ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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ゆゆゆとFGO書いてとのことで書いてるんだけど難航してる。

そもそもFGOはまだクリアしてない体たらく。


35話 アーノルド・ガルシアの場合 その7

「この中で、ハリアルシティの為に人間を殺せる、と言う人だけ残ってくれ」

 

「ッ!アーニー!それはっ……!」

 

「何もおかしなことじゃないよローラ。これは生存競争だっ……!殺さなきゃ殺される、それだけの話だよっ……!」

 

僕は少し焦ったようにしながら、努めて平静を装っている……、風な態度を演じた。

 

心の底では、攻め入ってくる人間数百人程度、簡単に塵も残さず消し飛ばせるので、何とも思っていないが。

 

人間?それ、ドラゴンより強いの?みたいな。

 

千里眼と鑑定の合わせ技でレイダー達のステータスを覗き見たけれど、うちのヴィジランテより弱い。

 

その上、ヴィジランテとは数も変わらない。

 

となると、今ここで何人のヴィジランテを戦わせられるかが勝負だね。

 

まあ、最悪、僕がちょっと本気出せば良いだけだし困ってはいないね。

 

「俺はやるぜ……!今このアメリカで、このハリアルシティより安全に暮らせるところなんて他にないんだろ?」

 

「そ、そうだ、その通りだ、俺達が、自分の手で家族を守らないと……!」

 

「みんなが一生懸命耕した畑を奪われてたまるか……!!」

 

おや、割とやる気みたいだね。

 

結構結構。

 

そもそも、僕が発破をかけなくても、みんな、ここがなくなったら行くところなんてないんだからね。

 

ここへ来たサバイバー達の生活を聞くと、皆口を揃えて悲惨だと言う。ハリアルシティと比べたら地獄だと。

 

このハリアルシティから出れば地獄へ真っ逆さま。必然的に、他人を殺してでも守る以外の選択肢はとれない。

 

幸いなことに、殺人経験のある軍人や警官が最前線に出てくれるらしい。

 

ヴィジランテは、殆どが決戦に参加表明した。

 

もちろん、ヴィジランテをやめた者も何人かいるが、そいつらは農家にする。

 

しかし、街を守るヴィジランテが、心折れて農家になる、と言うとイメージは良くない。苦労することになるだろう。

 

が、僕は知らない。

 

勝手に後ろ指指されるなり何なりしてくれ。

 

 

 

レイダー……。

 

僕はフィストオブノーザンスターみたいな、肩パットに棘付き棍棒のモヒカンマッチョとかかな?と思っていたけど、そんなことはなく。

 

薄汚れた服にベースボールやフルコンタクト系格闘技、剣道やフェンシング、バイクなどのプロテクターを付けた統一性のない装備の、鉄のバットや包丁、鉄パイプ、銃器などで武装した男達だ。

 

基本的に、元から食い詰め者の日雇い労働者だとかホームレスだとか……、元犯罪者にサイコパス、不良学生などらしい。

 

元から社会に適応できなかった者が、社会という規範がなくなり、タガが外れた……、ってところかな。

 

僕は既に、人間とほぼ変わらない亜人や、多くのモンスターを諸事情で殺してきた。人間も殺せると思う。

 

そもそも、魔法で吹き飛ばすのに忌避感も何もないだろうという話だね。

 

「「「「ヒャッハァーーー!!!」」」」

 

さて……。

 

「ライフル隊、撃てー!!!」

 

応戦だ。

 

猟銃を持たせたヴィジランテの精鋭による、出鼻をくじく一撃。

 

これで退いてくれれば楽だが……、そうは問屋が卸さないってやつだね。

 

何十人かレイダーが倒れるけど、残りは向かってくる。

 

多少の損害は織り込み済みってことだろうね。

 

仲間意識も大してないみたいだ。

 

なら、次だ。

 

「魔法だ!撃てー!」

 

そして、銃の間合いより近いならば、魔法の間合いだ。

 

レイダーの中には車やバイクで突っ込んでくるやつもいるが、車やバイク程度の耐久度なら初級魔法でも十分に破壊できる。

 

様々な属性魔法がレイダー達に降りかかる。

 

「あああああっ!!!」

 

「ぐああっ!!!」

 

「熱い!あちいよお!!!」

 

魔法は、呪文にもよるが、銃よりは射程が短いが攻撃範囲を広げることができる。

 

初級でも、指定範囲半径五メートル範囲に火や電気をばら撒いたりできるんだ。

 

人を殺す程度の威力の魔法なら、攻撃力を犠牲に範囲を広げればそれくらいの広さを攻撃できる。

 

数にものを言わせて攻めてきたレイダー達は、戦略も何もなく、かたまって走って来るから、面白いくらいに魔法の餌食になったね。

 

レイダー達は街に近づくこともできずに、三分の一程に数を減らし、恐慌状態。

 

そこに、僕が躍り出て、槍と魔法で暴れまわる。

 

……MND値上昇の結果かな?人の死に対して何も思わないや。

 

あー、死んでるなー、くらいかな?

 

どうでもいい感じだね。

 

「ば、化け物だあああーーー!!!」

 

「うひいいいーーー!!!」

 

「逃げろおおお!!!」

 

レイダー達は、派手に暴れる僕を見て恐れ、散り散りに逃げ去っていった。

 

「僕達の勝利だ!!!」

 

「「「「うおおおおお!!!!」」」」

 

勝鬨を上げる僕と、ヴィジランテ達。

 

馬鹿みたいにライフルや剣を振り上げ、歓声を上げている。

 

また、そのまま、僕を先頭にハリアルシティ内に戻る。

 

すると、ハリアルシティのサバイバー達から歓声が上がる。

 

「「「「うおおおおお!!!!」」」」

 

「リーダー万歳!!!」

 

「アーノルドさん万歳!!!」

 

「ヴィジランテ万歳ー!!!」

 

俺とヴィジランテに対して、多くの称賛の声が。

 

「ありがとう!みんなありがとう!」

 

礼を言いながら勝利を祝ったよ。

 

無料で食料をある程度放出し、パーティーをする。

 

それにより、ハリアルシティの勝利をサバイバーに広く伝えて、ハリアルシティの武力を周知させる。

 

それにより、ハリアルシティに手出しすることは危険だとレイダー共に暗示することができた。

 

百人規模のレイダー連合軍で攻めても損害なしで撃退した、と言う勇名を馳せ、多くのサバイバーが安心して滞在できる街として広く知られた……。

 

 

 

レイダーの大群の撃破。

 

それにより有名になったハリアルシティ。

 

例え、コンピュータのインターネットが使えなくなっても、ゆっくりとだが世界に情報は広まるものだ。

 

日本語ではなんと言ったか……、人の口には戸が立てられない、だったかな?

 

つまりそう言うことさ。

 

どんどん、サバイバーからサバイバーへと情報が伝達され、テキサスのハリアルシティへと、遠くのオクラホマ、アーカンソー、ニューメキシコ、ルイジアナからもサバイバーが集まった。

 

少なくとも、ハリアルシティには狩場と農園がある。

 

つまり、ここにいれば最低限飢えないと保証されているようなものさ。

 

このご時世においては、飢えないと言うのは何物より得難いものでね。

 

農業でもなんでも、仕事があって食事ができるんだ。

 

こんなに素晴らしいことは他にないと評判だよ。

 

しかしまあ、残念なことに、耕運機は使えないからね、農業は楽な仕事じゃないさ。

 

知ってるかい?

 

ガソリンって数ヶ月でダメになっちゃうんだよ。腐るんだよ、ガソリンは。

 

劣化防止剤を使って一年二年ってところかな?

 

流石に、ガソリンをそんなに大量に確保することは不可能だったよ。

 

一応、倉庫一つ分くらいは予備があるけれど、一年で使えなくなると考えると……。

 

無駄遣いはできないが、余らせても勿体ない。

 

まあ、そのように、耕運機に回すガソリンは少ないってことさ。

 

どの道、ガソリンはいつかなくなるんだ、人間の手の届く範囲でできる農業をしなければ。

 

そもそも、ガソリンは、最低限の機械を動かす為の発電機に使ってるね。

 

なんとかして政府からの支援が欲しいところだね。

 

ガソリンについては政府に期待するって事で。

 

なければないで、やりようはあるけどね。

 

 

 

しかし……、持続可能な資源について頭を悩ませるようになるとは。

 

学生の頃、講義でレポートを書いて以来だね。

 




今TOKIO光を求めてってやる夫スレ読んだんですけどめっちゃ良かったですわよ。

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