ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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寿司うめー。


15話 目標決定

「ふんふんふーん、ふんふふーん」

 

俺は、手を後ろで組みながら、ビルゴの周りを回りつつ、鼻歌を歌っている。

 

「あ、あの、マスターさん、変な絡み方は勘弁してもらえますか……?」

 

エロ親父にセクハラされている物静かなOLのように、心底やめてくれと言う顔をしているビルゴ。

 

良いね、滾るぜ。

 

「ヒュウィゴッ!オケッ!イェア!!!」

 

「マスターさあん……」

 

「うし、とりあえず、この一週間、ビスト人の教師をやって、どうだ?」

 

俺は、ビルゴ先生に、ビスト人の育ちっぷりを尋ねる。

 

「ああ、その件ですけど、ビスト人の知能と身体能力は素晴らしいですね!身体能力は人間の倍以上、知能もかなり高いです。これなら、初等教育のカリキュラムを、更に一年短縮できるかもしれません」

 

あらあら、そうなの。

 

どうやら、まだ一週間しか経ってないのに、ビスト人は優秀であることが分かったそうだ。

 

「そもそも、ただの人間と、進化した強化人類である彼らを比較すれば、人工的とはいえ次のステージに進んだ彼らの方が優れているに決まってますよね?」

 

そりゃそうだ。

 

ただの人間と、遺伝子レベルで人間より上の生命体に進化したビスト人を比べたら、ビスト人の方が上に決まっている。

 

「恐らく、ビスト人などの、他種生命の遺伝子を取り入れて進化した人類は、その優れた知能や身体能力を恐れられ、迫害されているのでは?」

 

「ユダヤ人みたいな?」

 

「うーん……、そうなんでしょうか?ユダヤ人と他民族ほどの開きよりも、ビスト人と人間の性能差は大きいかと。とにかく、彼らは、かつては自己の存在を恣意的に改変できるほどの超技術を所有していた種族であることは確かですね」

 

うーむ?

 

「何でそんな超技術があったのに、人間なんかの奴隷にされてるんだ?」

 

「戦闘に関する技術が少なかったからでしょう。調査によると、彼らは、他者に対して友好的で、道徳心も高く、無駄な争いを嫌っています。国家という枠組みもなく、他の種族に対しても、なんの見返りもなく施しをするような種族ですから」

 

はあ?

 

「頭の中お花畑かな?」

 

「いえ、この広い宇宙で生き残るには、争い、他者から奪う力よりも、自ら作り出し、分け合い、融和する力こそが重要だと、ビスト人達の祖先は考えたのでしょう」

 

んー……。

 

そう言われりゃ、そうかな。

 

戦国時代の武将共は、戦って奪うことしか考えなかった。だから、裏切り、裏切られ、死にまくった。

 

得てして、他人から奪おうって魂胆の奴は、長く生きられない。

 

「ビスト人など……、そうですね、亜人と呼びましょうか。亜人は、この千年間程で、殆どの技術や文化を奪われ、隷属させられています」

 

「何て酷いんだ!人道に反する!」

 

キレてみる。

 

「心にもないことを言うのはやめてもらえますか……?」

 

バレテーラ。

 

「まあ、やられる方が悪いからな……」

 

亜人はアホだな。

 

人間の悪辣さを見誤った、それが敗因だ。

 

 

 

『名声ゲットでヘイト集め!〜挑発するのがナイトなんじゃない、挑発してしまうのがナイト〜』『幸せアピール:達成』『培養料理店クライマーキッチン〜そして財閥へ〜』『俺がそれなりに勉強する:頑張るぞい!』

 

『亜人奴隷集め!〜散々見下してた亜人が金持ちになってどんな気持ち?ねえどんな気持ち?〜』

 

「やります」

 

俺は、トゥエルブサインを集めて、白羊宮の会議室の電子ボードにメモを書いて、言った。

 

「「「「………………」」」」

 

何も言わないトゥエルブサインに、俺は笑顔で語りかける。

 

「とりあえず、そこら辺の亜人拾って、教育してハーレム作って、会社作って、そこで亜人を働かせて、世界最大の財閥になって、見下していたはずの亜人達がリッチに!みたいな!どう?面白そうじゃね?!」

 

「はあ……」「まあ、いいんじゃないですか?」「うん……」

 

おっと、テンションが低いぞトゥエルブサイン!

 

「アゲて行こうぜ!!!」

 

俺はジャケットを脱いで振り回し、奇声を発する。

 

「マスター、一度精神鑑定をお受けすることをおすすめします」

 

とアリエス。

 

ひっどーい!

 

「おれは、しょうきに、もどった!」

 

席に座った俺。

 

「さて……、それで、話を戻そうか」

 

「「「「はあ……」」」」

 

「えっと、確か、ティム・バートンとヒース・レジャー、どっちがジョーカーに相応しいかって話だったな。俺はやっぱり、ダークナイトの時のヒースの演技が……」

 

「孤児を拾い、教育するという話です」

 

え?

 

あー?

 

「いや、とりあえずそれは置いといてバットマンの話しようぜ」

 

「駄目です」

 

 

 

俺は、トゥエルブサインに、ヒースの演じたジョーカーの素晴らしさを小一時間語りスッキリした後に、今後についての会議をした。

 

俺は可愛けりゃ肌が赤かろうと何だろうと普通に抱ける自信があると宣言したところ、アリエスによる精神鑑定(強制)が始まり、特に異常がないことが分かったので解放される。

 

フェーザ人の女の子は、おまんまんが総排泄孔なのか死ぬほど気になると言ったら、ビルゴに脳鑑定(強制)され、異常がなかったので解放される。

 

そんなちょっとしたアクシデントもありつつ、結論はこうだ。

 

「18歳以下の孤児を集めて、5歳以上の子供に三年間の初等教育。その後、二年間の中等教育の後に、高等教育もしくは職業訓練を行う……、これでよろしいでしょうか?」

 

アリエスが言った。

 

「五年間の義務教育とかパキスタンかな?」

 

「亜人の知能なら、五年もあれば十分です。それに、学習は、体育や、グループ学習の場合を除き、基本的にはアンドロイド教師によるマンツーマンのレッスンを行い、順次定期テストを行い、基準点に達さない生徒は留年という措置をとります」

 

うーん、なるほど。

 

「厳しい……、厳しくない?」

 

「マスターの望みは、『虐げられる立場であるはずの亜人や孤児がこの世界の人間を見返す』ということなので、積極的に学ぶ姿勢を持てない怠惰な存在は不要でしょう」

 

まあ、そうだけどさ。

 

「マスターは、『恵まれない子供達』に施しをして悦に浸るセレブのような精神構造ではなく、単純に、『世界に対する嫌がらせ』としてやっていると思えます」

 

うん。

 

「あらかじめ、こちらで、遺伝的に知能や身体能力、外見的な美しさが優れているものだけを選別し、マスターへの忠誠心を植え付けます」

 

「オッ、良いねえ、ナチってるねえ!」

 

ってか、遺伝子で優れているかどうかとか分かんのかな?

 

「我々は、人間の遺伝子や脳機能を百パーセント解析しました。亜人の遺伝子データも買い集め、完全に把握しています。その気になれば、マスターやマスターの愛人を『量産』可能ですね」

 

ヒューッ!

 

「やりますねえ!」

 

面白いじゃん。

 

「そういう訳ですから、わざわざ拾って来なくとも、こちらの生産プラントで人間や亜人を『創れます』が……」

 

違うんだよなあ。

 

「実際に虐げられてきた人間や亜人が逆襲するから面白いんだろ?」

 

「……とのことですので、明日から、遺伝子的に優れた孤児を集めましょう」

 

「りょ」

 

それじゃ、やろうか。

 




あーーー、メガテンも書かなきゃ!ほんへも書かなきゃ!あーーー!

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