ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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これ以降の展開全く考えてないです。

基本的に話の辻褄合わせとか苦手。

何にも考えず突き進んで後から後悔するタイプ。


5話 新しいペットよー

あなたは、貴族に勝った平民、と言うことで、学院の平民の従業員達に持て囃される、と思いきや、そんなことはなかった。

 

「あ、あんたは化けもんだ!」

 

「貴族様を嬲り殺しにしたらしい!」

 

「ま、賄いなんて食わせちまって申し訳ねえ!今度から貴族と同じもんを、いや、それ以上のもんをお出ししますから!」

 

うむ、良きに計らえ。

 

あなたは言った。

 

他者から恐れられるのはもう慣れたことだ、今更気にしない。

 

「どうして、殺したりなんか!」

 

メイドのシエスタに問われる。

 

あなたは、殺す必要があったこと、生き返らせてやったからイベントの進行には問題はないことを告げる。

 

「で、でも」

 

「やめろシエスタ!」

 

「例え生き返らせたとしても、殺して良い理由にはなりません!」

 

すると、あろうことか、反論をしてきたのだ。

 

その威勢の良さを気に入ったあなたは、シエスタをいつか自分の城で働かせると宣言した。

 

「シエスタ、逆らっちゃならねえ!逆らえば、物狂いにされた後バラバラに引き千切られて殺されちまうぞ!」

 

「っ!分かり、ました……」

 

あなたは満足した。

 

 

 

「頼みがある」

 

あなたの目の前に、青髪の少女が現れた。

 

肉付きは悪いので食いづらそうだが、犯したら良い絶望顔を見せてくれそうだと思った。

 

しかし、あなたは忙しいのだ。

 

この世界の著名人の名を聞き集めながら、それの剥製を願う作業でいっぱいいっぱいなのだ。

 

それに、頼みがあるならそれ相応の態度を見せろとあなたは上から目線で言った。

 

実際に、あなたの方がこの少女より上だからだ。

 

あなたは王侯貴族にだって頭を下げない。

 

それが冒険者と言うものだ。

 

「……お願いします、聞いて下さい」

 

土下座する彼女の姿を見て、あなたは愉悦に浸りつつ、話を聞いてやることにした。

 

話せ。

 

「あなたが、死者の蘇生を成すほどの水メイジだと見込んで、頼みがある」

 

あなたは水メイジなどではなく、冒険者であると返した後、話を促した。

 

「先日、ギーシュの精神を破壊した魔法を使った。なら、破壊された精神を修復することは可能か」

 

狂気状態は放っておけば解除される筈だが、何か訳ありだろうか。

 

「訳は、話せない」

 

まあ、大抵の状態異常であれば、あなたが作ったポーションで回復させることができると言った。

 

詳しくは、直接見てみないことにはなんとも言えないが。

 

だが、あなたは興味が湧いた。

 

この可憐な少女を助けてやろうではないか。紳士なあなたは善意で行動してあげることにした。

 

あなたも、駆け出しの頃は、迷子の子犬を探してダンジョンを探り回ってあげたりなどしたのだ。

 

その後、依頼主の犬好きの少女はあなたの昼食になったのだが。

 

話せ。

 

「……詳しくは話せない」

 

あなたは武器を突きつけた。少し殺気を滲ませると、少女は顔を青くしながら、少し考え、答えた。

 

「う……、分かった」

 

すると、少女……、無口な『タバサ』はぽつぽつと語り出した。

 

曰く、自分の大切な人が心神喪失状態になる薬を飲まされたのだと。

 

成る程、あなたは納得した。たまにいるのだ、自らの身よりも誰かを大切にする人間が。誰かのためにタダ働きする人間が。

 

少なくとも、あなたは、世界は自分を中心に回っていると思っているので、他人の願いなどタダでは聞かないが。

 

タダで動くとすれば愛するペットのお願いを聞いてあげる時くらいだろう。

 

そして、故に、あなたは問う。

 

自分は冒険者だ、見返りは何をくれるのか、と。

 

「……私の、全てを」

 

……あなたは歓喜した!

 

ブラボー!

 

思わず声が出る。

 

どうやら聞くところ、この世界では奴隷商人はおらず、合法的に人身売買をすることが不可能らしい。そんな状態では、メイジのペットを手に入れることは難しかった。

 

実は、あなたには更に新しい目標があったのだ。

 

この世界でペットを育てたい、と。

 

この世界の生物はどこまで強くなるのか、あなたの好奇心が刺激されたのだ。

 

そんな中、自分からペットになってくれると言う可憐な少女が現れたのだ、正に渡りに船だ。

 

あなたは、早速、その大切な人とやらを治してやると宣言した。

 

「本、当?」

 

あなたは冒険者だ。冒険者のプライドにかけて、依頼は必ず成功させると誓った。

 

まあ、実際は、依頼を途中で投げ出したり、パーティでの演奏のはずがいつのまにか虐殺パーティになっていることなど多々あるが。

 

 

 

あなたは、タバサのドラゴンの背に騎乗し、空を駆けていた。

 

ドラゴンは機嫌良さげに空を駆るが、あなたにとってはこれまたスローだ。速度を数値にして高々400にも届かないくらいか。

 

あなたは、素の速度で2000オーバー、装備バフ魔法込み込みで数万に達するだろう。

 

あなたが走った方が5倍以上速い。

 

「きゅいきゅい!」

 

しかし、このドラゴンも中々に魅力が高い。

 

あなたは遊び半分でペットのドラゴンに人間の格好をさせてから気持ちいいことに及んだ経験があるが、中々に気持ち良かったと記憶している。

 

あなたは、さすればこのドラゴンも、人間の格好をさせてから気持ちいいことに及べば気持ちいいのではないのかと明察する。

 

そう言えば卵が食べたい。

 

このドラゴンに媚薬でも投げつけて卵でも産ませようか……。

 

今回の依頼でタバサが手に入れば、間接的にこのドラゴンも手に入るのだろう。

 

あなたは、良い契約をしたと思い、顔を綻ばせた。

 

「……着いた」

 

そんなことを考えていると、どうやら目的地に着いたようだ。

 

……このタバサと言う少女は静かで良い。

 

あなたのペットには妹と妹猫がいるが、どちらも限りなく喧しい。

 

イラっとしてつい殴り飛ばしてしまうことが多々ある。

 

そんな中、話しかけない限り黙っているのは、最も付き合いが長い『少女』を彷彿とさせて良い。

 

聞いたところ、トライアングルクラスで才能もあるらしい。

 

あなたは、益々良い契約だと思った。

 

さて、その大切な人とやらはどこだろうか。

 

「こっち。シルフィードはここで待って」

 

「きゅい!」

 

そこは、小規模な貴族の別荘のような建物だった。

 

ここに大切な人が?そもそも、大切な人とは?大方の予想では母親と言ったところか。

 

「そう、私の母」

 

やはりか。

 

さて……。

 

建物の中、奥の部屋に入る。

 

「誰っ?!誰なのっ?!」

 

そこには、あからさまに正気ではない様子の女がいた。

 

憔悴からか大きく魅力が下がっている。

 

「シャルロットは渡さない!渡さないィィィ!!!」

 

うむ、主能力値の感覚、習得、意思が永続的に低下している、と言った状態か。

 

あなたは、なんだ、この程度か。と思った。

 

世界に散らばる絵本を集めろ、と言ったような面倒なクエストになるかと思いきや……。

 

「あっ、ちょっ」

 

 

 

精神復活のポーション一本の納品で終わりとは。

 

 

 

「きゃあ?!濡れっ、……あ、あれ?私は、何を?」

 

「……母さん?」

 

「シャルロット……?シャルロットなの?」

 

「母さん!母さん!!」

 

「シャルロット……!」

 

 

 

………………。

 

タバサの目の前で、母親を殺したら……。

 

どんな絶望顔を見せてくれるだろうか。

 

あの、ノイエルの少女のような、ひどく歪んだ顔を見せてくれるのだろうか。

 

あなたは、エーテル病に罹った少女の母親を見世物屋に売り払った経験がある。

 

あの時の少女の絶望顔は、今思い出すだけでも思わず絶頂しそうな程に美しかった。

 

あなたは度を越したサディストだ。

 

ああ、しかし、耐えろ!

 

ここは耐えるんだ自分!

 

目的を忘れたか!

 

と、必死に自分に言い聞かせる。

 

あなたは大人だ。祝福された鈍足のポーションで二十代をキープしているとは言え、実際にとった年齢は百を超える。

 

理性で欲望を抑えつけられるはずだ。

 

「あの……?」

 

ああ、いや、自分の欲望と戦っていて……。あなたが言い訳をする。

 

「あなたが、私を正気に戻してくれたのですね?」

 

肯定だ。しかし、ポーション一本で済むとは。手間がかからなくて良かった、とあなたは言った。

 

「はあ、あなたはとても腕が良い水メイジなのですね」

 

いや、自分はメイジではなく冒険者だ。その辺はあなたにとって譲れないところだった。

 

「は、はあ?」

 

それに、タダで助けた訳ではないので、礼を言われる筋合いはない、とも伝えた。

 

「対価、ですか?私に差し上げられるものなら何でも……」

 

 

 

あなたの娘を貰う。

 

 

 

「なっ、なっ、なっ?!なぁーーー?!!!」

 

小さな建物に、タバサの母の叫びが響き渡った。

 




タバサが割とすんなり母親の元に案内したのは、ノースティリスのあいつが限りなく強いと分かっているからです。逆らったら母親ごと考えられないような残虐な方法で百パーセント殺されると思ったので、大人しく言うことを聞きました。

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