やったーーー!!!
一番艦は旗艦、俺の住居にして、様々なプラントや娯楽施設がある。変形後の姿は、白亜の魔神。剣を武器として、時空間の切断が得意。万能で、得意なことはないが苦手なこともない。
二番艦は空母で、最も多くの機動兵器を収容しており、兵器の開発、生産プラントもある。変形後の姿は金色の化け物。マッシヴなシルエットで斧が武器。パワーは最強。
三番艦は電子戦艦で、めちゃくちゃな性能の量子コンピュータを馬鹿みたいな量搭載していて、こいつ一機で数千の惑星をまとめてハッキングできるらしい。変形後の姿は4本腕の細身の怪人で色は黄色。武器は杖。演算能力が最強。
四番艦は強襲揚陸艦で、半日あれば惑星一つを征服できる揚陸兵器を搭載。変形後の姿はオレンジ色で片腕が大きい奇形。武器は鋏になる巨大な刃物で、継戦能力が最も高い。
五番艦は戦艦で、多数の大砲を持つ砲艦。変形後の姿は赤くて正統派のスーパーロボット。武器はハルバード。戦闘能力が最も高い。
六番艦は海防艦で、バリアシステムを最も多く搭載している。また、中には生産プラント、医療プラントなどが多い。変形後の姿は緑で女性っぽい?武器は盾。防御力が最も高い。
七番艦は工作艦で、工業プラントだらけ。変形後の姿はガチガチで四角い茶色。武器はハンマー。最も器用。
八番艦は突撃艦で、馬鹿みたいな速さで敵に突っ込み、体当たりで破壊する文字通りの突撃艦。変形後の姿は尻尾がある紫の人型。武器は槍で、機動力が最も高い。
九番艦は狙撃艦で、数億光年離れた先の標的に対しても平気で当てる。変形後の姿はケンタウロス型の銀の鎧。武器は弓で、最も射程が長い。
十番艦は偵察艦で、何億光年先を観れるリアル千里眼。変形後の姿は細身の黒い悪魔で、武器は刀。最も偵察能力が高い。
十一番艦は補給艦で、生産プラントから自然環境プラントまで様々な、生産の鬼。変形後の姿は青い人型に生産プラントを背負うような形。武器は銃。生産能力が最も高い。
十二番艦は潜水艦で、雷撃装備が多数とステルスや多次元に潜伏するシステムを搭載。変形後の姿は浅葱色の妖魔で、武器は爪。最もステルス能力が高い。
「ふーむ」
『どうかなさいましたか、マスター』
「お前は、一番艦の制御AIなんだな?」
『はい』
「名前がないと不便だな」
『私達は、それぞれが固有の識別信号を持つので、名前がなくても不便には感じません。しかし、人間であるマスターには不便でしょう、名前をつけて下さって構いませんよ』
じゃあ、十二隻だし、そうだな。
「一番艦は白羊宮、制御AIはアリエスと名付ける。以下、十二番艦まで順に同じように名付ける」
『了解しました』
「それじゃあ、それぞれアバターを作成して、ホログラムでこの部屋に来い。できるか?」
『可能です』
すると、五分としないうちに、十二人の男女が部屋に現れた。
「アリエスです」
「タウルスよ」
「ジェミニだよ!」
「キャンサーですわ」
「レオだ!」
「ビルゴです」
「ライブラ」
「スコルピオでーっす!」
「サジタリウスである!」
「カプリコーンでござる」
「アクエリウスさ」
「ピスケスよ」
男、女、男、女……、六人づつ。
「自己紹介は?」
「私達も産まれたばかりですから、紹介するほど自己がありません」
とアリエス。
容姿は、そうだな。
アリエスが執事服の美青年で白髪、優しげなイケメン。日本のアイドルなんて目じゃない、西洋人風のイケメン。
タウルスが背の高くて胸がでかいスタイルの良い女。金髪をポニーテールにしている。服装はアメリカンなチューブトップと短いジーンズ。
ジェミニが利発そうな美少年。所謂ショタとか男の娘ってやつで、女装すれば女の子に見えるだろう。髪は黄色。貴族風のベストを着ている。
キャンサーが巻き髪にドレスのお嬢様風の女。高飛車そうに見えるが、少し切れ目で美人だ。髪はオレンジ色。
レオが短い赤い髪の、一昔前のロボットアニメの熱血主人公みたいな美男子。背も高く筋肉もあり強そうだ。服装は軍服っぽくも見えるが派手な赤コートと指ぬきグローブ。
ビルゴが事務員っぽい制服に眼鏡と緑髪ロング。華奢で女の子らしい。胸は控え目で、職場の理想の女の子って感じ。可愛い。
ライブラが茶髪の大男。ゴリマッチョで強そう。作業着に黒のタンクトップで職人っぽい。
スコルピオは紫髪くるくるロングヘアのロリ。黒ゴスロリの美少女。良いねえ。
サジタリウスが銀髪の色男。鎧っぽい服?軽装鎧?イケメンって言うよりはハンサムってイメージかね?割とマッチョで背も高い。
カプリコーンは黒髪ショートの和風美少女。袴で和風な服装。雰囲気は侍って感じ。
アクエリウスは青髪の長髪がふわっとしている、アーティスト風の優男。おっとりした優しげな顔と細身な身体。服装はお洒落なスーツ。
ピスケスは浅葱色の髪を一部編んである、怖そうな女。美人だが、背が高く、女マフィアのような威圧感がある。切れ目で赤のハイヒールに黒のスーツの上に派手なコートを羽織る、女傑って感じの女。
んー!
「キャラが濃い、百点!」
因みに俺は長めの黒髪で軽薄そうな色男とよく言われる。服装は赤い半袖シャツとジーパン、シルバーアクセ、革靴。
「ありがとうございます」
「えー、めっちゃ面白いじゃん!髪の色とかさ、キャラとかさ、ウケ狙い?」
「はい、マスターに喜んでいただけるような姿に設定いたしました」
「サイコーだよ君ィ!おもしれーな!その姿のままで擬似的に肉体とか作って、それを遠隔操作するのとかできる?」
あの、ティ◯リアみたいな。
「可能です」
「じゃあ後でやっといて!面白そうだ!」
それと……。
「異次元にワープとかできる?」
「可能です」
「じゃあ、暴れても良い異次元で兵器の試し撃ちしようぜ!変形するとこ見たい!」
「了解しました」
船の中からじゃ見えないが、全機ワープしたらしい。
「では、カプリコーンの次元観測装置を利用し、私達を外部から撮影します」
立体映像モニターに艦隊の姿が映し出される。
「うおぉ、カッコいい……!!!」
「変形します」
「ウヒャアああああ!!!良い!素敵!すこ!!!」
あ、でも。
「これ、武装に名前が付いてないの、寂しいな。なんか名前つけておこう」
主兵装一とか、副兵装一から三とか機構一とか、そう言うのは寂しい。
兵装の名前をそれぞれ考える。
その間に変形シーケンスは完了しており、十二体の巨神達が異次元空間に並び立った。
「では、主兵装一、『魔剣アンサラー』を使用します」
白羊宮が正気を疑う速度で移動して、アンサラーという大剣を振り回す。
「機構一、『ディメンションディバイド』発動」
時空間が切り裂かれる。
「カックイイ〜……!!」
「副兵装一、『タキオンレイ』発射」
加速粒子砲が異次元を切り裂く。
良い、実に良い。
最高にカッコいい。
他十一体の兵装、機構をそれぞれ見て、大体の性能の把握に一ヶ月、それぞれの艦の見学に半年。色んな訓練に数年かけて、二十歳くらいの肉体年齢の頃に不老不死薬の服用、ナノマシンを身体にぶち込んで調整。
そして……。
「じゃあ、俺がマスターに超能力訓練をしてやるぜ!!」
ビルゴの脳開発を受けた後、レオ教官による超能力訓練。
「因みに、俺達十二宮全員が訓練するからな!」
「そうなの?」
「ああ!擬似肉体では出来ることが限られているからな!超能力くらい使えないと、マスターを守れないだろ?」
「やだ、カッコいい」
アリエスはテレポーテーション。空間転移。
タウルスはパワーゲイン。肉体強化。
ジェミニはプレコグニション。未来予知。
キャンサーはウインドブラスト。疾風操作。
レオはパイロキネシス。発火能力。
ビルゴはバリアフィールド。防壁展開。
ライブラはエレクトロボルト。電気操作。
スコルピオはライトブリンガー。光子操作。
サジタリウスはフロストバイト。冷気操作。
カプリコーンはクレヤボヤンス。遠見透視。
アクエリウスはヒーリング。治療回復。
ピスケスはイリュージョン。幻影操作。
それに加えて、それぞれが艦の主兵装である武器で訓練しているらしい。
「でもお前らが有能過ぎると、俺がやることなくない?」
「そうかもな。だが、逆に聞くが戦いたいのか?」
「ちょっとは」
折角超能力とかあるなら、ねえ?
「ちょっと、くらいなら、俺達が前に出るから、頑張り過ぎないでくれよ」
「うぃーっす」
俺?俺は普通にサイコキネシス。念力操作。
まあ、そんなこんなで三年程訓練訓練。
ナノマシンの補助もあり、そもそも未来的な兵器はインターフェイス面がクソ優秀なので、特に苦労することもなく、機動兵器の使い方、艦隊指揮、直接戦闘なんかを覚えた。
さて。
「んじゃあ、通常の次元に戻って……」
「どうするんだ?宇宙征服でもするか?」
「……どうすっかな?」
どうすっかな。
めっちゃ頑張った。