ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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25話 飯タイム

二十二階層も終わりか、と言うところで、時計の針は12時を過ぎた。

 

「昼だ、飯にしよう」

 

俺がパーティメンバーに言った。

 

すると、ハイルクラオトの連中も足を止めて言った。

 

「そうだね、僕達も休憩しよう」

 

「うう……、こうも暑いと、食事も喉を通りにくいですね……」

 

女僧侶が弱音を吐いた。

 

「とは言え、食わなきゃ保たないアルヨ」

 

女拳闘士が宥める。

 

大変そうだね。

 

俺は、アルフレッドに命じてキッチンとテーブルを出す。

 

ポカーンとした表情でこちらを見つめるハイルクラオトの連中。

 

「あっついからな、冷やし中華と棒棒鶏、オクラと卵の冷製スープなんてどうだ?デザートはアイスクリームで」

 

「かしこまりました」

 

アルフレッドが料理を始めて、良い匂いが漂い始める。

 

その間俺は、ウィンテンドートゥイッチでイリスとサルビアを誘ってレースゲームをやる。

 

ん?

 

「「「「……ごくり」」」」

 

おやおや、賎民共の羨ましそうな視線。

 

しょうがないにゃあ……、良いよ。

 

俺くらいの上流階級にもなってくると、ノブリスオブリージュってもんを求められるからな。

 

賎民に施しをしてやらなきゃなあ?

 

「アルフレッド、六人分追加で作れ」

 

「はっ、かしこまりました」

 

それを聞いて、男魔法軽戦士、ハイルクラオトのリーダーが目を輝かせる。

 

「良いんですか?!」

 

「しょーがねーからな。見られながらこっちだけ美味いもんを食うのは余りにも嫌味だろうし、多少はな?」

 

「ありがとうございます!ほら、みんなも!」

 

「「「「ありがとうございます!」」」」

 

「まま、良いから良いから」

 

そう言って、もう二セット机を出してやり、昼飯にする。

 

「俺は冷やし中華にからしマヨをかける党の者だ。アレスには異端者扱いされたが、与党の座も狙えると思っている」

 

からしマヨびゃー。

 

「おいひいれす!」「うまうま」

 

こいつら、何食わせても美味いとしか言わんからな……。

 

「「「「美味い!」」」」

 

こいつらもか。

 

この時代の人間ってバカ舌なのかな?

 

「君ら、何食っても美味いって言うよね」

 

「「イクスランド様の時代の料理は何食べても美味しいですし……」」

 

「嫌いな食べ物とかないの?」

 

「私は、食べれるだけマシ、って感じだった、ので」

 

「冒険者は、食べるものがなければ、モンスターの血肉や腐ったパンにも齧り付かねばならないのです」

 

ほーん。

 

怖。

 

「イクスランド様は、嫌いなものは、ないんですか?」

 

とイリスに聞かれた。

 

嫌いなもの?

 

うーん。

 

「ヤードポンド法と全角スペースかな」

 

「……食べ物じゃ、ない、ですよね?」

 

「嫌いな食べ物は特にないんだよね、育ちが良いから」

 

ドヤ顔を晒しておく。

 

チラッとハイルクラオトの方を見る。

 

「んまんま」

 

「もぐもぐ」

 

「美味い!」

 

早食いだなあ、もうちょっと味わって食えば良いのに。

 

「こんな美味いもん、生まれて初めて食ったぜ!」

 

「ワタシの出身地の、シュウ帝国風アルナ!」

 

「ぬうう……、ここまで洗礼された食事は、質素倹約を旨とする我が故郷、フソウ皇国では見られぬな」

 

「ダンジョンの中で卵とか、本気であり得ないわね……。どうやって運んだのよ……」

 

「このセサミの風味が効いたチキンは、冷たくて柔らかくて、暑い中でもたくさん食べられますね!添えられたキューカンバーとトマトもみずみずしく、ここがダンジョンの中であることを忘れてしまいそうですっ!」

 

「冷やした野菜乗せ麺……、こんなものをどうやってダンジョンに?それにしても美味いなあ!」

 

まあ、仲良く食べてるみたいだし、良いんじゃないの?

 

食い終わった頃にアルフレッドがデザートをどうするか聞いてくる。

 

「俺はキャラメルバニラと宇治抹茶」

 

「私は、ストロベリーと、アップル、でお願いします」

 

「私はチョコレートとバニラで頼む」

 

今日はアイスなのだ。

 

「お前らはどうする?」

 

俺が、ハイルクラオトの連中に問う。

 

「どうするってどう言うことかな?」

 

「デザートだよ」

 

「ダンジョンでデザートを?!」

 

「おう、今日はアイスだ」

 

「アイスって?」

 

「アイスってのは、砂糖を混ぜた牛乳を凍らせた甘くて冷たい食べ物だ。果汁を入れたり、茶を混ぜたりして、色々な味のものがある」

 

「へえ……」

 

「それって……、今、王都で流行ってる、『ジェラート』のことじゃないかしら?!」

 

女魔導師が目を輝かせる。

 

「まあ、同じようなもんだな」

 

「紅茶のジェラートってある?!」

 

「あるぞ」

 

「じゃあそれで!」

 

次は男侍が話しかけてきた。

 

「待たれよ、先程、抹茶と申さなかったでござるか?!」

 

「抹茶味のアイス、あるよ」

 

「おお!抹茶はフソウの民の心でござる!ではそれを!」

 

次は女僧侶が話しかけてきた。

 

「蜂蜜味とか……」

 

「あるぞ」

 

そんな感じで、全員にアイスをワンカップくれてやった。

 

もちろん、ヴァルディ社の高級アイス、『ハウゲンディーツ』だ。

 

んー、やはりアイスはキャラメルバニラだな。抹茶も捨てがたい。ジパングは飯がうまいからよく行ったな。

 

「「「「……美味い!」」」」

 

ハイルクラオトの連中、大喜びしてるな。

 

ん、食事中だがモンスターだ。

 

「うわ!モンスターが」

 

俺の隣に座るサルビアが、ハンディパルスキャノンをぶっ放すと、一瞬でモンスターが蒸発した。

 

ヨシ!

 

さて、食い終わったら移動するかー。

 




次は帰還勇者行きますすす。

亜人国家と行き来できるようになり、バブルの人間国家がどう過ごすのか?それと、ダンジョン攻略に関するダンジョン法が可決され、帰還勇者は政府に請われて武具を販売するとか。魔法大卒ダンジョン攻略者の実力に驚く自衛隊とか、自衛隊が魔法大卒の魔法使いの力を見て自衛隊に魔法を必修にさせようと掛け合ったりとか。魔法高校卒の自衛隊員の有能さも鑑みて、自衛隊内で試験的に魔法教育が始まったりとか。一方その頃のアメリカ軍はマネーパワーに物を言わせてダンジョンを攻略していたりとか。そして、ついに一般開放されるダンジョン……!とか。一般開放されたダンジョンでバブルとか。しかし、ダンジョンで大怪我する人が増えるという、ダンジョンバブルの闇とか。ダンジョンで得た物質を買い取って加工したりする帰還勇者の店とか。

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