マジで思い付きで脳内プロットのまま書いてます。
収益化通った!
おめでとう俺!
さて、動画の評判が気になるな。
エゴサーチ、してみるか。
『レイレイチャンネル』と。
ん、ネットニュースの記事がある。
読んでみよう。
『謎の新人ユウチューバー、レイレイ!
一ヶ月前にデビューしたユウチューバー、レイレイさんが、今、ちょっとした話題になっています。
レイレイさんは、異世界から来た勇者だと自称しているのです。
動画中では、鎧とマント、剣と銃を持ち、かなり気合の入ったコスプレでした。
最初の頃はウケ狙いで、なろう系小説の影響を受けた人扱いされていましたが、動画のシリーズが進むにつれて、衝撃の真実が明らかになっていきました!
十二人のモンスター娘の嫁と、自分の城だというデモンズネストには養殖された巨大モンスターが!
[画像:コカトリス]
[画像:団欒中のレイレイさん一家]
もしかして、本当に勇者なのでは……?と、ネットでは物議を醸しています。
動画の構成内容自体は非常に良く、トークもしっかりしているので、見応えはばっちり!
例えCGであれ本物であれ、一見の価値アリですよ!』
まあ、こんなもんだろ。
次の動画はどうしようか……。
そうだ、夏祭りに行こう。
『嫁と一緒に』な。
これは大騒ぎになるぞー!
土井中村の夏祭りには全員参加するが、こっちは撮影しない。
土井中村に野次馬が押しかけてきたら、住民に申し訳ないからな。
だから、遠くの……、そうだな、関西の夏祭りにでも行ってくるか!
とは言え、イルルとかエリーゼとかは身体がデカくて、混雑する祭りの会場では邪魔になるだろう。
イルルなんて地面から頭まで高さ三メートル、前足からお尻まで四メートル、脚の長さは大体二メートル弱と馬鹿でかい。
今回は夏祭りに行きたいと言っていたカエデとルシア、テレジア、レイラの四人を連れて行こう。
服装は浴衣で。
じゃあ、行ってきます!
「はいどうも、レイレイチャンネルです!今日は嫁四人と関西の方の夏祭りにやってきました!」
「うるふでーす!」
「お狐様じゃぞー!」
「でびるよー」
「トリーだよー!」
撮影はカメラ三つずつをメイド三人に持たせている。
「まあと言う訳でね、視線が結構集まってますね。特にでびるが目立つわ目立つわ」
青肌だからね。
スマホで動画を撮りながら、何十人も追いかけてくる。
それを無視して、適当に祭りを楽しむ。
「金魚すくいやりまーす」
「ていっ」
「次は焼きそば食べまーす」
「もぐもぐ」
「射的しまーす」
「えい」
そんな感じで、エンジョイする嫁を撮る。
ん?
人だかりがあるな。
めちゃくちゃ人いるぞ?
何だ?
「せやから、このクジ全部引きます言うてますやろ!」
「駄目だ!その……、これは、そう、子供用だ!」
「いや、さっき大人にも引かせてたやないですか!」
「そ、それは、その……」
「僕はただ、テキ屋のクジ全部引いたらどうなるのか調べとるだけです!金は百万用意してきました!」
「か、金の問題じゃない!」
あ、あれは……、人気ユウチューバーのヤミヤミさんだ!
今回の企画はテキ屋のクジを全部引く系か。
「やっ、ヤミヤミさんっ!あ、あれ!」
「ん?なんや?ってうおああ?!!な、何やあれ!!」
あ、こっちに気付いた。
今の俺。
カエデとルシアと手を繋ぎ、レイラを肩車し、テレジアは空中を10センチくらい浮いて移動している。
「……え?何?なんかの撮影?」
「どうも、ヤミヤミさんですね?新人ユウチューバーのレイレイです」
「え?マジですか?あかんわ、俺ちょっと知らん……」
取り巻きがヤミヤミさんに教える。
「ヤミヤミさんあれですよ!ファンタジーガチ勢のパンプーキンさんと長編コラボやった自称勇者の人ですよ!」
「あ、あー!あの人ね!はいはいはいはい、見てる見てる!どうも、ヤミヤミですー!」
「どうもどうも。今回も撮影ですか?」
「せや、今回はこのテキ屋さんのクジ全部引いて、ウィンテンドートゥイッチとフレステ4当てよう思うとりまして」
ふむ……。
「『アナライズ』」
魔力光が溢れ、魔法陣が展開される。
「おおっ、それ、魔法ですか?」
「ええ、解析の魔法です。人体に使えばその人の悪いところを、物質に使えば構成物質を、箱に使えば中身が分かります」
「……ってことは?」
「あそこにある、トゥイッチとフレステ、箱だけで中身はありませんね」
「何やと?!」
ヤミヤミさんはテキ屋の店主に詰め寄る。
「そのトゥイッチとフレステ、箱だけで中身ないんちゃいますか?」
「な、あ、いや、ちゃんとあるぞ!」
「じゃあ、中身見せてもらって良いですか?」
「だ、駄目だ!!み、未開封じゃないと……、兎に角駄目だ!!」
おっ、バトってるなー。
「じゃあクジ引かせてくださいよ!トゥイッチとフレステを当てて確かめますわ!」
「お、大人は駄目だ!」
ふむ?
「カエデ」
「ふむ、良いぞ」
カエデは、変幻魔法で、9歳ほどの見た目に化けた。
「うおあ?!!」
ヤミヤミさんがびっくりしている。
「おじさん、おじさん、クジくださいなのじゃ!子供じゃから文句は無かろうな?」
「え、あ、お、おう?」
「取り敢えず、百万円分」
どさっと札束を渡すカエデ。
「い、いや、クジめくってる暇がないからな!!百万円分はめくりきれないから!!!」
「そうでもないぞ?『キネティック』」
魔法で宙に舞うクジが全部まくられる。
「一番と二番はなし、二十五番、七十番、七十七番、九十五番、百二番もなし、三番から三百番まであるのじゃ」
「ん?一番と二番は……、トゥイッチとフレステやないかい!結局、クジの中にも入ってへんやないですか!!詐欺ですわこれ!!」
「う、う……、い、いや、これは……」
ヤミヤミさんがテキ屋を責める。
すると、裏から怪しげな奴らが。
「ちょいと困りますなあ、兄さん方……」
ああ、テキ屋の元締めのヤクザか。
「な、何やアンタ?」
「自分は祭りの運営の者ですわ」
そして、ヤミヤミさんを脅しつけるように話すヤクザ。
「今回のことは不幸な行き違いって事で手打ちにしまへんか?」
「で、でも、レイレイさんは百万円も払って……」
「クジなんやから外れることもありますわ」
「最初から当たりが入ってない方がおかしいだろ!!」
「いやいや、アンタらが来る前に誰かが当たりを引いただけやろ?」
「嘘だ、僕は祭りが始まったすぐ直前からここにいるんですよ?!」
「でも、目を離した隙に……、とかありますやろ?商品もちゃんと中身はありますよ?」
「じゃあ証拠を!」
「……兎に角、話すことはないわ。これ以上詳しい話は事務所の方で聞かせてもらいますが、どうしますか?」
「くっ……!!」
ふむ。
「『テレキネシス』」
トゥイッチとフレステの箱を開いてひっくり返す。
「中身ないじゃん」
「なっ?!!」
空中でトゥイッチとフレステの箱を解体する。
「中身ないじゃんって」
「い、いや、これは……」
「『テレキネシス』」
俺は、引き終わったクジを捨ててある店内のゴミ箱からクジを引っ張り出す。
「店内の引き終わったクジのゴミ箱にも一番と二番はないな」
ふよふよと宙を浮くクジ。
「な、何やこれは?!!」
驚くヤクザ。
「当たりクジはどこにあるんだ?」
「こ、これは、そ、その……!!!」
「当たりクジとゲーム機はどこだ?」
「おっ、覚えとれよお前!!!」
あ、逃げた。
「「「「お、おおおおお!!!!」」」」
沢山いるギャラリーから拍手喝采が。
「レイレイさん!ありがとうございました!」
ヤミヤミさんに礼を言われる。
「いえいえ、ちょっと魔法を使っただけです」
「まさかマジモンの魔法使いとは思いませんでした!凄かったわホンマに!」
「いえ……、むしろ、ヤミヤミさんの企画を邪魔しちゃったかなと思ってます」
「そんなんないですって!さっきのあれ、絶対ヤーさんやったでしょ?僕も無理ですよ!正直めっちゃビビってました!」
そんな話をしつつ、このまま突発的な対談企画として、ヤミヤミさんと適当な居酒屋に入り、会話をすることに……。
何でそんな危ないことしてるのかというと、大体は燃えよペンとかの影響ですよね。
漫画家の先生が、「風呂敷たためなくても面白けりゃそれで良いじゃん」的なことを言ってたのを心に刻んでます。
なろうに投稿するとかそんな展開になれば、手直しをすると思いますが。