ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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トリコ読んでる。


84話 天海新聞社

天海街の食料事情は、大体どうにかなっている。

 

今や、500円玉を握りしめて牛丼屋に行けば、大盛りの牛丼が一杯食える。

 

つまりは、崩壊前と変わらないくらいに、食料事情が改善しているのだ。

 

農業、漁業、鉱業、林業。

 

コーリン・クラークの示す一次産業は充実している。

 

全ては、ダンジョンのおかげだ。

 

天海街の周辺には、実に多様多種なダンジョンがあり、管理下に置かれている。

 

ダンジョンを維持して農園にしたり、ダンジョンでとれる山菜(ダンジョンの中に山があるのだ)や野草の類をとったりする。なお、ダンジョン産山菜野草も結構美味い。

 

そうじゃなくても、天海ポータルを通って外国から小麦や野菜が届く。

 

運送会社ガーベージから、日本各地の名産品や野菜も届く。

 

魚がとれるダンジョンもある。正確には、魚型のモンスターがいるダンジョンだな。海ダンジョンなどもあるので、それっぽい魚がとれる。

 

天海ポータルからは、主にヨーロッパ産の魚が流通。

 

ガーベージによる、日本の魚も多数流通。

 

鉱物がとれるダンジョンもある。余談だが、鉱物資源がとれるダンジョンでは、大体メタルゴーレムとかが出る。そして、メタルゴーレムのボディは鉄なので、適当な冒険者がゴーレムのコアを吹っ飛ばして、ゴーレムの鋼鉄ボディを拾って帰ってくるそうだ。

 

そうじゃなくても、ダンジョンの鉱物は、掘っても、人がいないうちに段々と再生していく。なので、実質無限に鉱物が得られる。

 

鉱物資源は、ガーベージから、主に山梨県芽久里市から届く。

 

林業については、ダンジョンの森から適当に伐採して持ってこれば良い。

 

トレントから作られた紙は、新日本円の紙幣にも使われるくらいに丈夫だし上質だ。

 

ならば、製造や建設、電気にガスなどの二次産業は?

 

大工などの人員はいるし、電気ガスは魔石発電で、因みに水道はスライム下水道で代替している。錬金術師や薬師もいるので製造業も回っている。

 

大工や施工管理者など、その手の人間は割と多い。天海街には十万人を超える人々がいるのだ、その手の建設のノウハウを持った人間も当然いる。

 

機材が動かない問題も、魔石発電で解決した。

 

電気ガス石油は、魔石発電で代替し、ガスと石油はなんと、ダンジョンからとれちゃうのだ。少量だが。

 

しかし、ダンジョンに機材を設置したら、ダンジョンに「食われる」から駄目だ。

 

農園として使用することは可能だ。作物には生命があるからな。だが、生命のない機材や、魔力の少ない物質はすぐに劣化して土に還ってしまうのだ。

 

だから、ダンジョンの石油を採掘するとなると、魔法金属製のプラントを作る必要があるが……、コストがかかる。

 

首都長野では、数機だけだが、総アムドライト製の石油採掘プラントがあり、それを使っているらしい。

 

天海街でも、同じようなものが数機稼働している。

 

製造業については、中級までの鍛治魔法を操る鍛冶屋、魔導具職人、薬師、錬金術師などが幾人か存在する。

 

例えば、屑籠屋で売っている武器なんかは、ダンジョンの宝箱やモンスターからのドロップアイテム以外にも、ヴァイスベルグのドワーフから買い取ってそれを売っている。

 

薬品は静馬市から買い取って売るし、工業製品は長野から買い取っている。

 

こんな感じで、天海街の産業には余裕がある。

 

これからは三次産業が発達すると思われる。

 

その中でも、今回は……。

 

「何だこりゃ?天海新聞……?」

 

マスメディアの発達だ。

 

 

 

今、俺の手元にあるのは、天海新聞という、A2サイズの紙束だ。

 

どうやら……、天海街の有志が集まり、新聞らしきものを書いているらしい。

 

ふむ……。

 

利権の匂いだ。

 

俺達、チームクズは、天海新聞社に乗り込んだ。

 

 

 

「ひっ!な、何ですか?!」

 

「これを書いたのはお前か?」

 

丸眼鏡の、気の弱そうなヒョロガリ男に話しかける。

 

「ひいぃ〜!す、すみません〜!」

 

男は、半泣きで土下座をした。

 

「いや、待て、怒っている訳じゃない」

 

「そ、そうですか?」

 

「お前、名前は?」

 

「東啓介です……」

 

「この新聞だ」

 

「わ、私達の新聞が何か?」

 

「内容は同人誌レベルだが……、情熱は感じられるし、書いてあることは嘘じゃない」

 

「わ、分かってくださいますか?!ありがとうございますぅぅ!!!」

 

「だから、出資させてくれ」

 

「はい?!」

 

俺は、目の前に新日本円の万札の束を出して、押し付けてやった。

 

「もっと人を集めて、大規模な会社にしろ。俺が社長だ。お前は編集長」

 

「は、ええっ?!」

 

「問題はあるか?」

 

「い、いえ、ありません……」

 

「これは俺の名刺だ。何かあればこれを見せろ」

 

「は、はいっ!」

 

 

 

東は方々を駆けずり回って人員を集めて、天海新聞社を結成。

 

週刊新聞を発行することになった。

 

そんな新聞を読んでみる……。

 

 

 

『天海新聞 5/19(月) 天海新聞社

 

《元老院、今年も夏季の営業時間自粛を要請》

今週、天海街元老院は夏季の営業はできるだけ、日中の間は室内で行うことを提言した。

天海街市民の皆さんも、日中の外出は控えて、早朝、もしくは夕方に活動しましょう。

また、冒険者の皆様におかれましては、不要不急の冒険は控え、出歩く場合は、スポーツドリンクなどを持ち歩くようにしましょう。

 

《氷魔石、屑籠屋にて販売中》

夏の暑さを感じる日々が近い。熱中症の危険は常につきまとう。

氷属性を封じ込めた氷魔石なら、持ち歩くだけで一日中ひんやりとした冷気を放ちます。

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氷魔石製品は、屑籠屋にて販売中。

 

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アイスクリーム大安売り!』

 

 

 

「ふむ」

 

上出来だな。

 

スポンサーの特権として、屑籠屋と運送会社ガーベージのダイレクトマーケティングを行なっているが、効果が出るかはまだ分からない。

 

しかし、三つ目の会社を手にしたことにより、利益は増えるはずだ。

 

赤字出すなら切れば良いしな。

 




トリコはバカでも読める作品だけど、僕はもっと厨二入ってる作品の方が好きです。
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