「パパぁん……」
「やめて?」
「えー?男同士って気持ちいいよー?」
「いや俺ホモじゃないんで」
「一度やればハマるよ!」
「やらんて」
青髪をセミロングに伸ばした魚人、フィシュ人のニコライが俺に迫る。魚人と言っても、SAN値が減るタイプではなく、人外ものファンタジー系の、黒いお酢の世界観だ。
艶かしい青肌を、パンクファッションな黒い服からちらりと覗かせて、男とは思えない華奢な身体でもたれかかる。
俺の股間を擦りながら、太ももの上に座り、しつこくキスをしてくる。
まあ、見てくれはかなり女っぽいし、嫌な臭いもしない。びっくりしたことに、相手が少年だと言うのに、キスをされることに抵抗感があまりないのだ。
……そもそもなんでお前は男なのにスカートを履いているんだ。何だそのチェック柄の赤いスカートは。
「ニコライ、無理に媚びなくても、ちゃんと勉強は教えるし、食事でもなんでもやるよ」
その分働かせるがな!
「無理に媚びてる訳じゃないよ?僕は強いオスが好きなだけ」
胸板に頬ずりするニコライ。
「トゥエルブサインを紹介してやるから……」
「無理無理、あの人達、籠絡されるタイプじゃないもん。パパが一番、僕のことを可愛がってくれそうなんだよねー」
「俺を籠絡してどうする?」
「べっつにー?僕が欲しいもの、もう貰っちゃったし」
ほう?
「何が欲しかったんだ?」
「安全な寝床、美味しい食べ物、綺麗な服。それと、愛情かな?」
「愛情?」
別にそこまで愛情を向けた覚えはないんだが……?
「言っておくけど、亜人には、パパが思っているような最低限の愛情すら貰えない子がいっぱいいるんだよ?僕も情欲を向けられたことはたくさんあるけど、パパみたいに、普通の子供扱いして愛してくれる人なんていなかったもん」
ほーん……。
まあ、俺も人の子だし、ガキ相手に本気の嫌がらせをやろうとは思わない。
孤児のガキなら、今まで苦労した分美味いものでも食わせてやろうか、くらいの気持ちはある。
思いやり、優しさ、友情。それくらいはインプットされてるんだよ。俺は正義超人だからな。
……俺に余裕があるうちは優しくするが、今後余裕がなくなればその辺りは分からんが。
「だから僕達はみーんな、パパが大好きだよ!これ、リップサービスじゃなくって本当のことだからね?」
「どうだかな」
「えー?本当だよー!」
まあ、何にせよ……。
「とりあえずは、しっかり食事して、体力をつけろよ?そしたら頑張って勉強しろ。頑張れば、いずれ会社を任せるから」
「どんな会社?」
「うーん、最初は培養食品の製造と販売を予定しているんだが……、他にもできることがあれば提案してくれ。最初の金は出してやる」
「じゃあ、僕は風俗街を作りたいなー」
「おー、やれやれ」
「僕ね、楽しいことが好きなの。本とか、映画とか、美味しい食べ物とか、お昼寝とか。それとセックスも」
「おう」
「昨日ね、宝瓶宮のディスティニーランドって言うテーマパークに行ったの。すっごく楽しかった!あんなのを世界中に作ったら、面白くないかな?!」
「やってみろ」
と、そんな話をしていると、同じ部屋の中にいたヘルムートが言った。
「ニコライが風俗関係に進むならば、俺は軍事関係に進みたいと思います」
ヘルムートはレプト人の少年だ。赤肌と黒い鱗、そして長い黒髪と精悍な顔つき。
「俺は、PMCと言うものを作りたいです。兵器をたくさん作り、運用して、武力を売る組織を作りたい」
「おう、やってみろ」
「はっ!御父様の為に頑張ります!」
お堅いなあ。
次に声を出したのは、フェーザ人のユリシーズ。
「うーん、じゃあー、僕はー、民間用の食品とかー、機械製品とかー、そう言うのをやり取りしたいなー」
間延びした声で言う。
「良いんじゃないの?」
「やっぱりー、民間品も利益率は高いしねー。この前食べた培養食品とかー、あれ、売れるよー!食品工場を作って、亜人を雇って雇用を確保しよー!お父さんも、ファミリーが増えると嬉しいよねー?」
とのこと。
そして、セクト人の謎めいた少年、ラモンはこう言った。
「では、私は情報や経済を。マスメディアの力は大きいですからね。全世界の情報を集め、売買する……。なんとも魅力的な響きなのでしょうか!」
「好きにしろ」
「そうすれば、偉大なる父上様のお役にも立てますし、何より、世界を知れるのは喜ばしい。私は知りたいのです、世界を」
とのこと。
最後に、ビスト人の不良少年、イヴァンが言った。
「なら俺は……、マフィアだ。裏社会を牛耳ってやる。表向きには……、花屋なんてどうだ?ハハッ、まあ、そんな感じだな」
「良いな、カッコいいよ」
「親父の役に立つとかはよく分からねえ。けどよ、俺は誰にも馬鹿にされたくねえんだよ。俺が奪う側になるんだ!」
とのこと。
まあ……、好きにすりゃ良いんじゃね?
こんな感じで、ガキ共は概ね、俺に従う意思を見せている。
そして、ハーレムメンバーも。
人間は、エリーとバネッサ。
フェーザ人は、アビー、ボニー、コニーの三つ子姉妹。
ビスト人は、猫耳マイア、うさ耳ライサとレギナの双子、犬耳アレシャの元物乞いグループ。
レプト人のジークリンデ。
フィシュ人のヴィヴィ。
セクト人のイネス。
この十二人がハーレムメンバーの初期グループである。
他にも、成績優秀者の女の子は後宮入りの資格が得られて、男には宇宙船を一台くれてやることにした。
また、成績優秀者には、申請すれば俺のように不老化処置をするとも。
まあ、とりあえず、俺のビッグマグナムが物理的に挿入らない年少の少女には手を出さずに愛でておく。
フェーザ人三羽鳥なんて七歳だぞ。
無理無理、裂けちゃうって。俺のサイズは大きめだからな。
……いや、ビルゴの身体検査の結果大きめだと言われた。
無理矢理ねじ込むのは良くないよ。
まあ、十五歳くらいまでは待とう。
と、思ったんだが、どうやら亜人は身体の丈夫さが人間とは全く違う上に、構造も違うので、十二人に捕まって逆レされた。
なんなの?
なんなのこれ?
帰還勇者書くっかぁー。
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因みに、帰還勇者も旅行中。
そしてついに、亜人国家への入国許可!!!
みたいな。