ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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89話 学院について

天海街の学校について話そう。

 

天海街は、崩壊前の世界のような、非合理極まりないカリキュラムが組まれている訳ではない。

 

別に偉そうに教育業界の批判をして悦に浸る趣味はないのだが、実際問題として、日本の義務教育には無駄が多かった。

 

俺は、圧倒的に勉強ができた人間で、小中学校の義務教育程度の知識なんて、小学校の前半期ですぐに身につけた。

 

だが、諸々のしがらみで、飛び級などはできなかったのだが……。

 

まあ何にせよ、俺はできる側の人間であるからして、できない側の人間に合わせる義務教育というものの価値がいまいち分からない。できない奴の気持ちは斟酌できないのだ。因みにそれは、他の教授達にも言えること。

 

だから、飛び級上等で無駄な授業を省いたカリキュラムを組んだそうだ。いや、俺は関わってないから知らないけどそうらしいよ。

 

これからの社会、大切なのは社会で生きるための煩雑な知識ではなく、崩壊した世界で生き抜くための知恵と、専門的な学識が必要となってくると、俺だけでなく、天海元老院も認識した。

 

つまりどう言うことか?

 

今までの社会では、実生活や仕事には必要のない知識でも、テストに合格するために身につけていたと思う。

 

何故、学力テストで合格したから、企業やら大学やらに入れるのかと言うと、それは、テストというのは実生活に必要のないような知識でも身につけられると言う『努力の証』にして、『努力できる人間である証』だからだ。

 

逆に言えば、実社会での仕事よりも簡単な『お勉強』すらまともにできないような奴が、実社会でまともに働けるのか?と言う話になる。

 

もちろん、勉強ができても仕事ができない奴も当然存在するだろう。

 

だが、仕事ができる奴は、皆須く勉強ができるのだ。

 

それに……、学力テスト以外で、人間の価値とはどうやって測れば良いのか、と言う話だ。

 

いやー、社長時代にね、いるのよ。

 

後付けのようにボランティアやりましただの、バイト頑張りましただの……。

 

まあうん、そんな感じで、学力テストは、人間の価値を測る、現時点では最適の方法である訳だ。

 

だが……、何度も言わせてもらうが、世界は崩壊したんだ。

 

テストに合格するための無駄な知識を詰め込むような余裕は、今の人間にはない。

 

壊れたこの世界で、微分積分や世界史やらを知っていたところで、どれほどの価値があるのか?って話だ。

 

なので、カリキュラムはスマートにさせてもらうとのこと。

 

まず、有名無実化している、道徳の授業のようなくだらないものは全カット。

 

技術家庭の科目の増加。DIYやら料理、掃除洗濯は自分でやらねばならない。その訓練だ。

 

英語の授業も増加させ、更に、文法よりも実践的な英会話を重視する。

 

何故かと言うと、天海街は今や、全世界とつながるハブ都市であるからして、英語能力が必須なのだ。

 

いやもちろん、翻訳の魔導具とかスキルとかあるよ?

 

けど、殆どの人は、翻訳系のスキルなんて得られないし、魔導具はかなり高価だ。冒険者にでもなって一山当てない限り、スキルも魔導具も得られない。

 

そして、第二外国語の導入。

 

これは、亜人語だ。好きな亜人の言葉を覚える。

 

数学、国語は減少。使い道がないからな。

 

地理は激減。何故なら、人間が使える土地が激減したからだ。そして、各地で地殻変動や環境の変化があり、教えられることそのものが少なくなっている。

 

歴史も減少。ただし、先ほども言ったが、この天海街はハブ都市。故に、他国の文化を尊重するために、世界史を中心に学ぶ。

 

理科も減少。やっても仕方ないからな。

 

体育は増加。今の世の中、身体が資本。冒険者志望者には武術を教えることも。

 

そして、生活サイクルも大きく変わった。

 

六歳から十五歳までを義務教育とし、学校は午前六時頃から開校。

 

昼の十二時まで六時間勉学に励み、午後は子供も労働に励む。

 

十五歳で卒業したら、『学院』か就職かの二択。

 

大抵は、午後の労働の時間に働いていたところで労働を開始するが、冒険者になると言う場合もある。

 

最早、未成年だ何だとか言ってられないので、冒険者になれる最少年齢は十五歳に。

 

学院では、人間の場合、入学試験がある。

 

高校入試ほどの難易度のペーパーテストと、任意の選択科目の基礎学力を問われる。

 

国語、数学、英語、理科、社会の五科目で、ボーダーラインとなる七割の点数を取れたら合格ライン。

 

それに付け加えて、国語、数学、英語、理科、社会のどれにも属さない科目の試験を受ける必要がある。

 

例えば体育なら、低ランクモンスターのソロ討伐。家庭科なら、栄養学的な知識を問われるペーパーテスト。技術なら、手作りの魔導具や電子機器のお披露目など。

 

追加で五科目のテストを受けても良い。

 

数学なら数I、数A程度の学力テスト、英語ならセンター試験並みの英語テスト。

 

五科目ペーパーテストは基礎学力を測り足切りし、専門科目テストは学院での研究ができるかどうかについて測定する。

 

一方で、亜人の入学資格はもっと緩く、亜人は、その種族の賢人と認められたものなら誰でも入学可能だ。

 

まあ、何にせよ、学院は人間にとって、狭き門である。

 

とは言え、合格すれば、返済不要の奨学金が月に二十万円ほど支給され、学費は全額免除。

 

事実上、月二十万円の給料をもらいながら学生をやることになる。

 

これは、天海街の税金で賄われている。

 

そんな金がどこに?と思われるかもしれないが、天海街は既に、数百万人もの人が集まる巨大都市なのだ。

 

現在の日本の人口の一割くらいは、天海街にいる計算になる。

 

それだけの人間が集まれば、自ずと、経済規模も大きくなると思わないか?

 

天海元老院が公開している資料によると、天海街の税収は、先月は一兆八千億円を超えていた。

 

これは、ぶっちゃけた話、暫定首都長野の税収を超えている。

 

この豊潤な税収で、学院を支えているのだ。

 

それに……、今現在、困窮していたとしても、未来への投資を怠るような国はいずれ死ぬ。

 

今日より明日なんだ。

 

 

 

長々喋ったが、つまり何が言いたいのかと言うと。

 

「女子高生は良い」

 

ってこと。

 




攻略サイトの通りに行動しても難しい。

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