ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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ハガレン、アームストロング少将が性癖に突き刺さった。


85話 冒険者対BIG4 前編

天海新聞社はどんどん大きくなり、今では、三日に一度発行する新聞は、街中で大人気だ。

 

そして首都長野に逃げ込んだ漫画家や、天海街にいた同人作家などを集めて、漫画雑誌ジャプンを発行。

 

その他にも数本の雑誌を発行している。

 

まだ投資した分は回収できていないけれど、メディアの一部を掌握できたのは大きい。

 

この調子で権力を集めるぞ。

 

 

 

×××××××××××××××

 

 

 

私は、五条院椿。

 

『黄昏の魔女』ですわ。

 

今は……。

 

「やっ、やめっ、やめて!本当にやめてください、瑛里華さん!」

 

「オーッホッホッホ!!!心配はいらなくてよ、椿さん!わたくし、琴吹瑛里華が、BIG4のムンドゥスなる男をギッタンギッタンにして差し上げて、最強の称号を得るのですわー!!!」

 

私の友人にして、『薄明の魔法剣士』の称号を持つ、琴吹瑛里華さんの暴挙を止めています。

 

琴吹瑛里華さん……。

 

私の実家である、五条院家と同じくらい大きな規模の資本家である、琴吹家の令嬢。

 

因みに、『黎明の錬金術師』こと、西園寺隆聖さんと、『禍時の呪術師』こと、東雲貴一さんも、それぞれ、ご実家がかなり大きな資本家だそうです。

 

皆、同い年で顔見知りですね。パーティーなどでお会いしました。

 

瑛里華さんは、巻き毛に金髪で、イギリス人のハーフ。目がぱっちりと大きくてとても可愛らしくて、羨ましいわ。

 

隆聖さんは、細身で背が高い、ハンサムな男性。とてもモテるそうですね。

 

貴一さんは、少し童顔で、儚げな印象の美青年です。若く見られて大変だと仰られていたのを覚えていますわ。

 

そう、そして、瑛里華さんは……、その、なんというか、幼い頃から血の気が多くてですね……。

 

そして何より負けず嫌いで、最強という言葉に執着するところがあるのです。

 

合気とフェンシングの達人で、気にくわない人は、例え相手が殿方でも投げ飛ばしてしまう……、そんな方なんです。

 

危なっかしくて見てられませんわ……。

 

そして、今日、ついに。

 

天海街のアンタッチャブルに手を出そうとしているのです。

 

「瑛里華さん!やめてください!」

 

「椿さん、安心なさってくださいな!わたくしは最強でしてよ!」

 

確かに、静馬市では、瑛里華さんが最強だったわ。

 

私よりも、恐らくは強いでしょう。

 

ですが……。

 

「羽佐間さんには勝てませんわ!」

 

「誰も試したことがないのに、何故そう言い切れますの?わたくしが確かめて差し上げますわー!」

 

うーん……。

 

確かに、羽佐間さんと直接戦った人は、一人もいないと聞きますわ。

 

ですが、うーん……。

 

 

 

「決闘ですわ!!!」

 

「………………はい?」

 

「羽佐間義辰さん!貴方に決闘を申し込みますわ!」

 

「あー……、うーん……、良いよ」

 

 

 

その、次の日のことです。

 

天海街の沖に、特大のコロッセオができていました。

 

そして、私を含む、異名持ちの冒険者が集められて……。

 

「レディースアンドジェントルメン!本日は……」

 

半強制的に、冒険者が、BIG4に挑む展開に……。

 

どうしてなのかしら……。

 

あっ、あそこでBIG4の一人がトトカルチョの元締めをやっている!

 

小遣い稼ぎ感覚で戦わせられるのかしら、私達は……。

 

「ぐぬぬぬぬ!舐めやがってですわ!もう許しませんわよ!ギッタンギッタンのボッコボコにして差し上げますわ、羽佐間義辰〜!!!!」

 

そう言って、コロッセオに入場して、レイピアと、スキアヴォーナを抜いた瑛里華さん。

 

「『ファンクション:ストーム……』!!!」

 

ごう、と勢いのある突風が刃となって瑛里華さんのレイピアにまとわりつく。

 

「『……トラスト』ォォォッ!!!!」

 

そして、背中から風を放出しつつ、螺旋状の風を纏い、突進した!

 

しかし、驚いたことに、それを……!

 

「う、嘘でしょう?!!」

 

羽佐間さんは、指一本でレイピアの切っ先を受け止めていたのです!

 

「畜生ですわ!!!」

 

瑛里華さん、言葉遣いがよろしくないですよ?!

 

「『ファンクション:カッターサイクロン』ッ!!!!」

 

瑛里華さんが得意な風属性魔法ですわね。

 

アムドライト程度なら、シュレッダーにかけられた紙のようにズタズタにされてしまう風の牙の嵐が、羽佐間さんに襲いかかります!

 

「『ファンクション:破界』」

 

「んなっ?!滅茶苦茶ですわ?!!」

 

しかし、羽佐間さんが指を弾くと、『空間そのもの』にヒビが入り、瑛里華さんの魔法の嵐を破壊しました。

 

「このっ、ど畜生ですわぁっ!!!とっておきよ!!!『ファンクション:ゲイルストーム・ジ・エンド』ォー!!!!!」

 

風が荒れ狂い、うねる。雷が轟き、光る。人類が抗えない台風、天災そのものとなった瑛里華さんが、思い切り突撃する。

 

「『ファンクション:切界』」

 

「なあっ?!!」

 

しかし……、それも、羽佐間さんが軽く指を振るうだけで、真っ二つに切断され、台風は霧散してしまいましたわ。

 

「こちらから行こうか。『プロビデンス:ソドム百二十日』」

 

羽佐間さんがそう言うと、黒い木材に銀色の錠前がついた扉が空を覆い尽くすほどにたくさん現れ、それが一斉に開きました。

 

そこからは、黒くうねる、赤い血管のようなものが血走る触手の群れに瑛里華さんが追い詰められていき……。

 

瑛里華さんは必死に抵抗しましたが……。

 

「ぎゃあああ!!!グロいですわ!!!」

 

逆さ吊りにされてしまいました。

 

「こん……、のぉ!離しなさい!」

 

瑛里華さんはもがきましたが、羽佐間さんが……。

 

「俺の勝ちだ」

 

黒い触腕に牙を生やして瑛里華さんに突きつけた。

 

「ゔ、ゔゔ〜……!!!つ、次は負けませんわよ、覚えてらっしゃい!!!」

 

瑛里華さん、敗退……。

 

 

 

にしても、何ですかあの出鱈目な技は……。

 

私達が使う『ファンクション』よりも強い、大きな力を感じました。

 

確か、『プロビデンス』と……。

 

プロビデンス……、神意……?

 

『スキル』による『ファンクション』とは違う何か?

 

次元が違う……?

 

分かりませんわ……。

 

 

 

そして……、次は私の番。

 

まあ、これは、ある種の見せしめでしょう。

 

上級冒険者が束になっても敵わない相手であることを示す……。

 

私達、上級冒険者を、『殺さないように手加減して』倒す。

 

つまり、そう言うこと、ですわね。

 

 




強い女すき。

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