ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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ノースティリスの冒険者はハルケギニアの魔法を覚えられるのか……。


3話 メイドのパンティは食べた

あなたはルイズに連れられて、教室へやってきた。

 

授業の時間だそうだ。

 

あなたは、このハルケギニアの魔法に興味があったので、その授業とやらを見物してやろうと思った。

 

あなたは、ルイズの隣で、お気に入りの★ボスチェアに腰掛け、ビアを飲みながら授業を聞く。

 

「皆さん、春の使い魔召喚は大成功のようですわね!」

 

教壇に立つのは太った年増だ、あれでは食うのにも犯すのにも適さない。あなたは、興味のないものには触れない。

 

「あら?変わった使い魔を召喚したものですね、ミス・ヴァリエール」

 

「こんの、バカ!バカ!何で貴族より偉そうなのよ!この、このバカ!」

 

何故かルイズは先程から罵倒してくる。

 

朦朧は無効だが、罵倒されて気持ちのいいものではない。

 

あなたはいつだって罵倒する側、サディストなのだ。

 

故にあなたは、冒険者らしく、ルイズに罵倒を返した。

 

黙れメス犬。

 

と。

 

「な、な、な、なぁ?!!メス犬?!この私をメス犬ですってぇ?!!」

 

顔を真っ赤にして怒るルイズ。

 

「はっはっはっ、ヴァリエールは自分の雇った平民も躾けられないのか?」

 

飛んでくる野次。

 

「うるさいっ!それに、こいつはこんなんでも一応メイジよ!」

 

と、言い争いをしていると、太った年増が騒ぎ立てた生徒達を黙らせる。

 

授業の時間のようだ。

 

あなたは脚を組んで、頬杖をつきながら授業の様子を眺める。

 

魔法の四大系統、失われた虚無……。初歩的な話が進む。

 

欲を言えば、もっと実践的な話を聞きたいところだが、学校の授業程度では望み薄だろう。

 

「今から皆さんには土系統の基本である錬金の魔法を覚えてもらいます」

 

すると年増は、軽く杖を振るって呪文を唱えると、目の前の石ころを真鍮に変えた。

 

「ゴ、ゴールドですか?!ミス・シュヴルース?!」

 

赤毛が身を乗り出して聞く。

 

「いいえ、真鍮です。ゴールドを錬金出来るのはスクウェアクラス……、私はただのトライアングルです」

 

「なぁんだ」

 

スクウェア?トライアングル?何のことだろうか?隣のルイズに尋ねてみる。

 

「メイジの等級みたいなものよ。ドット、ライン、トライアングル、スクウェアの順に優れているの」

 

あなたはまた一つ目標を得た。

 

スクウェアクラスのメイジの捕獲である。

 

スクウェアクラスのメイジを捕獲して、持ち帰り、愛するペット達に遺伝子合成を行うのだ。そうすれば、このハルケギニアの魔法を使えるペットが誕生するのではないか、という見通しだ。

 

そんなことを考えていると、年増から声がかかる。

 

「ミス・ヴァリエール!授業中に私語は慎みなさい!」

 

そして。

 

「お喋りをする暇があるのなら、あなたにやってもらいましょう!」

 

「え?私?」

 

すると、方々から危険だと言う声が上がった。何故だろうか。

 

「ルイズ、やめて」

 

「やります!」

 

緊張した顔で教室の前へ歩いていくルイズ。

 

あなたは少し嫌な予感がした。

 

すると。

 

爆発。

 

爆発が、起きた。

 

轟音の波動だろうか、ルイズを中心とした音属性の、いや、魔法属性だろうか?兎に角ボール系魔法だ。

 

爆風に驚いた使い魔達が暴れ出し、大騒ぎが起きる。

 

「ちょっと失敗したみたいね」

 

「「「「ちょっとじゃないだろ!ちょっとじゃ!!」」」」

 

 

 

「……何で何も言わないの?」

 

何故か、ルイズの吹っ飛ばした教室の片付けを命じられたあなた。あなたは片付けなど基本やらない、メイドにやらせるので、四苦八苦しつつも手伝った。

 

しかし、何の話だろうか?さっきの見世物だろうか。

 

「見世物、ですって?」

 

轟音の波動の亜種だろうか、上手く使えば相手を『気絶』状態にできる魔法とは。是非自分にも教えて欲しいとあなたは優しくお願いした。

 

「バカに、してるの?」

 

あなたは、バカにしてなどいない、単純に戦術的に価値がある魔法だと評価した。

 

「価値が、ある?でも、私はゼロなの。魔法成功率ゼロ。ゼロのルイズ……。真っ当なメイジであるあんたなんかに、私の気持ちは分からないわ!」

 

……少なくとも、才能はあるとあなたは思っている。

 

「嘘よ!」

 

ノースティリスで最強の冒険者であるあなたをピンポイントで呼び出しておいて才能がないは通用しないことをあなたは告げた。

 

「何それ、強いあんたを呼び出した私は才能があるって言いたい訳?」

 

平たく言えばそう言うことになる。

 

「無茶苦茶よ……。でも、慰めてくれたのね。その、あり、がと」

 

 

別に慰めた覚えなどないが。

 

あなたは正当な評価を下したまでだ。

 

何勝手に立ち直っているんだろうこの女は、とあなたは思った。

 

「台無しよ!!」

 

 

 

そんなこんなで、依頼主の命令通り片付けを手伝ってあげた善人のあなたは、暇つぶしに散歩をしていた。

 

この魔法学院の地理も把握しておくべきだとあなたは思ったからだ。しかし、見ず知らずの土地を歩くのは楽しい。良い刺激になる。

 

「あの、あなたは?」

 

あなたがウキウキ気分で散歩していると、女の声が。

 

……メイドだ。

 

メイドとなれば、機嫌を損ねれば焼身自殺するだろう。火事にでもなったら事だ。

 

丁重に扱わねば。

 

「新入りの衛兵さん、じゃないですよね、凄く綺麗な鎧ですから」

 

自分は、ルイズに召喚された冒険者だと告げた。

 

「ああ、ミス・ヴァリエールの召喚した傭兵さんですね!」

 

いや、冒険者である。職業的にはクレイモアだが。

 

しかし、見目麗しい美女だ。

 

犯してしまおうか。

 

あなたは、手持ちのウイスキーを渡した。

 

「え?お酒?くれるんですか?あ、ありがとうございます?」

 

……何故飲まないのだろうか?

 

「お仕事中ですから」

 

ダムイット、あなたは悔しがった。

 

これでは気持ちいいことができない。

 

美しい女を犯すのはあなたの趣味だと言うのに。

 

「何か、お礼を……、そうだ、お昼はまだでしょうか?」

 

そう言えば昼だ。あなたはまだ昼食を済ませていないことを告げる。

 

「良かった、それなら厨房に来て下さい!賄いでよければ、食べ物を!」

 

食べ物か。

 

あなたとしては目の前のメイドを食べたいのだが。

 

「へ?も、もう!お上手なんですから!」

 

冗談を言ったつもりはないが、冗談だと思われたようだ。

 

 

 

「はい、どうぞ」

 

あなたは、賄いのシチューを食べ始めた。

 

……中々だ。

 

具体的に言えばランク6、コロッケくらい美味い。

 

だが、美食家のあなたはやはり、人肉が一番だと思った。

 

「どうでした?」

 

中々に美味かったと正直に告げたあなたは、メイドに何かイベントはないかと尋ねる。

 

「イベント?いえ……?」

 

プチを匿ったりしてないか、と尋ねる。

 

「プチ?いいえ?」

 

……どうやら何も起きてないようだ。

 

この学院の人間にエイリアンが寄生しまくれば中々に面白いと思ったあなたは、いずれエイリアンを用意しようと心に誓った。

 

「それじゃあ、私はデザートを配って来ますね」

 

……もしや、それがイベントなのだろうか?

 

デザートを配ることによって何かが起き、結果このメイドのパンティが貰える……、そんなことが。

 

その可能性は十分にあると認識したあなたは、デザート配りの手伝いを名乗り出る。

 

「良いんですか?」

 

その代わり、またここで食料を分けて欲しいと伝える。

 

「分かりました!」

 

快諾してくれたメイドの『シエスタ』に感謝し、パンティを獲得する第一歩を踏み出すあなた。

 

給仕の真似事など、今までしたことはないが、器用スキルカンストの身としてはこれくらい苦でもない。

 

「おい、ギーシュ!お前、今は誰と付き合ってるんだよ!」

 

「誰が恋人なんだ、ギーシュ!」

 

ん?

 

あなたは、金髪の少年が取り巻きの男に囲まれて、自慢話をしているのが目に見えた。

 

「ふっ、薔薇は特定の誰かのために咲くんじゃない、美しい女性皆のために咲くのさ!」

 

なん、だろうか。

 

あれだ。

 

ポート・カプールで出会った、あなたにペットを寄越せと言ってきた男を思い出した。

 

……思い出しただけでイライラする。

 

目の前の少年を惨殺することに決めたあなたは、トレイを置き、一歩前に出た。

 

すると。

 

「あっ、ちょっ、君!!」

 

ぐしゃり、と、足元からガラスか何かが割れる音がした。

 

そして、そこから漂うフラグレンスな香り。

 

察するに、この少年の落し物を踏んだと言ったところだろうか。

 

「落し物?!い、いや、その、それは」

 

 

何だろうか、歯切れが悪い。

 

落し物なら拾っておいてカルマ上昇の手段の一つとしたかったのだが……。

 

あなたは、普通に生活しているだけなのに、何故かカルマが下がってしまうことが多々ある。

 

免罪符があるかどうか分からないこの世界で、カルマ上昇の手段を持っておきたかった。

 

「それは、ミス・モンモランシーの香水じゃないか?」

 

「その紫の小瓶はモンモランシーのだ、間違いない!」

 

「それをギーシュが落としたってことは、お前は今モンモランシーと付き合っているんだな!」

 

「ち、違う!良いかい?彼女は……」

 

少年が何かを言いかけたとき、近くのテーブル席に座っていた少女が立ち上がり、少年の元へ向かった。

 

「ギーシュ様、やはりミス・モンモランシーと……」

 

「ち、違うんだ、ケティ!彼らは誤解している!僕の心に住んでいるのは君だけ……」

 

しかし、少女は、少年の頬を引っ叩くと、さようなら!と言い残して駆け出して行った。

 

そしてお次は巻き髪の少女。

 

巻き髪は、カツカツと靴を鳴らして歩いて来て、少年に怒りの声を浴びせた。同時にワインも浴びせた。

 

上等なワインが惜しみなく少年にぶっかけられる。

 

「嘘つき!!」

 

去っていく巻き髪。

 

そして、訪れる沈黙。

 

少年は、ハンカチで顔を拭う。

 

「ふ、ふふ、あのレディ達は薔薇の存在の意味を理解していないようだ」

 

……。

 

さて、殺そうか。

 

「待ちたまえ」

 

何だろうか、命乞いには早いが。

 

「君のせいで、二人の女性の名誉が傷ついた!どうしてくれるんだね?」

 

 

あなたには、少年の言葉の意味がよく分からない。

 

「だから、全ては君の不注意のせいだと言っているんだよ!」

 

 

あなたは、自分に過失はないと思った。

 

落し物を落としたのも、落とした人間が悪い。ペットである女の友好度が下がったのも、飼い主である少年が悪い。

 

どれもこれも少年の自業自得ではないか、と。

 

「ぐ、ぬぬぬぬぬ!自業自得だと?!それに、女性をペットだと?!!」

 

 

これまた、何かおかしなことを言っただろうか。あなたの価値観では、女性はペットか食料だ。

 

飼い犬に手を噛まれるとは正にこのことでおじゃるな!あなたは煽った。

 

「貴様ぁ!平民の分際で!!」

 

平民?自分は冒険者だ。

 

「は?貴様、は、どこかで見たと思ったら、あのゼロのルイズの使い魔か。はぁ、傭兵崩れに貴族の機転を期待した僕が馬鹿だったよ。もう良い、行きたまえ、野蛮人」

 

あなたは、目の前の少年の襟首を掴んだ。

 

ルイズを馬鹿にするのは構わない、しかし、自分を馬鹿にする者はタダじゃおかないぞ!と。

 

あなたは、煽るのは大好きだが、煽られるのは大嫌いなのだ。

 

「っ、い、良いだろう!そこまで言うなら決闘……、ん?あれ?ルイズは馬鹿にされても構わないのか?あれ?」

 

よし、決闘か、良いだろう。

 

「待て、いや、貴様は使い魔としての自覚が」

 

場所はここで良いのだろうか?公開処刑の場所くらい選ばせてやるぞ、とあなたは宣告した。

 

「あ、え、えっと、いや!分かった、決闘だ!そこまで言うなら決闘だ!場所はヴァストリの広場だ!逃げるなよ!」

 

良いだろう、さあ、案内しろ。あなたは件の広場へと歩みを進めた……。

 




普通に生活しているだけでカルマが下がってしまう。
→核による突然の虐殺
→遊び半分で貴族の子供を嬲り殺しに
→人間牧場
→街中でエイリアンやキューブを放つ
→放火
→終末

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