ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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腹筋崩壊太郎。


35話 ミッドナイトショー 後編

CM明け。

 

『はい、では早速質問していきましょう。まず、召喚される前の貴方の話です。どのような高校生でしたか?』

 

『普通さ。ただ、頭は誰よりも良かったし、スポーツもできた』

 

『では、とてもモテたでしょう?見たところ、かなり美形だ』

 

『だが、性格が悪かったからな。何人かの女と付き合ったが、長続きしなかった』

 

『性格が悪い?そうは思えませんが?少なくとも、私の前では、貴方は常識的に行動しています』

 

『ふむ、そうだな。俺は、IQが200程あり、サヴァン脳の持ち主だ』

 

『それは素晴らしい』

 

『そして、本を読むのが好きでな。ロケットの仕組みから、経済論文、西洋文学、何でも読んだ』

 

『大変良いことですね』

 

『だが、夢見がちな女子高校生にはウケが悪い。学校の噂話にも、最近のアーティストにも興味がなく、イギリスの政治経済について語る少年は気味が悪いと思わないか?』

 

『確かに、他国の政治経済に関心のある女子高校生はほぼいないでしょう』

 

『だから、知識と知能の差ですれ違い、大抵は別れることになる』

 

『貴方は、とても大人びていたと?』

 

『偏屈なだけだ』

 

『では、何故、十二人もの奥さんと仲良くなれたのですか?』

 

『彼女達はああ見えて賢い。どんな話をしても理解するし、理解できなければ適切な質問をする。また、それぞれが、俺も知らないような知識や技能を持っている。そう言うところに惹かれた』

 

『成る程、奥様方の優れた知恵と技能に惚れ込んだと』

 

『それに、見た目も美しい。変わっていて面白いだろう?』

 

『確かに、変わってはいます』

 

『だがまあ、年齢は皆、十六歳を超えていて、中には千年以上生きている嫁もいる』

 

『千年ですか?』

 

『ああ。亜人の中には、平気で万を超えるほどの時間を生きる奴もいるし、寿命という制限そのものがない種族も多い』

 

『あまりにも長い時間を生きるのですね。退屈にならないのでしょうか?』

 

『めちゃくちゃ暇してるぞ』

 

『やはり、退屈過ぎて、生きることに意味を見出せなくなったり?』

 

『いや、別に?皆、一日中猫を追いかけたり、小説を書いたり、歌を歌ったりして自由に過ごしているな』

 

『あまり、意欲的に労働はしないのでしょうか?』

 

『普通に働くが、あまり欲がないんだ』

 

『それまた、どうして?』

 

『エルフを例に出そう。エルフは、数万年の時を生きる。そんなエルフにとって、一日なんて、人間で言う、数分の出来事に過ぎない。彼らは待つことや、のんびりすることに慣れている』

 

『まるで、日がな一日安楽椅子に座って本を読む老人のようですね』

 

『もちろん、食事の為の狩猟や採集、排泄や、性行為、その他生きる為に必要なことはするが、それでもなお、時間は余るし、労働力は持て余している。あいつらは暇だから、仕事があると喜んでやる』

 

『羨ましい話です。失業率などと言う言葉とは縁がなさそうだ』

 

『エルフ達の精神性は、古代のローマ人に近いかもしれない。あいつらはよく、皆で集まって、ワインを飲みながら、哲学などについて議論している。皆、恐ろしく賢く、記憶力も良いから、千年以上前の論文について語り合ったかと思えば、昨日の議論の内容を振り返ることもある』

 

『優れた知恵があるのですね』

 

『ああ。その他にも、歌劇や小説で、思想の表現をすることが多い。エルフの娯楽本は何冊か読んだが、中々面白いぞ』

 

『エルフの書く本ですか。想像できませんね』

 

『色々な本を書くぞ。恋愛からコメディ、冒険活劇、自伝随筆、論文やレポート、図鑑、SF、ポルノ、何でも書く』

 

『エルフがポルノ小説を書くのですか?』

 

『ああ。真っ当なポルノ小説もあれば、不倫物や同性愛物もあった』

 

『エルフの世界には、そう言ったものを規制する法律がないと?』

 

『ないな。エルフは、最低限の法律以外は、細々とした民法のようなものは存在しないんだ』

 

『あまりに無法では?どのようにして自分の権利を守るのでしょう?』

 

『無法?万の時を生きる生き物を牢屋に入れて何になる?エルフの内で無法なものは、他のエルフから嫌われる。嫌われて、何百年もの間仲間外れにされるのが罰なんだよ』

 

『己の信用が全てだと?』

 

『そうだ。そもそも、犯罪率は極めて低い。俺が聞いた限りでは、犯罪は一度も起きていない』

 

『エルフは温和だと?』

 

『まあ、そうだな。あまりにも長い時を生きるから、その場の激情に駆られて殺人をするようなことはほぼない。逆に、エルフをそこまで怒らせる方が難しい』

 

『良い民族だと感じますね』

 

『まあ、人間の観点からするとおかしいがな。こんな話がある。エルフの女の話だ。その女は、寝ぼけて火の魔法を放ち、10軒ほど家を焼いた。だが、その女は、他のエルフに笑って許された』

 

『怒らなかったのですか?』

 

『怒らないんだよ。家も、物も、いずれは自分より早く壊れて朽ち果てる物だと、エルフは考えている。それがたまたま今日だっただけの話だ、と考えている』

 

『では逆に、何をすると怒りますか?』

 

『女子供の誘拐や強姦、意味のない殺戮、無秩序な環境破壊。しかし、殆どのエルフは、怒りよりもまず先に悲しむだろう。エルフはかなり強いが、戦ったり、復讐したりすることは好まない』

 

『何とも、優しい人々ですね』

 

一息つく。

 

『それで、話は変わりますが、夫婦生活は上手くいっているのですか?』

 

『ええ、とても』

 

『喧嘩はしない?』

 

『喧嘩をする必要がないんでね』

 

『夫婦生活に不満は?』

 

『ない。お互いに自由にやっている』

 

『浮気は?』

 

『自由にしていいと言ってあるが、された覚えはない』

 

『浮気されても怒らない?』

 

『嫁がそう選んだなら構わないな』

 

『浮気とは裏切りではないでしょうか?』

 

『そうかもしれないな。まあ、だが、あいつらを寝取れるものなら是非試してみてくれ。どうなるか興味がある』

 

『裏切られない自信がおありですか?』

 

『例えば、グロリアを例に挙げるとしよう。彼女はドラゴンだ。人間なんて、加減しなければ、抱きつかれただけでぺしゃんこになる。そんな彼女の要求は何だったと思う?』

 

『分かりません、何でしょう?』

 

『自分より強くて、ルックスが良くて、溜まった時には3日くらいぶっ通しでセックスしてくれる男だとさ』

 

『ああ、それはもう、人間には無理ですね、ははは!』

 

『実際、彼女を口説くのは苦労した。百回戦って九十九回負けたが、最後の一度だけ勝てたんだ。もちろん、試合ではなく、加減なしの殺し合いでね』

 

『良く生きてましたね?』

 

『いや、十数回程死んだよ。魔法で生き返っただけだ。そして、彼女を倒して、愛していると伝えたら、一週間監禁されて犯されたよ』

 

『いやはや、とても恐ろしい』

 

『他の嫁も、同じように無茶苦茶な条件を出してきた。魔法合戦で勝てとか、知恵比べで勝てとか、各々の得意分野で、一定の評価を受けなければ駄目だった』

 

『全部クリアしたので?』

 

『まあ、試験の前に、あらかじめ口説いておいたしな。評価をおまけしてくれたようなところはあるだろう。だがしかし、最初からそれなりにできないと、興味を惹くことすらできない』

 

『それはそれは、とても難しいですね』

 

 

 

そして。

 

『さあ、名残惜しいですが、そろそろ時間です。今回のゲストは、レイジ・ヨロイさんでした。それでは、また来週!』

 

番組終了。

 

 

 

後で聞いた話だが、視聴率は結構良かったらしい。

 




あー、クソ、この辺りは中弛み気味だ。

でもこの辺で設定を吐いとかないと後で困るんだよな。
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