ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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もう生存飽きたな……。


116話 生の映画日本編 その1

「はい!そんな訳で!今回はタツの精神にダメージを与える為に、新しい題材をピックアップしてきました!」

 

アーニーがそう言って、マーキングの位置を伝達魔法で送りつけてくる。

 

それを受け取りながら俺は、市場から購入してきた夏野菜を魔法で冷やしつつ、空間魔法からビールを取り出す。

 

「あら、良いわね。この国の夏では、野菜に齧り付きながら麦ジュースを飲むのが最高の快楽よ」

 

シーマはそう言いながら、俺がドカドカ出しているビールの山に手を突っ込んできた。

 

「あっテメェ、俺の保存空間に干渉魔法使いやがって!」

 

「良いから酒を出しなさい酒を」

 

「うるせー!これでも飲んでろ!」

 

投げつけたのは、シーマが麦ジュースと呼ぶビールとは格の違う、スウェーデン産の馬鹿みたいな度数をしたビール的な何かだ。

 

「へえ……、67.5%ね。それくらいなら、少しは酔えそうだわ」

 

「ねえアーニー、この女の肝臓に工業用フィルターをインプラントでもしてんの?サイボーグか何か?」

 

「知らないよ、君の嫁でしょ」

 

「サイボーグを嫁にした覚えはないんだよな」

 

「まあ確かに鉄の女って感じだよね」

 

そしてこっそりとハイネケンを手にしていたヴォルフと、バドライトを手にしていたアーニーが。

 

瓶開けも使わず、指で蓋を剥がして……。

 

瓶をぶつけ合う!

 

「「「「乾杯ー!!!」」」」

 

あ、因みに俺はエビスビールだ。

 

エビスビールは味が美味いからな!

 

一杯目はアサヒスーパードライでも良かったか?あれは雑に美味いからな。あれはあれで全然アリなんだよな。

 

キンキンに冷やした野菜に、塩を振って。

 

或いは、マヨネーズをつけて。

 

俺は、真っ赤なトマトに塩を振って、思い切り頬張った!

 

じゅわっ!と、果汁が溢れ出す!

 

口の中に広がる仄かな青臭さと、たっぷりの甘みと酸味!

 

それをすぐさま、冷えたビールで喉奥に押し込む!

 

「た、堪らねぇ〜!夏のトマト最高に美味い!!!」

 

アーニーは、七味マヨネーズをつけたきゅうりをパリッと。

 

「うっま……!あー美味い!水分が全身に行き渡るぅ〜!」

 

ヴォルフは、蒸し炒めにしたピーマンを齧る。

 

「おおお……!この苦味と甘味が堪らんな……!脳に響く旨味だ!」

 

シーマは、焼きとうもろこしを豪快に。

 

「はあ〜……、最高ね。人類は酒と肴の為に生きていると再び確信したわ」

 

何言ってんだこいつ。

 

「ところで、そのビールどうなんだ?全然泡立ってないんだが」

 

「味は普通にビールよ。アルコールが少し多いけど」

 

「お前ん中じゃ十倍を少しと表現するのが普通なんだな」

 

67.5%のアルコール度数と言えば、普通のビールの十倍を超えている。

 

「普通のビールはアルコールが感じられないのよ」

 

「ヤベーって、お前舌がイカれてんぞそれは」

 

「私の肝臓は私と違って働き者なの。常に働きたいと腹の中で叫んでいるのよ」

 

「おまけに幻聴もか。遂に終わったな」

 

「………………」

 

「痛ぇ?!!」

 

こ、こいつ、普通に剣で刺してきやがった……!

 

まあ効かないけど。

 

「けれど、味は本当に良いわよ?」

 

「どれどれ?……お、イケるじゃん!」

 

 

 

俺達は、夏野菜を使ったつまみをパクつきながらビールをがぶ飲みし、今回の「生の映画」について話し始める。

 

「で、今回は何だ?流石に、身体売って生活してる女とかはやめろよ?見ててもつまらんからな」

 

「僕は純愛派だからそう言うのは……」

 

「ハハッ、キモい。童貞かぁ〜?」

 

「いやぁ、普通に重婚してる気狂いに煽られんのは納得できないなあ。実際夜とかどうなってんの?」

 

「馬鹿娘共四人のケツ並べて愉しんでるよ」

 

「うわあ、何でそんな悪者っぽいことができるんだか……。よくもそんなことを!」

 

「環境テロリスト見習い女やめろ」

 

「ええ……、いや実際さあ、人間関係ギクシャクしたりしない?」

 

「してるぞそりゃ」

 

「ええぇ……、どうしてんの?」

 

「どうもしない。うちに居たいなら居りゃあいいし、抱かれたいなら抱いてやる。それだけの話だろ?」

 

「ハハッ、やっぱ、君イカれてるねえ。見てて飽きないよ」

 

「そうかぁ?」

 

「そうだよ。……で、今回は、そんな訳だから女の人視点だよ」

 

「アーニー君、女の子の覗き見してたのかい?お兄さんと一緒に警察行こうか」

 

「いやいや!そう言うアレではないから!……ちゃーんと、この世界を必死に生きている、映画みたいな人間だよ」

 

映画みたいな人間、ねえ……。

 

「荒木美幸、年齢は十六歳。崩壊前はもちろん学生」

 

ふむ。

 

「そして今は……、『教祖』のジョブについている」

 

……はあ?

 

「新興宗教、『ムンドゥス教』の教祖にして、姫巫女を名乗る、ユニークジョブの少女だ!さあ、是非見てくれ!」

 

はああーっ?!!

 




ライブアライブ、最終編でダレてきました。

短いとはいえストーリー性もクソもないダンジョンを複数は結構きつい。

何が知のダンジョンや、こちとら痴の作者だぞ。

そして新作、ぶち壊しタクティクスですが。

あえてプロットを作らずに、ライブ感のみで書き始めたら、事件が何も起きなくて草生えましたよ。

マジな話、ざっとキャラ案だけだして、「このキャラならこうするだろうな」という思考のみでやってます。ストラテジーゲームの世界のような感じで、とのことなので、ストーリーありきではなく、「その世界に生きる人々がどうするか?」という視点で書いているつもりです。

が……、まだキャラ案が固まっていないためか、上手く世界が回ってくれない……。

うーん、またキャラ案でも募集するかなあ……。

もういっそ、やる夫スレがごとく、展開を全部ダイスで決めるとかにする?

キャラ案募っても、ストラテジーゲーム世界、要するに戦記物なので秒で死ぬかもしれんからな……。

ってかそれより、次作の書き溜めせんと……。

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