ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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まだちょっと体調が良くないせいで、友達との焼肉に行けなくなった。

風邪許せねえ。



4話 世界崩壊

俺は学生時代、喫茶店でバイトをしていた。

 

オリジナルブレンドのコーヒーは特に最高の味と名高かったな。それで、折角のんびり喫茶店のバイトしてたのに、人気過ぎて人が沢山来て仕事が増えて、給料分以上働くのが嫌になったから辞めたんだっけ。

 

でも、楽しかったんだよな、喫茶店のバイト。

 

のんびりできるし。

 

喫茶店のマスターはロマン職の一種だよな。

 

他のロマン職と言えば探偵とか刑事とか。

 

うん、そうだな。

 

金はまだまだあるし、やるか。

 

 

 

田舎に建てた俺の洋館の近くに、知る人ぞ知る温泉街がある。海も近くて漁村もあり、農家や畜産業をやっている家も多い。

 

商店街やら病院やら、いろんなものがちょこちょこある。

 

田舎なんだけど、田舎の中でも都会な方みたいな?

 

割と過疎ってはいないみたいだ。

 

電車も通ってるし、中高生の姿も多い。

 

空いているテナントを借りて、資格を取って、小さなカフェをやる。

 

シーマのやつも何故かついてきたが、あんなマフィアの女ボスみたいな女を店頭に出すわけにはいかないので雇わない。

 

おめーはその辺でバイトでもしてろ。どうせ金はあるんだろ?知ってるぞ、株やらFXやらで大分稼いでるらしいじゃねえか。

 

まあ、俺も一生遊んで暮らしていけるくらいの金はあるからな。

 

次の会社の資本金にする予定だったけど、まあ良いや、手をつけちまえ。

 

小さい喫茶店を作るくらいだ、百万そこらだろう。

 

 

 

そこで、だ。

 

喫茶店で一番大切なのはなんだと思う?

 

コーヒーの味?それは当然必要なものだ。

 

美味いサンドイッチ?必要だな。

 

裏メニュー?それも必要。

 

だがそんなものよりもっと大事なものがある。

 

それは。

 

「わ、私の名前は聖川揚羽です!あの、私、こういうおしゃれなカフェで働くのに憧れてて!それで、バイトの募集を見て……!」

 

可愛い女子高生のバイトちゃん、だ!!!

 

「高校生かな?」

 

「はい!今年、高校一年生になりました!」

 

「よし、採用!」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

 

 

この街には可愛い女の子が多いので僕満足!

 

うちの喫茶店の聖川揚羽ちゃんは、何ていうか、こう、日常アニメの主人公みたいな感じの美少女。

 

行きつけの本屋の店番の大学生、風道羚ちゃんはクール系文学少女だ。

 

俺がスポーツジム代わりに通っている古武術道場の一人娘、日野昌巳ちゃんは、熱血ヒートの女子高校生。

 

んー、良いっすねえ。

 

「店長ー!サボってないで働いて下さい!お店潰れちゃいますよー?」

 

「はいはい、りょーかい、っと」

 

「今日の裏メニューは何ですか?」

 

「醤油ラーメン」

 

「醤油ラーメン?!!!ここ喫茶店ですよね?!!!」

 

あー、揚羽に怒られながらコーヒー淹れるのはたのちい。

 

願わくばこんな日常がずっと続けば良いのにな、などとセンチメンタルなことを考えつつ、裏ではダンジョン攻略、表では知る人ぞ知るめちゃくちゃ美味い喫茶店、というスタンスで生きる。

 

俺がイケメンなもんで、喫茶店には近所のおばさんから高校生や大学生が沢山来る。

 

裏メニュー目当てのサラリーマンなんかもちらほらいるな。

 

 

 

そんな調子で一年が過ぎた。

 

 

 

……おかしい。

 

ダンジョンの出現スパンが早まっている?

 

二、三ヶ月に一つだったダンジョンが、今では、一ヶ月に一つくらいのペースでダンジョンができている。

 

アーニーが言った。

 

「これ、ダンジョンが指数関数的に増加して人類の生存圏が狭くなるポストアポカリプス系では?」

 

と。

 

「えー、それは、ゾンビ映画みたいに?」

 

「そうそう、ニューヨークのビル街をオークやゴブリンが占拠して、空にはワイバーン。下水道からスケルトンが溢れて、バーゲストがテキサスの荒野を我が物顔で走る。大統領や金持ちはシェルターに篭って、軍隊が自国に核ミサイルを落とすのさ」

 

「………………」

 

「………………」

 

「……割と、ありえない話じゃねえな、そりゃ」

 

「……そうだね、自分で言っててあり得そうだなって思っちゃったよ」

 

と、なると、終末に向けて準備せにゃなるまい。

 

俺の複製やアーニーの魔法を駆使して、食料を大量に確保し、アイテムボックスにしまい込む。

 

籠城予定地を選定し、そこをフェンスで囲う。水路や井戸なんかも作る。ソーラーパネルやら何やらを建てて、池に魚を放流したりと色々やる。

 

各々が知り合いや身内に、危なくなったら籠城予定地に逃げるように伝えておく。

 

因みに、俺は親はガキの頃死んだ、アーニーは両親がいる、ヴォルフは母親だけ、シーマは最近唯一の身内である母親が病死。

 

しかし、俺は、俺の会社の元社員とか、学生時代の後輩、なんだかんだで知り合った奴なんかに、何かあればここに逃げろと指示しておく。信じるかどうかは貴方次第です、ってか?もちろん、この街で知り合った女の子達も助ける。

 

アーニーは社交的で知り合いもめちゃくちゃ多いから、かなり広い土地を買い取ったらしい。そこに、身内親戚、自分の会社の社員とその身内、友達とその身内を逃す予定とのこと。こいつは割と割り切れる奴だからあんまり心配してない。

 

ヴォルフはとても大事にしている母親は絶対に助けたいとのこと。他にも、自分によくしてくれた親戚や街の人たちを助ける為に、街そのものを避難予定地にした。こいつは見た目はヒットマンだけど中身は激甘野郎だからな、割り切れなくって大変なことにならないようにしろよ。全員は救えない。

 

シーマは、唯一の肉親である母親が死んだことで、祖国ロシアに帰るつもりはなくなったそうだ。特に守りたい人もいないので、取り敢えず俺についてくるらしい。こいつが俺に惚れているのは分かるが、俺は女子高生の方が好きだから。すまんな!

 

と、まあ、ここまでやっておいて。

 

「で、でもさあ、まだ世界が終わるだなんて決まってない訳だしさあ!」

 

「そ、そうだよなあ!弱気になっちゃ駄目だよなあ!」

 

「「あはははははは!」」

 

全ての準備が終わり、世界の滅亡なんてあり得ないよねー!あははははー!なーんて笑ったその一週間後。

 

 

 

「究極地図オープン、っと。あ、また新しいダンジョンがで、き、た………………?!!!」

 

ダンジョン合計数、二百三十?!!!

 

それも、モスクワ、香港、上海、東京、ニューヨーク、ワシントンD.C.、ロンドン、ベルリン、パリみたいな大都市に、しかも五十レベルを超えるダンジョンが多数……!!!

 

「いや、これは……?!!」

 

違う、二百三十なんてもんじゃない……!!

 

二百五十……、五百七十……、千二百……、五千六百……、一万八千……、まだまだ増える!!!

 

俺は、最近手に入れた遠話魔法で、あいつらに呼びかける!

 

『おいお前ら!!!最悪だ!アーニーの予想が当たった!ダンジョンが世界各国の主要都市にできで大パニックだ!逃げろ!』

 

『んなっ?!なんてことだ!おお、神よ!いや、神は助けてくれないな、自分で動かなきゃならない。取り敢えず、身内を避難させる!』

 

『……母を守らなくては!!タツ、こちらに後で来てくれ。城壁を作りたい』

 

『なんですって?クソ、不味いわね……』

 

早急に動くぞ、早急にな……!!

 

 

 

「店長?どうしましたか?」

 

「揚羽、ご両親は?」

 

「えっ?なんでそんなこと……、あっ、つ、遂にその気になってくれたんですか?!店長……、いえ、義辰さん!わ、分かりました、高校生ですから、障害は多いと思いますけど、私、貴方となら……!」

 

「ははーん、その台詞はこんなことになる前に聞きたかったかなー?確かご両親と妹さんは旅館の方にいるんだよね?今日は土曜だもんね?」

 

「大丈夫です!パパの説得は任せてください!ママは応援してくれてますし!」

 

「ああ、クソ、頭の中が割とお花畑だなお前は!それどころじゃないんだよ!取り敢えず俺の家に両親とか知り合いとか呼んでこい!」

 

「えっ!即座に結婚式ですか?!」

 

「いいから早く行けこのお馬鹿!!!」

 

「わ、分かりました!」

 

次!本屋!

 

「羚!」

 

「ん、義辰さん、こんにちは」

 

「ご両親や身内は?」

 

「……義辰さん、遂に、私の気持ちに気付いてくれた?嬉しい……」

 

「お前もかーい!!!」

 

「貴方が好きだった。初めて会った時から……」

 

「そんなこと言ってる場合じゃねー!ご両親呼んで!」

 

「大丈夫、父は私が絶対に説得してみせる」

 

「ああ、もう、何でもいいから、知り合いを集めて俺の家に逃げろ、良いな!」

 

次!道場!

 

「昌巳!」

 

「はいっス!」

 

「ご両親と話がしたい」

 

「よ、義辰さん!……いや!駄目っス!親父はぜーったい反対するっス!だからアタシと駆け落ちするっスよ!」

 

「そうじゃねーっての!早くご両親呼んでこいや!」

 

「……?ははーん?成る程?親父を倒して、アタシを攫っていくって訳っスね?!くーっ!粋な計らいってやつっスねえ!」

 

「あーもう!良いから、ご両親に、うちには食料と電気、ガスと水があるから逃げるように言っとけ!良いな!」

 

 

 

さて、次は……!

 

『『『『ガァァァァ!!!!』』』』

 

迫るモンスターの始末だ!




まあでも知り合いと顔合わせるのもめんどいから困ってはいないです。

あー、看病してくれる彼女が欲しい。

……いや、人間関係が煩わしいからなんでもいうこと聞いてくれるアンドロイドのメイドがいい。

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