ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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まあ俺、ブレードランナー見たことないんですけどねッ!


20話 二つで十分ですよ丼

「うーん、ドンコは駄目だったか?」

 

「ドンコが駄目って言うか、ビジュアル面がちょっと……」

 

エリーが苦言を呈した。

 

「気持ち悪いです……」

 

マイアがドン引きした。

 

「センスおかしいよあんた……」

 

バネッサがアホを見る目で見てくる。

 

「なんだとこの野郎」

 

俺は憤慨した。

 

古き良きSF映画の、二つで十分ですよ丼だぞ?

 

「えーと、確か、映画に出てたどんぶり?を再現してるんですよね?」

 

エリーがおずおずと手を挙げて言った。

 

「ああ」

 

二つで十分ですよ丼とは、白いご飯の上に野菜を敷いて、焼いた深海魚を二匹乗せたどんぶりのことを指す。

 

ブレードランナーを見ていないような奴はSFを語れないだろう。あとはスタートレックとスターウォーズは見ておけ。

 

「その……、お魚が気持ち悪いです」

 

エリーは、焼いた深海魚のビジュアルがキモいと苦言を呈してきている。

 

「まあ、それは分かってたんだけどね」

 

実際、見た目がキモいと評判だったしな。

 

この二つで十分ですよ丼は廃棄、と。

 

「じゃあ真面目にやろうか」

 

「最初から真面目にやって下さいね……?」

 

やだ。

 

 

 

さて、この世界はSFだ。

 

なら、二つで十分ですよ丼は絶対にやりたい。

 

しかし、どう見てもあんなグロいもんが売れる訳がない。

 

だが、だが!俺は大人なので、妥協ができる。

 

駄々をこねずに別の案を出せるのだ。

 

確かに、三度の飯より嫌がらせが好きなソシオパスである自覚はあるが、一応、社会人をやっていた以上、それなりに常識は知っている。常識を知らないと常識外れな嫌がらせはできないからな?

 

俺がやりたいのは魚丼こと、二つで十分ですよ丼の販売だ。

 

米、野菜、魚の丼が売りたい。

 

その他にも色々なメニューを揃えて、「いやー、うちの亜人はこれより美味いもんを毎日食ってるんですわー!」みたいな嫌味を言いたい。それが目的だ。

 

何かこう……、なろうチートものだと、日本食ツエーーー!!!みたいな描写がよくあるけど、このスペースオペラ的な世界で和食が流行る保証はないよね。

 

だから、今回、エリーとバネッサ、ついでにマイアの三人を呼んだのは、三人に色々と食わせて、何が売れるのかニーズを把握しようって魂胆なのだよ。

 

エリーは元々は一般市民だった訳だし、バネッサはドヤ街みたいなところで育った。マイアは……、そもそも、テクラノーツ共産同盟の食事はクソ不味い。

 

だからこう……、三人それぞれの視点から、何が売れるのかを見てもらえば、ニーズが把握できると思う。

 

そんな感じでメニューを考案して、その中に、妥協した魚丼を目玉賞品にして売れたら、ロマンあり嫌がらせありで素敵じゃん!って思った。

 

三つの視点だ。

 

エリーは、元一般人。この世界の中流家庭の女の子の視点。

 

バネッサは、低所得労働者。この世界の労働者の視点。

 

マイアは……、そもそも、合成栄養バーと、ソイレントペースト、水しか口にしたことのない少女の視点。

 

この三つの観点から、この世界のニーズを把握する。

 

惜しむらくは高所得者層のニーズが分からないことか。

 

まあ、その辺りは、トゥエルブサインの手厚いサポートを期待しよう。

 

そもそもトゥエルブサインに丸投げすればオッケーとは言ってはならない。

 

これは遊びだからな。

 

効率とか考え始めたら負けだ。やめよう、負けたくないし。

 

では、早速、さっきの魚丼を改良して、と。

 

「魚フライ丼だ、食べてみてくれ」

 

魚フライ丼(ミニ)を三人に食べさせる。

 

「……うん、これは美味しいですね」

 

「脂っ気が強くて腹に溜まるね」

 

「美味しいです!」

 

エリー、バネッサ、マイアの感想だ。

 

「でも……、このライスは、味がないので、パンで良くないですか?食べづらいし……」

 

「ソースはもっと濃い方が良いんじゃないかねえ?」

 

「ライスって言うのはかさ増しなんでしょうか?」

 

そして批判。

 

ふーむ。

 

なら、これならどうだ?

 

玉ねぎ、ピーマン、ベーコン、にんじんの入ったピラフ。その上にベビーレタスとスケトウダラのフライを乗せて、醤油ではなく、ケチャップと中濃ソースを溶いたものをかける。

 

「……わあ!これ、凄く美味しいです!培養野菜が美味しいし、このライスも味が付いていて飽きがこないですね!」

 

「ソースも濃くてバッチリさね!全体的に脂っ気が多くて、肉体労働者に流行るよこれは!」

 

「とっても美味しいです!」

 

大好評である!

 

まあ、ピラフに生野菜と魚のフライを乗せたお子様ランチであるからして、不味い訳がないんだよなあ。

 

 

 

さて……、魚丼は、俺の制御下を離れてデジモンみたいな超進化をして、この世界の人間も楽しめるお子様ランチ的なものになった。

 

しかし、お子様ランチ一本でやっていけるほど社会は甘くない。

 

別のメニューも考案しよう。

 

ところでみんな、定食屋ってどこ行く?やよい軒?俺は会社の近くに結構美味いカフェがあって、そこのナポリタンが結構量ある割に安いから好きだったんだよね。パストラミのミラノサンドもデカいし美味かったなー。

 

あとは、駅前のラーメン屋も良かった。鶏ガラスープの細麺塩ラーメンでさー、替え玉一回無料なんだよね。チャーシュー丼も美味くて、マヨぶっかけて食ってた。流石に昼間に餃子は無理なんだが。

 

それとリトルマーメイドってパン屋チェーン店のデニッシュバーって言う、デニッシュ生地に砂糖がジャリっと入ってるパンが大好きでさー、あれ美味いんだよ。昼間に買っておいたデニッシュバーを残業してる時にかじると元気が回復する。

 

うーん、飽食の国ジャパーン人である俺、美味いもんたくさん食ってたな。

 

因みに、俺は今は広告部で前は営業部だったから、出先やら取引先やらとお高いレストランに行って馬鹿高いフランス料理を食ったこともある。

 

え?ああ、いや、俺は口先一つで他人を破滅させるのが好きだから、会社では、ライバル企業に鉄砲玉として送り込まれて、ライバル企業を崩壊させる攻撃的な営業をやってたよ。

 

最近は中国企業とかに送り込まれて、埋伏の毒をばら撒く仕事をしてました。

 

まあ、フランス料理とかも大体は分かるし、その辺はアリエスとビルゴ、キャンサー、サジタリウス、アクエリウス、ピスケスが異様に詳しいからな。

 

アリエスとキャンサーとサジタリウスはマナー方面に、ビルゴは味に、アクエリウスは見た目に、ピスケスは酒に詳しい。

 

富裕層向けに超高級な天然素材料理を提供するレストランをやりたい気持ちもある。

 

しかし、それをやるとすると、従業員である亜人の教育に力を入れなきゃならない。

 

亜人の料理人とウェイター、ソムリエを年単位で修行させなきゃならない。

 

その為にも、まずは一般人向けの食堂でアルバイトさせて、客商売の経験を積ませてから、高級店を作りたいなー、ってことだわな。

 

そんじゃあ、メニューの考案、一丁やりますか!

 




おお、もう……。

好きだったメガテンssが消滅した……。

俺もメガテン書き溜めなきゃ……。
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