ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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基本的にムカつく奴は容赦なく殺すので、ルイズが未だに生きているのは奇跡です。


10話 戦後処理

フーケ、選べ。

 

自分に斬り刻まれるか、下僕として忠誠を誓うか、選べ。

 

「ッ、な、何の、ことだか、分かりませんわ」

 

あなたは、ロングビルと名乗る女の首を絞めた。

 

「あっ、がっ、かへっ」

 

片手で首を絞めながら、持ち上げる。

 

選べ、フーケ。

 

従属か、死か。

 

「か、は、私、フーケじゃ、ありませっ」

 

匂いが同じなんだよ。あなたは告げる。

 

最初に会った時、薄く、甘い香水の匂いがした。それと、お前の体臭も覚えてんだよ、とも告げる。

 

「……ッ!ぐうっ、イ、ル、アース……!!!」

 

それは見飽きた。

 

あなたは、生成されたゴーレムを片手で殴り飛ばす。ゴーレムは破壊された。

 

「化け、物……!!」

 

ご挨拶だな。

 

それで、結局どうするんだ?従属か、死か。さあ選べ。あなたはとても優しい紳士なので、殺さずに従属するかどうか選択肢を与えてあげた。

 

「……か、はっ、こ、んな、稼業、やってる、時点で、プライドなんて捨ててる、からね。分かったよ、従うよ。あんたに、従う」

 

あなたは満足気に頷き、フーケを下ろした。

 

「うぇ、ごほっ、ごほっ……」

 

あなたは、後ろに控えるタバサに、黙っておけよと命じた。

 

「ん、見なかったことにする」

 

そしてあなたは、フーケの首に縄をかけた。

 

「な、何だいこれは?」

 

あなたは、この縄は魔法がかかった縄で、ペットが飼い主から離れようとした時引っ張ると、手元にテレポートさせられる道具だと端的に説明した。

 

「……成る程、逃がさないって訳かい」

 

メイジとしての腕前は?あなたは問いかける。

 

「土のトライアングルさね」

 

ふむ、では、取り敢えず、アダマンタイトを作り出せるようになるまで訓練させよう。

 

ハーブ漬けだな。

 

「ま、待っておくれよ、私にはどうしてもお金が必要で……」

 

ふむ?小遣いが欲しいのだろうか?今は渡せる金が無いが……。

 

交渉スキルは持っているか尋ねた。

 

「交渉スキル?物を売るのは得意だよ、今まで盗んだものを売りさばいてきた訳だしね」

 

ならば、適当なものを渡すので、売りさばいて金にしてこいとあなたは命じた。

 

半分は渡せ、半分は好きに使えと。

 

「わ、分かった。けど、足りない分は盗んでくるよ?」

 

いや、盗みはもうしなくていい。

 

あなたは、烈火のミスリルロングソードを渡した。

 

「こ、れは、ミスリル?!!!それに、火を噴く魔剣だって!!!これは、金貨二十万はするよ!!!」

 

他にもいくつか、あなたにとってはゴミで、この世界においては国宝級のアイテムを渡す。

 

稲妻のルビナスダガー。防衛者のダイヤトライデント。異彩のスティールカイトシールド、輝くザイロンマント。

 

「これも、これも!金貨二十万以上はする国宝級のお宝じゃないか!これを売ればあの子達も遊んで暮らせるよ!」

 

あの子達?

 

「あ、ああ、いや、気にしないでおくれよ、えっと、ご主人様」

 

詳しく話してみろ、とあなたは命じた。

 

「……まあ、その、えっと、妹、みたいな子と孤児院の真似事みたいなことをやっていてね。金が必要だったのさ」

 

孤児院……、ノースティリスでは殆ど見たことがない。

 

ノースティリスで孤児と言えば、物乞いか物盗りか冒険者になるかくらいしか道はない。

 

まあ、そのうち、出資者として顔でも出してやるかとあなたは思った。

 

「それで、私はもう、盗賊稼業から足を洗っても良いかい?」

 

構わないが、ハーブの服用と魔法の訓練は毎日やるようにとあなたは伝えた。

 

「分かったよ、スクウェアを目指して訓練すりゃ良いんだね」

 

それと、自分に付いて回って下僕として生きろと命じる。

 

「う、下僕か……。でもまあ、こんなに強くて金持ちな人の庇護下に入るなら……。あの、たまに妹に会いに行っても良いかい?」

 

許可しよう。あなたは寛大だ。ペットのわがままくらいは聞いてやるのだ。

 

 

 

打ち合わせの結果、フーケはファイアボルトで焼滅した、ロングビルはペットになった、と言うことになった。

 

合流したルイズは納得していない様子だったが、空を焼いたファイアボルトを見ていたらしく、不承不承といった様子で頷いた。

 

一方でキュルケは。

 

「凄いわ!さっすが私のダーリン!あんな凄い火の魔法、スクウェアクラスにだって使いこなせないわ!素敵!私の旦那様になって!」

 

と、興奮した様子で言った。

 

あなたは、ペットにして欲しいなら良いぞと言った。確かキュルケは火のトライアングルだ。

 

「うーん、この際、ペットでも何でも良いかしら?」

 

「キュルケ!あんた、人としての尊厳を」

 

ルイズが茶々を入れて来るが。

 

「尊厳?はぁ、これだから貴女は。戦場ではそんなものなんの役にも立たないのよ。あるのは、強いか弱いか、それだけ。その点ダーリンは凄いわ、誰よりも強いんだから!」

 

「野蛮よ!これだからゲルマニアは!蛮族ね!」

 

「何とでも言いなさい?いざ戦争となれば貴女みたいなのから先に死んでいくんだから!」

 

ふむ、あなたの見た限りでは、トリステインは権威を、ゲルマニアは実力を重視する傾向にあるようだ。

 

あなたとしてはゲルマニアの方がやりやすいのだが……。

 

「ほらね!ダーリンはゲルマニアに来てくれるのね!」

 

「なっ?!あ、あんたは私の使い魔でしょうが!!」

 

あなたは、お前が自分の下僕なんだぞ、立場を弁えろ雌犬、とルイズの尻を蹴り上げた。

 

「いっっったァ!!!」

 

 

 

さて、その後のあなたは、と言うと。

 

オスマンに契約を果たした事を伝えたが、フーケ殺害の証拠はないので、今後一ヶ月の間フーケが出現しなければ討伐成功と見なし、金貨三百枚を払うと聞いた。

 

そして、何でも、今夜はフリッグの舞踏会?らしい。

 

あなたの中でパーティーとは、依頼を受けてから会場を核で吹っ飛ばし、残った遺品を回収することを指す。

 

しかし、あなたの聡明な頭脳は、この世界では人殺しは犯罪であると言うことを思い出させた。

 

ひょっとして、この世界では、パーティー会場を吹っ飛ばすことは犯罪なのでは?と。

 

タバサに確認を取ったところ、見事に違法。パーティー会場を更地にしては怒られるそうだ。

 

では、真っ当な依頼として、演奏でもするかとあなたは思った。

 

大体、この学院の人々を見て回ったが、価値のあるものを持っている人間は殆どいない。

 

精々ゴールドの指輪、それも粗悪なものくらいだろうか。ジェノサイドパーティーをしたところで収入はプラスにはならないだろう。

 

なのであなたは、タバサとキュルケを侍らせ、会場に向かうことにした。

 

「その、冒険者殿、少し話を聞きたいのだが」

 

が、オスマンに呼び止められる。

 

オスマンが言うには、この、破壊の杖ことマジックミサイルの杖はノースティリスの冒険者からもらったものらしい。

 

詳しくは興味がないので聞かなかったが、どうやらムーンゲートか何かでこの世界に迷い込んだ一般的なノースティリスの冒険者と共に戦ったことがあるとか。

 

その時に少し話をして、ノースティリスのこと、ノースティリスで最も名声が高いあなたのことなどを聞いたそうだ。

 

そして、このマジックミサイルの杖は、あなたの世界のものなので、必要ならばあなたに返還すると言ってきた。

 

あなたは、魔導具スキルも極めてはいるが、メインは大鎌と銃と魔法なので、別に欲しいものでもないこと、ノースティリスでは一般的に売られているアイテムであることを告げ、立ち去った。

 

 

 

さて、舞踏会である。

 

あなたは貴族などの教養を必要とする層の人間ではないが、ダンスくらいは嗜む。

 

あなたには基本的にできないことがない。

 

と言う訳で、他の男達の羨望の眼差しを受けながらも、キュルケと一曲ダンスを踊った。ダンスの終わりにはキュルケと口付けもした。

 

タバサは、色気より食い気らしく、目の前の食事に夢中だ。なのであなたがストックしているドラゴンの肉を目の前で焼いて食わせてやると、とても喜んだ。

 

ついでにあなたは愛用の★ストラディバリウスを弾いてやったところ、会場にいる人間のほぼ全てが感動のあまり涙を流しておひねりを投げた。

 

そしてルイズは。

 

「来なさい」

 

何だか知らないがあなたと踊ってもらえると思っているらしい。

 

身長差もあり踊りづらいことこの上ないのだが。

 

「良いから!」

 

しょうがないので、あなたは一曲だけ付き合ってあげた。

 

この女は本当によく分からない。

 

懐いているのか何なのか。

 

だが、この女が元の世界に帰る鍵である以上、無闇矢鱈に害することはできない。

 

寧ろ、守ってやる必要があるお荷物だ。

 

あなたは面倒そうに頭をかいた。

 




以降、演奏依頼が舞い込むように。

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