たたかないで……、たたかないで……。
日本政府を脅した。
日本政府は怖がった。
終わり。
鎧嶺二先生の次回作をご期待ください。
と、言いたいところだが。
「土井中村の皆さん!れいわ見廻組の松本史郎です!」
なんか……、なんか、もう、「ホンモノ」の馬鹿が来ちゃった。
いるんだよなあ……。
例えどんなに良い大学を出ても、どんなに良い企業に入っても、どこの国にもどこの世代にも、必ず、一定数の本物の馬鹿がいる。
俺は自分で言うのもなんだが、賢い。
馬鹿と話すのは苦痛だ。
俗説だが、IQが20違うと会話が成立しないのんてことも言われている。
だから、論理的な考えができない子供や本物の馬鹿、知的障害者などの相手は苦手なのだ。
普通の人間が相手ならば、Aと考えているからBと発言して、Cという補足をする……、と言ったように話すから、会話の内容も少し聞けば理解できるし、論理的に間違いがあれば指摘できる。
しかし、本物の馬鹿は違う。
最初から何も考えていないのに、その場の雰囲気だけで適当に発言して、平気で前言と矛盾して、論理が飛躍し続ける。そして、論理的に間違いを指摘するとキレる。
相手してられねえ。
「皆さん!れいわ見廻組をよろしくお願いします!」
土井中村の住民達は、その手の馬鹿は、見なかったことにしてスルーするようになっている。
しかし、今回は少々大規模だ。
選挙カーの様な車の上で、到底不可能な、夢物語のような公約を叫ぶ馬鹿政治家。
そして、それを取り囲む大量のサクラ。
それを撮影するテレビ局。
「えー、我々、れいわ見廻組は、公約として、消費税の廃止や、富裕層への増税と新規国債の大量発行による財源の確保、養育費、介護費無料、ベーシックインカムの導入、原発の即時停止、最低賃金二倍、一部の異常な法律の廃止を公約にしています!」
ほへああぁ〜?!!
何を考えて生きているんだろう????
金持ちから金を分捕り、国債をガンガン増やして、それで色んな事業をやって、その事業で働く人を増やし、結果としてみんなお金持ちになります!だとよ。
MMTでインフレしても僕達は制御できます!と自信満々で言ってるけど、根拠がないからなあ……。
嫌だぞ、旧ドイツのマルクみたいに、札束でパンを買うような羽目になるのは。
左派ポピュリズムには付き合ってられねえな。
ってか、金持ちから奪おうってのがそもそもアカじゃね?平沼騏一郎があの世でお怒りだぞ。
土井中村の住人達は、村のど真ん中で大騒ぎする馬鹿な政治家を冷ややかな目で見ているが、土井中村の住人のふりをしたサクラ達が、NNKというテレビ局のインタビューを受けている。
「松本史郎さんについてどう思いますか?」
「凄いです!松本さんこそ、次の総理大臣になるべき人です!」
「そうだ!跡部政権を倒して、日本を変えなきゃならない!」
「市民党は駄目だ!政権交代しなきゃ!」
「このように、土井中村に集まった人々の多くは、松本史郎氏の目指す新しい日本への期待を……」
いやいや……、やめろよ。
完全にやらせじゃねえか。
普段から、「跡部政権はマスコミに忖度を〜」とか言ってる野党の政治家の癖に、お前がマスコミとズブズブに癒着してるのかよ。
ん?ああ、そうか。
『土井中村に集まった人々』だから、土井中村の住人とは言ってない、ってことか。
……いや、詭弁だろ?!
「えー、党内での会議の結果、魔法の国際管理に向けて、鎧嶺二さんとの会談をする予定です!」
は????
お断りなんだが????
「魔法は膨大な富を生みます!鎧嶺二さんの魔法的な技能や資源を財源として、障害者福祉や社会的弱者の救済を目指します!!!」
は????
「考えてもみてください!世界中の人々が魔法を使えるようになれば、みんなが大きな富を得られます!魔法によって若返ったり、身体能力が高くなったりすれば、みんなが幸せになります!その為にも、世界の為に、鎧嶺二さんから魔法の力を貸してもらいます!」
嫌なんだが????
前も言ったけど、日本は民主主義で資本主義なんだわ。
国の為に個人の財産を徴収するなんてことはあってはならないんだわ。
あの……、あの、あまり強い言葉を使うと弱く見えるから言いたくないんだがね。
全てをまとめて今の気持ちを三文字で表すと、「殺すぞ」だ。
お前、お前は、暗黙の了解ってもんが分からねえのか?
跡部総理がまさに命懸けで俺と会談して、俺と国は不可侵でいきましょうという暗黙の了解を得たというのに、どうしてわざわざ突っかかってくるのか?
頭おかしいだろ。
次の日。
NNKのニュース番組にて。
『……以上が、土井中村の映像でした』
『ふーむ、どうですか、コメンテーターの佐藤さん』
『えー、そうですね、これは、えー、魔法、という巨大な富を公平に分配するというのは、これはまさに当然のことであり、松本さんはいつも通り当然のことを言ったまでのことですね』
馬鹿みたいな内容のニュースを、馬鹿なコメンテーター達が評論する。
『えー、跡部総理は、鎧嶺二との会談で、えー、何一つ、国益に繋がるようなことは、約束事は、えー、何一つ、できなかった訳です』
『そうですね、跡部総理は、前回の会談で、何もできませんでしたね』
馬鹿か?
馬鹿なのか?
跡部総理はそれなりに良くやったよ。
暗黙の了解とは言え、俺と不可侵条約を結んだんだぞ?
自国よりも強大な戦力を持つ個人と不可侵条約を結んだ時点で有能だろうに。
『しかし、しかしですよ?この、松本さんならば、えー、必ずや、鎧嶺二に対して、魔法の力を、えー、国益に繋がるように、手にすることができると、私は期待していますね』
『全くもってその通りです!松本さんは、跡部総理にはできなかったことができるんですね!』
あー、頭が痛くなってきた……。
呆れてテレビを消すと、ちょうどそのタイミングで電話が鳴った。
ん、親父か?
「もしもし?」
『あ、嶺二か?お父さんだ。なんかよく分からないけど、れいわ見廻組の政治家の先生から、お前に会いたいという連絡が来たぞ?』
ほーん。
「断っておいてくれ」
『え?良いのか?よく分からないけど、こう、接待とかしてもらえるやつだと思うぞ?お前は頭が良いんだから、これを機に政界デビューとか……』
「はー?やめてくんない?絶対やだわ。断っておいてくれ」
『お、おう、そうか。分かった』
電話を切る。
………………。
絶対に、うちに乗り込んでくるよな、あの手の馬鹿は。
あー、めんどくせえ!!!
いっそアメリカに亡命しちまうか?
でも、日本の方が飯は美味いんだよなあ……。
はぁ、どうするか……。
野党とマスコミはこれくらいやるだろ。
んー!
今書いてるSF系ポストアポカリプス世界書くのたーのしー!
フォールアウト感あるよね。
考えたプロット晒しとこか。
主人公:金持ちのボンボン、旅行狂い、今までの人生で触れたことのあるものを創造する超能力ゲット
最初に、突然校舎ごとクラス転移。
不良グループと正義漢グループと日和見グループ、主人公とヒロイン三人グループに分裂。
不良グループ、植物を生み出す超能力を得たオタク君を奴隷にして食料確保。主人公君、物質創造チートに目覚めるが隠しておく。
正義漢グループは日和見グループと海のある東へ、不良グループは北へ。主人公君は、病気で見捨てられたヒロインちゃんと校舎に残ることに。ヒロインちゃん一人はインフルエンザ、残り二人は倒れたヒロインちゃんの親友。
正義漢グループ、現地のクリーチャーに襲われて、日和見グループ一名死亡。以降、日和見グループは被害担当として存在。そして、仲間の危機に、正義漢グループが超能力に目覚める……!!!しかし主人公君の物質創造チートには敵わない模様。
主人公君、ヒロインちゃんにリフレンザを吸わせて回復させ、ヒロイン三人と荒野を西方向へ移動。なんで西か?街が見えたからだぞ。高台配置して望遠鏡ゾ。
ここで主人公グループにクリーチャー君が襲いかかる!しかし主人公、「敵の内部に物質を創造して防御貫通で殺す」というぶっ壊れ技を披露して即殺。
主人公君は西へ。すると、街発見。たのもー!うわっ!なんか人がいっぱいいますね!死にかけだけど!え?歓迎してくれる?言葉わかんねーけど歓迎してくれる雰囲気だ!しばらくここにおるで!
そんな時、正義漢グループは海に到着。なお、海にはマイアラーク的なクリーチャーがたくさんおるで。
正義漢グループ、近くを通りかかったBOS的な集団に助けられる。正義漢グループはBOS的な集団に保護され、行動を共にすることに。
不良グループはその頃、レイダー的な集団と戦っていた。そして不良グループも数人が超能力に目覚めて、なんとかレイダーを撃退、拠点を奪う。不良グループはしばらくここでレイダーをやることに。
アライメント的には、主人公グループが堂々のニュートラル、正義漢グループがロウ、不良グループがカオスで物語が進行するよ!
マップ?
北は街、西も街、東は海、南は核ミサイルの爆心地。
ここまで考えた!
あとは未来の俺が悩め!!!