ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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隻狼ちゅらい。

パリィゲーやんけ。

脳筋のブンブン丸である俺には向いてないよこれ。

早速ジジイが咳し始めたし。

つーか、ネロと言い、義手流行ってんの?


17話 基本的に他人はどうでもいい

朝起きる。

 

「ん……」

 

朝は嫌いだ。だが、喫茶店を開かなきゃならない。起きよう。

 

鏡を見る。

 

「はっ、誰だこのイケメン?!……俺か!」

 

歯磨き。うがい。髪をとかして首の後ろで縛る。

 

因みにこの髪留めは揚羽からもらったものだ。

 

トーストを焼いてベーコンと目玉焼きを焼いて、その最中にぱぱっとレタスを千切り、庭で育ててあるプチトマトを収穫。

 

コーヒーを淹れる。

 

レタスに自家製ドレッシングをかけていただきます。

 

「んまい」

 

自家製パン美味い。

 

このベーコンは俺がたまに狩ってくる牛型モンスターの肉で作ったものだが、これもまた美味い。卵は近くにニワトリ小屋がある。

 

肉はどうしても、長持ちさせるためにベーコンや塩漬け肉に加工しなきゃならない。

 

この街の人々は、あまりモンスターと出会っていないらしいからなー。

 

皆、避難して一箇所に固まっていたから、首都圏に現れたような強力なモンスターを見たことがない。

 

街の人々はモンスターのことをちょっとデカくて凶暴な動物くらいにしか思っていないのだ。

 

まあ、レベル二十くらいまでモンスターならそんなものだが、四十を超えたモンスターは文字通り化け物、六十を超えれば怪獣、八十からは災害そのものだ。

 

特撮映画の怪獣でレベル七十ほどだと言えば、上位レベルモンスターの恐ろしさが分かるだろうか。

 

 

 

さて、早速喫茶店に行く。

 

おや、店の前に揚羽が。

 

「全く最高の気分だな。今日初めて会った人がお前で良かったよ。最高の一日になりそうだ」

 

「店長……❤︎じゃなくって!喫茶店やってる場合じゃありませんよ!」

 

「何故だ?」

 

「長野の日本政府仮拠点に武器や防具の輸出をするんですよね?!」

 

「ああ、そうらしいな。俺は関与していないがね」

 

「ダンジョン産の鉱物は鍛治魔法の使い手にしか加工できないんですから!店長も武具作りしなきゃ駄目ですよ!」

 

「は?」

 

嫌だが?

 

「店長……、真面目に働いてくださいよぉ〜!店長は天海街のリーダーなんですから、みんなの先頭に立って……」

 

ふむ。

 

「じゃあリーダーの命令だ、俺を休ませろ。そして揚羽は猫耳カチューシャと尻尾をつけて、俺に膝枕でもしてくれ」

 

「もー、店長〜!お願いですから〜!ミスリル鉱石の加工は中級の鍛治魔法を使える店長にしかできないんですからー!」

 

知らんが。

 

「断れば良いだろう」

 

「駄目ですよ!燃料が……」

 

「まあ待てよ。良いか?元経営者の俺が言うが、商売って言うのは相手の要求を何でも叶えてやれば良いってもんじゃない。如何に自分の手間や出費を抑えられるか、これも大事だ」

 

「は、はあ」

 

「何でも言うことを聞いて言われるがまま働いてみろ、次は倍、その次は更に倍とどんどん相手の欲求はエスカレートしていくぞ」

 

「で、でも……」

 

「今の政府は余裕がない、どんな要求をしてくるか分からんぞ。できないことはできないとしっかり言うべきだ」

 

「で、でも、できるんですよね?」

 

「やる気がない」

 

「やる気出してくださいよ!」

 

「何でやる気を出さなきゃならない?例えここで一生懸命に武器を作っても、前線に回されるとは限らないんだぞ?どうせ研究用だとかお偉いさんの護身用だとか、碌な使われ方はしないだろう」

 

「う、うぅう〜!!!」

 

「大体にしてお前らには俺を働かせるための対価はあるのか?」

 

「えーと、その、じゃあ、わ、私が、店長に、その、ちゅ、ちゅーしてあげますから!」

 

「ふむ……、現役女子高生のキスは確かに価値がありそうだが」

 

「そのですね、お父さんが、店長になら私を任せられるって……」

 

親公認か。

 

「そ、その、店長が心を入れ替えて真面目に働いてくれるなら、私、キスも、それ以上のことも……」

 

ふーん。

 

ほー。

 

へー。

 

「法律」

 

「法律は……、えっと、その、だ、誰も怒ったりしませんよ!だから……」

 

「ふむ。お前はそれで良いのか?そんな理由で良いのか?」

 

「……本当は、店長から告白して欲しかったです」

 

告白ねえ。

 

「言っておくが、俺は別にお前のことを」

 

「言わないでくださいっ!!!」

 

「……何だよ」

 

「分かってますから……。店長は、私のことを可愛いと思っても、好きとは思ってないんですよね。店長にはシーマさんが」

 

「ふざけんな馬鹿!あの女は好きでも何でもないわ!揚羽の方が好きだ!」

 

「本当ですか?!店長っ」

 

揚羽に抱きつかれる。

 

するとそこに。

 

「……どういう、ことですか?」

 

「……義辰さん?アタシを差し置いて、揚羽と?」

 

羚と昌巳だ。

 

「ずるい……!私だって、義辰さんを愛しているのに!」

 

「そ、そんな!アタシだって、義辰さんが大好きっス!!!」

 

あ、これめんどくさいやつだ。

 

昔から結構あるんだよねー、適当に口説いた女がお互いに喧嘩してめんどくさいことになるやつ。

 

たまに刃物持ち出す女とかいるからなー。

 

「あー、殴り合いでも話し合いでも何でもしてきたら?話がまとまったら呼んでくれ。じゃ」

 

「「「義辰さん(店長)!!!」」」

 

はいはい、頑張れ頑張れ。

 

 

 

俺が喫茶店に入ると、三人も喫茶店に入ってきた。

 

そこで、テーブル一つを占拠すると、睨み合いを始めた。

 

「喧嘩なら外でやれよ」

 

「話し合いで解決しますから!」

 

そうして、お互いに俺との出会いや、どうして好きになったのかなどを話し合う三人。

 

そして。

 

………………

 

…………

 

……

 

「そうなんだよねー!店長って意外と可愛いところもあって、この前なんかは……」

 

「それは初耳」

 

「やっぱカッコいいっスよねえ、義辰さんは!」

 

意気投合していた。

 

「店長、いえ、義辰さん!」

 

「何だ、揚羽」

 

「決まりました!」

 

「何がだ?」

 

「私達は全員、義辰さんに嫁ぎます!」

 

「はあ」

 

ははは、頭おかしい。

 

 

 

一番面倒なパターンだった。

 

女同士が争い合って決別するのが一番楽なのだが、こいつらはよりにもよって結託した。

 

俺は女学生とセックスはしたいが、責任を取るのは死んでもごめんだ。

 

こんな状況では、いや、こんな状況だからこそ、手は出せないだろう。

 

もし、妊娠でもさせてみろ。

 

現在の医療の状況では産ませることはできても安全に堕ろさせることはできない。

 

ガキなんざ孕まれたら面倒事一直線って訳だ。

 

「……と、言う訳だ。責任を取りたくないんでね、謹んでお断りさせていただきます、だな」

 

「嫌です!義辰さんと結婚します!義辰さん以外の人なんて考えられないです!子供だって、いつかは……!」

 

「お前、育てられるのか?ペットを飼うのとは訳が違うんだぞ?」

 

「覚悟しています、だから!」

 

「俺は面倒見ないからな」

 

「駄目です!義辰さんも育児にはちゃんと協力してください!」

 

ふざけんなよ?

 

 

 

ちゃんと避妊することを条件に恋人から始めることになった。

 

それなら、まあ、良いか?

 




クソ以下の人間性が垣間見えてしまいましたね。

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