 

「どうした?女魔導師?」

 

「リンデンよ!……また自分ばかり水を飲んでるから、羨ましかっただけ!」

 

と、言って顔をそらす女魔導師。

 

ふーん?

 

俺は更にリヴィエールビタミンプラスを創り出して、それをクーラー袋から取り出したように見せかける。

 

「ほーれ、これが欲しいかー?」

 

「アンタねえ!そういうのは良くないわよ!確かに、貴重な水を分けてもらえるなら助かるけど、そういうやり方は……!」

 

「じゃあ普通にあげるよ、仲間と分けなよ」

 

六本のドリンクを渡す。

 

「え、あ、ありがとうっ!みんな!水を分けてもらったわ!」

 

「ええ?!良いんですか?!」

 

「ありがとうございます!」

 

「ありがとな!」

 

「お気遣い、有り難く……!」

 

「ありがとアル!」

 

なんか、スポーツジムに差し入れしたみたいになってる?

 

「わ、これ、美味しいっ!冷たくって、砂糖とレモンが入ってる!」

 

「本当だ!」

 

「大変美味しいです!」

 

「んー、甘さが疲れた身体に染み渡るぜぇ!」

 

「ほう?塩気も少しあって、そこがまた」

 

「んー、これは、蜂蜜じゃなくて、果実から精製された果糖アルナ。これ一杯で大銅貨一枚はするアル」

 

俺は俺さえ良ければ良い。

 

しかし、下々の民に施しをするのも、中々の愉悦である。

 

 

 

「デザートハイエナの群れだ!」

 

お、次はデザートハイエナ十体か。

 

電脳ネットワークから、イリスの声が。

 

『お任せください』

 

とのことなので、悠然と構える。

 

すると、イリスは、両腰のサブマシンガンを二挺、アキンボする。

 

サブマシンガンは、『X&V SMG S9 Special Custom』だ。

 

ザンダーアンドヴァルディ社と言う、俺とヴァルディが立てた軍事用品の製造販売をする企業の製品で、その中でも最新式のS9型!更に更に、それのスペシャルカスタム版となれば、Cランク民間用武装だろうな。

 

普通の鉄剣などのおもちゃとは違い、古代アース人に危害を加えられるものを民間用武装と定義し、軍用として使える武装を軍用武装と定義する。

 

すると……。

 

ゴミ=この世界の一般的な武器

 

ゴロゴロコミックの付録=この世界の一流武器

 

Eランク民間用武装=国宝級武器

 

Cランク民間用武装=神器

 

って感じだな。

 

つまりは、こんな低ランクのモンスターは、民間用のSMGでバタバタ死ぬよってことだ。

 

パンパンパン、モンスターは死んだ。スイーツ(笑)。

 

唖然とするハイルクラオトを余所に、俺達は進撃する。

 




野菜炒めにキクラゲ入っててキレてる。

キクラゲはやめろっつってんだろ?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。